今日、被災地への民間からの人材派遣を応援する仕組み(人材プラットフォーム)を正式に立ち上げました。「ワーク・フォー(Work For)東北」という名前です(記者発表資料。報道)。
被災地に人を送る手法としては、既に、自治体から自治体への応援や、民間人を国家公務員に採用して送る手法を行っています。被災地を応援したい民間企業や民間人と、技能を持った人材を求めている被災地とをつなぐことは、NPOや経済団体が行っています。今回、この部分について復興庁が乗り出し、その「つなぎ」を支援しようというものです。派遣先としては、自治体だけでなく、観光協会やまちづくり会社など公共性のある団体も含まれています。
Work For 東北のサイトを見ていただくと、概要や実例が載っています。
・・当社では今回の派遣の意味を、CSRやビジネスにつなげることよりも、社員育成の機会として捉えています。もちろん新しく地域と関係を築けるのは具体的メリットですが、一番はさまざまな人とのコミュニケーションの中で答えのない課題に挑戦することによる、1人の社員の人間的な成長に期待しています。
課題に対してまず「変えられる」「解決できる」と前向きに捉え、実現のためにあらゆる手段を考える人材。意見の違うさまざまな人と協力してやり遂げられる人材。このような人材が、企業風土を醸成し、最終的にはイノベーションとしてビジネスに活かされる形で返ってくるのだと思います・・(派遣してくださった企業の声)。
・・すぐに直面したのは、東京や民間企業との様々な違いでした。以前は目標とするターゲット数字は明確で、実施にあたってはスピード感が強く求められた。ビジネスの判断の多くは数字をベースにできました。ただしここでの仕事は、進むべき道も明確にしきれないところがあるし、見ている町の未来は5年10年先のもの。コミュニティとしてさまざまな人間関係もあります。どちらが良いというのではなく、文化が違う。一律にビジネスのしくみを持ってくるのではなく、いかに双方がフィットする形で復興を前に進められるのか、大きなチャレンジです・・(派遣された職員の声)。
説明会のお知らせはこちら。企業向け、個人向け。
発災直後は、避難所の支援とかがれきの片付けとか、比較的単純作業が多く、経験のないボランティアも有用でした。しかし、まちづくりを支援するなどになると、ある程度の技能や経験を持った人で、継続的に仕事をしてもらう必要があります。「行ってみたら、思っていたこととは違う仕事をさせられた」などという問題も起きます。被災地が求める人材と、送りたい人材をマッチさせることが重要になります。
NPOの力を借りつつ、行政が乗り出すという、これまでにない試みです。人の募集と応募は、これまではハローワークや紹介会社の仕事でした。これらではうまくいっていない、また少し違った手法を、試みます。