年別アーカイブ:2012年

復旧の際の宗教施設

2012年10月23日   岡本全勝

10月23日の産経新聞に、東日本大震災で被災した神社が、神社本庁の支援で再建されることが、載っていました。岩手、宮城、福島3県で、社殿209棟が流失・全半壊したそうです。年内に9社を再建するとのことです。
地方では、神社がお祭りの舞台になり、伝統行事や伝統芸能を伝えています。氏子である住民の、つながりの場にもなっています。
多くの場合、宗教と言うより、習俗に近いと思うのですが。憲法の定めによって、公金で再建を支援することが出来ません。
復旧現場では、このほかに、お寺の再建や、墓地の修復や移転が、課題になっています。氏子や檀家も、その負担をするだけの資力がありません。お墓は、それぞれの人にとって、かけがえのないものですが。
公共墓地なら、自治体が復旧します。文化財なら、支援する仕組みもあります。

夜が3つほしい

2012年10月22日   岡本全勝

今日、帰りの地下鉄の中で、「夜が、3つあったら良いなあ」と、思いました。「体が3つあったらなあ」という意味です。
一つ目の夜(体)は、おつきあいで懇親会に行きます。2つ目の夜(体)は、家で少し硬めの本を読んだり、原稿を書きます。三つ目の夜(体)は、家でくつろいで、キョーコさんの料理で日本酒を楽しみます。
でも、1日は24時間、体は一つしかありません。若いときは睡眠時間を削って、自分の時間を作ったのですが。この年になると、体力が持ちません。さらに交友が広がって、若いときより会合のお誘いが増えています。困ったものです。
買った本は読まないままにほこりをかぶり、原稿は先送りになります。反省。
ゲーテは臨終の床で、「もっと光を」と言ったそうですが、私の場合は「もっと時間を」ですね。もっとも、私の愚痴をゲーテが聞いたら、「もっと努力を」と怒るでしょう(笑い)。

東北大学公共政策大学院で講義・2

2012年10月21日   岡本全勝

今日は、東北大学公共政策大学院で残りの2コマを講義。先週出した「宿題」を、院生たちはよく考えてきていました。資料を作って、発表する院生もいました。私が悩んだ事例や、被災現場での具体事例を取り上げたので、院生たちも考えやすかったと思います。テーマの中には、結論が出ていないものもあります。講義が、理論や抽象論だけでは、おもしろくありません。実績を述べるだけでは、学生は頭を使いません。ということで、少し工夫しました。
まだまだお話しすることは、たくさんあります。次の機会に、お話ししましょう。
(補足)
今日の授業で紹介した資料は、次のページに載っています。
政府が取った新しい取り組み=復興庁HP「復旧・復興の政府の新たな取組について 
復興庁での企業連携=企業連携のページ
復興庁でのNPO連携=ボランティア・NPO・公益法人等との連携のページ
内閣官房にある組織=組織図(知らない組織がたくさんあるでしょ)
私の官僚制論=「行政構造改革」(少し古いです)
新しい社会のリスク=「社会のリスクの変化と行政の役割」
田舎での暮らし(笑い)=『新地方自治入門-行政の現在と未来』のp18

ドイツでアフリカ沖の海賊裁判

2012年10月21日   岡本全勝

10月21日の朝日新聞に、次のような記事が載っていました。
・・ドイツのハンブルク地裁は、19日、アフリカ東部ソマリア沖でドイツ船籍の貨物船を襲った海賊10人に禁固2~7年の判決を言い渡した・・海賊が訴追されたケニアが受け入れを拒んだため、ドイツで約400年ぶりの海賊裁判となった・・

政権交代に左右されない社会保障議論とシステム

2012年10月21日   岡本全勝

10月20日の読売新聞解説欄は、石崎浩編集委員らによる「社会保障改革。国民会議、始動早急に」でした。
・・そもそも1年で出来ることは極めて限られている。政治的党派を超えて取り組んだ好例とされるスウェーデンの年金改革は、7年かけた・・だからといって、国民会議には何も期待しない、と突き放すべきではないだろう。改めて「社会保障改革の方向性を確認する」だけでも、重要異な意味があるからだ。
それを理解するには、政権交代をはさんだ議論の系譜を見なければならない。
野田政権が目指す社会保障・税一体改革は、自公政権で麻生内閣が設置した「安心社会実現会議」の路線を受け継いでいる。
それまでもさまざまな会議が提言を重ねてきたが、安心会議は与謝野馨・経済財政相(当時)が主導し、野党だった民主党のブレーン的存在の宮本太郎・北大教授をあえて中心メンバーに迎え入れたことで、大きな転換点となった。
そこで打ち出された方針の柱は、▽社会的助け合いを強化するための「公」の新たな担い手を育てる▽雇用を中心に据えて社会保障を全世代型に再構築する▽消費税で財源を確保する▽安心社会実現円卓会議を設置する―というもの。後に、鳩山政権が掲げた「新しい公共」、菅政権が唱えた「一に雇用、二に雇用」などを先取りしていた。
民主党政権に交代した後、宮本教授は改めて「社会保障改革に関する有識者検討会」の座長に就き、安心会議とほぼ同じ内容の報告書を出す・・
民自公3党が政権交代をはさんで合意形成した一体改革を円滑に実施していくためにも、国民会議を早急に設置し、地に足の着いた議論を始めるべきだ・・

宮本太郎・北海道大学教授は、次のように述べておられます。
・・戦後、日本社会は安定した雇用の確保を基軸とし、雇用と連携させて社会保障制度を構築してきた。そのかたちには、もっとプライドを持って良い。国民会議の議論では、改革課題と併せて、これまでの日本の社会保障から継承するべき理念も再確認し、与野党に提示する必要がある。
今の与野党は互いの主張をぶつけ合っているが、政権交代のたびに年金や医療のシステムがひっくり返るのでは、国民はたまらない。国民会議では、政権が交代しても揺らぐことのない土台を固める議論をすべきだ・・

記事には、2000年の小渕内閣での「社会保障構造のあり方について考える有識者会議」から、2011年の菅内閣での「社会保障改革に関する集中検討会議」まで、7つの会議が表に整理されています(麻生内閣での「安心社会実現会議」の記録)。