11月11日の日経新聞「暴動・テロから身を守るには」。
喜多悦子・日本赤十字九州国際看護大学学長の発言から。
「海外で日本人が巻き込まれる事件や災害が続発しています。危機に対処する上での心構えは」という問に対して。
・・心配性であることだ。危険な経験はしないに越したことはない。ただ、危険を避け、起きた危機から迅速に脱出するには、ある種の敏感さが必要だ。動物的な感性と言ってもいい。平和な時代が長く続いた結果、今の日本人はそうした感性が鈍くなり、あまりに無防備になっている。海外では「事態は自分の願う方向にはいかないかも」と考える、ある種のネガティブ思考が必要だ。今の日本人は、逆に善意と楽観的見方でものを考えてしまいがちだ・・
小島俊郎・日立製作所リスク対策部長の発言から。
「企業にとっての海外でのリスク管理の要諦は何でしょうか」という問に対して。
・・いい意味で臆病であることではないか。臆病を表に出しては困るが、慎重に行動するようになるし、情報を集めるためにアンテナを高くできる・・
「あるべき体制は」という問には。
・・本社の危機管理組織は「トップに直結したシンプルな組織」が理想的だ。そうした体制なら、必要な情報が必要な人に必要なタイミングで届き、的確な対応がとれる。
一方で、危機管理で最初から満点を狙うのは非現実的だ。危機時には、顧客、従業員とその家族、株主、地域社会や行政など多様なステークホルダーが十分納得してくれる体制を築くことを目指したい。それができれば、結果的に完璧な危機対応ができなくても、関係者には「やむを得なかったな」と思ってもらえる。満点は取れなくても、合格点はとれる・・