公共用のトイレで、トイレットペーパーのロールが横に2つ並んでいる型のホルダーがあります。これは、一つのロールを使い切って紙がなくなっても、困らないようにという意図です。ところが、多くの人は、2つのロールが同じように減るように使います。すると、2つのロールがほぼ同時になくなることになって、設計者の意図に反する結果になります。これを防ぐのが、ロールを縦に2つ並べておいて、一つがなくなったら、次のロールが出てくるようにしたものです。D.A.ノーマン著『複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦』(2011年、新曜社)に、書かれていました。
なるほどね。2つロールが並んでいる場合、多くの人は、片方を先に使い切って、もう一つの方を手つかずに残そうとはしないでしょう。必ずたくさん残っているロールを使うでしょう。すると、2つが同じ程度に減っていくのですね。