復興の担い手

今後の被災地での復興の進め方について、誤解をしておられる方が、時々おられます。
例えば、「国に復興本部ができた。さらに復興庁ができたら、大胆な都市計画ができるのでしょうね。関東大震災の時の後藤新平のように。がんがんと、国が線を引いて、事業をして・・」というようにです。
いいえ、町の復興計画をつくるのは、住民であり首長であり、議会です。国の役人がしゃしゃり出て、大胆な計画をつくることはありません。

「でも、市役所の職員も亡くなり、まちづくりの能力に欠ける市役所もあります。やはり国が出ていかなければ」とおっしゃる方もいます。
その趣旨は分かりますが、市町村が、県や国に対し「この点について助けて欲しい」と要望してもらわないと。住民や市役所の意向を抜きに、国が絵を描くわけにはいきません。都市計画の専門家が必要なら、送ります。財源が不安ならば、相談に乗ります。規制緩和が必要なら、相談に乗りましょう。それは国の責任です。

また、大胆な都市計画をすれば復興ができる、というわけではありません。その町が今後数十年にわたって、どのような産業で、雇用と賑わいを保っていくのか。教育や福祉など、どのように住民の安心を確保するのか。コミュニティをどのように保っていくのか。インフラ整備以上に、住民の暮らし(雇用と安心)が重要です。立派な道路やビルを造っただけでは、町の復興はありません。
もちろん、市町村長さんたちは、良くわかっておられます。