今日、全国の避難者の数を公表しました。全国の地方自治体の協力を得て、どの市町村に、どのような施設(体育館、旅館、仮設住宅など)に避難しておられるのかを調べたのです。これは、初めてのことです。実は、これが結構大変なのです。
まず、どの市町村に避難しておられるか。原発事故関連市町村からの避難者については、福島県が調べています。しかし、そのほかの避難者を含めた全体像は、正確なところはわかりませんでした。発災以来、警察の発表による「避難所の避難者数」に頼っていたのですが、警察も各市町村からもらった資料を集計しています。市町村ごとの把握対象が違うので、必ずしも統一がとれていなかったのです。しかし、混乱したときに、それは仕方のないことです。
今回調べたら、北海道から沖縄まですべての都道府県、約1,000の市区町村に避難しておられました。全国の市区町村の数が1,750ですから、いかに広範囲に広がっておられるかわかります。3県の外に避難している人は、約5万人もおられます。
次に、どのような施設に避難しておられるか。私たちは避難者と聞くと、体育館などに毛布をひいて避難している人を想像します。しかし、旅館に避難した人や、公営住宅、仮設住宅に入った人もおられます。住宅に入られた方は、自宅から出ているという意味では避難者ですが、ひとまず落ち着かれました。
ところが、これも各市町村ごとに把握の仕方が違うので、そう簡単ではありません。例えば、在宅避難者(自宅にいるが食事を避難所にもらいに来ている人など)を把握している団体と、そうでない団体があります。調査結果によると、いわゆる避難所におられる人は、約4万人です。
これまでの災害では、多くの方が元の市町村に避難されていたので、このような問題は生じませんでした。今回の災害は大きく、このような調査が必要になりました。
職員たちが、その必要性に気がついてくれました。すなわち、避難者は全国のどこにおられるか。これは、政府が把握するしかありません。もう一つは、各市町村ごとのとらえ方がまちまちで、仮設住宅に入っている人も含まれている場合があることに気がついたのです。この人たちを避難者の数字に含めると、避難所がいつ無くなるかが見えないのです。
全国の市町村に協力をいただかなければならないので、調査票はなるべく簡略化しました