貸し出し機能の衰えた銀行

31日の日経新聞「検証、ニッポンこの20年。長期停滞から何を学ぶか」は、「衰えた金融機能。破綻懸念遠のき、革新怠る」でした。
1990年代、巨額の不良債権処理のためと金融ビッグバンに備え、大手金融機関の淘汰と再編が続きました。これで一部の銀行と証券会社を除き、金融機関は 破綻を免れたのですが、記事では、その後、金融機関の資金仲介機能は低下したと指摘しています。
すなわち、1999年には、国内銀行の預金と貸出金がともに490兆円前後で均衡していたのが、5年後には預金が6%増えたのに、貸出金は17%も減って います。そして、国債保有額が44兆円から102兆円に膨らんでいます。民間企業に回るべきお金が、国や地方団体の赤字を支える方に回ったのです。
・・巨大化や公的資金の注入で破綻の懸念が遠のき、預金が銀行に集まりやすくなった。その半面、お金を将来性のある企業に貸し出す技量を銀行が磨くことは なかった。資産運用など直接金融にかかわる部門を思い切って拡充するなどの改革も不十分だった・・と記事は述べています。