9月29日の日経新聞は、「ドイツの未来図-東西統一から20年」を連載していました。ベルリンの壁が崩壊したのが1989年、東西ドイツの統一が1990年でした。あれよあれよという間の出来事でした。東西冷戦は半永久的に続くと考えていた私にとっては、本当に驚きでした。世界の多くの人にとって、そうだったのではないでしょうか。
私が読んだ本では、高橋進著『歴史としてのドイツ統一』(1999年、岩波書店)が、勉強になりました。その中で、高橋先生は次のように書いておられます。・・戦後のドイツ外交を研究してきた者として、ドイツの統一は、私が生きている間はありえないというのが、染みついた公理であり、1989年11月9日のベルリンの壁の開放をみても、統一はまだ遠いという思いを拭い去ることはできなかった・・
東ドイツの格差をどう埋めるのか、大きな問題だったのですが、記事では、東西格差是正はもはや大きな政治課題ではないと、書いています。大変な努力をして、ここまでに至ったのでしょう。メルケル首相が、東ドイツ出身でしたよね(去年、総理のお供をして、ベルリンの首相府に行きました。モダンで大きな建物でした。首相のスタッフの官僚たちと、拙い英語で話をしたことを、思い出します)。
それに代わって、移民をドイツ社会にどう溶け込ませるかが、課題になっています。詳しくは記事をお読み下さい。これは、フランスでも大きな問題になっています。
日本は、島国でもあり、移民を極端に制限しているので、これほど大きな問題にはなっていません。しかし、定住外国人は地域の大きな課題になっています。また、日本が国際化するに従い、西欧の後を追うことになるのでしょう。