週末に、東京国立博物館の「皇室の名宝」と、皇居東御苑での「御即位20年記念特別展」を、見に行ってきました。千年の時を越えて引き継がれてきた正倉院の品々や平安時代の書。
青銅器には、もっと古いものがあります。3,000年と聞くと、それだけで圧倒されます。私は、青銅器も好きなのですが。しかし、土の中から発見されたものと違い、壊れやすく燃えやすい書が保存されたというのは、大変なことですね。
即位礼の儀式も、一部復活されたものがありますが、奈良平安の古式が引き継がれています。
「伝統」と言えばそれまでですが、その重みは大きいです。先日、人生にとっての20年の意味を書きました(11月12日の項)。他方、このように千年や二千年にわたって引き継がれるというのは、人為を越えた時間ですね。
月別アーカイブ: 2009年11月
定住外国人施策推進室
15日の日経新聞読書欄「今を読み解く」で、藤巻編集委員が、移民問題を取り上げておられます。「移民政策」は政治が決めなければならない課題ですが、現在日本におられる「定住外国人対策」は、政治と行政が取り組まなければならない仕事です。
記事でも紹介されていますが、今年1月に、内閣府に定住外国人施策推進室が設置されました。これまで、各省で取り組んでいたのですが、政府全体の担当組織がありませんでした。現場である市町村役場では、取り組みが進んでいる分野でもありました。「定住外国人施策ポータルサイト」もつくられています。もちろん、英語やポルトガル語もあります。各市町村でも、このようなページが作られ、国のサイトとリンクされると便利なのですが。
このほか、内閣府の共生社会政策担当政策統括官(局に相当)では、青少年対策、自殺対策など、社会の問題に取り組んでいます。今年の春に「子ども・若者育成支援推進法」が成立したことは、先日(10月19日)紹介しました。これも、この統括官が担当しています。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)も、担当です。これまで十分認知されなかった暮らしの課題が、行政の仕事として取り組まれつつあることは良いことですね。まずは、行政の課題として取り上げ、担当部門をつくる。ここから、対策は始まります。そして、このような課題は、道路や箱ものと違い、予算をつけたら完成する施策ではないのです。行政にとって、難しい課題です。拙著「新地方自治入門」では、このような問題を、地域が取り組まなければならない課題として、取り上げました。現場では、逃げたり先送りができないのです。
テレワークを進めるために
テレワークを進めておられる田澤由利さんから、日経ネットに、「テレワーク普及はなぜ進まないのか?~「子育て」「雇用」などの施策と連携を」を書いたのでと、メールが来ました。ここで紹介します。田澤さんの主張のポイントは、次のようなものです。
・・・そこで私は、フレックスタイム制度や短時間勤務などの「柔軟な働き方」の究極の形がテレワークである、と位置づけることが、テレワーク普及の近道であると考えた。まず、「柔軟な働き方」の重要性を提示した上で、その究極の形である「テレワーク」を伝えるという流れだ・・・
私も、納得します。詳しくは原文をお読みください。
野党の役割
11日の東京新聞「時代を読む」は、佐々木毅先生の「全面対決と大連立の間」でした。
・・民主党が参院選で勝利した「にもかかわらず」というよりは、むしろ勝利した「ために」、民主党は与党との不断の接触、責任の分有を求められることになった・・。与党が衆参両院で多数を支配していた時期には、こうした厄介な関わりに巻き込まれる必要はなかった(野党が全面対決姿勢でも与党は困らなかった)。
与野党全面対決では国会は動かなくなり、政治は停滞する。他方、今のままでの大連立ということになれば、政治から競争が消え、結局のところは政治は生気を失ってしまう、今回の出来事から考えさせられるのは、与野党全面対決か大連立しかないのかという素朴な疑問である・・
政党政治の工夫のしどころは、むしろ全面対決と大連立という両極の間でさまざまな競争の場面をつくり、必要に応じて妥協や協力をさまざまな段階で演出することにある。もちろん、目指すところはそこでの自らの得点である。
全面対決か大連立かという発想しかないということは、こうした発想能力と演出能力が、極端に貧困であるということにほかならない・・
行政刷新会議、地方交付税
行政刷新会議ワーキンググループは、13日に、地方交付税を取り上げました。