今日は、消防大学校で、自動車を燃やしました。先日の家屋と同じように、火災原因調査の「実験台」を作るためです(11月4日の項)。いつもの燃焼実験棟(巨大な体育館)の中でです。
廃車に仕掛けをして、炎上させます。自動車火災の多くは、エンジンなどの整備不良が原因です。停車中にして、エンジンを回します。そのうちにエンジンが止まり、煙が出て、火が出ます。
アクション映画では、自動車が衝突して、派手に爆発し炎上します。しかし、実際には、爆発もしなければ、燃え上がりもしません。
自動車で燃えるものと言えば、ガソリン、オイル、合成樹脂部品、タイヤです。残りは鉄のかたまりですから。エンジンルームから火が出る場合は、ガソリンやオイルに引火し、合成樹脂、特にバンパーなどに燃え広がります。煙が出て、じわじわと炎が広がります。煙と臭いは、ひどいです。
なぜ、爆発しないか。爆発や炎上するためには、それだけの条件が必要です。多量のガソリンが気化していて、それに引火するとか。でも、自動車は構造上、そうはなっていないのです。その前に、普通の状態では、燃えもしません。そのように作ってあるのです。
焼け焦げた車は、明日、学生によって原因が調べられます。