18日の朝日新聞「私の視点」は、山田啓二京都府知事の「河川整備計画、地元知事に判断委ねよ」でした。
・・国土交通省近畿地方整備局が原案に盛り込んだ4つのダム計画について、整備局の諮問機関である淀川水系流域委員会が「説明や議論が不十分」と待ったをかけた。この異例の事態は、実は当たり前といえる。整備局は、治水事業に関する高度な専門技術集団であり、利水や環境の問題に配慮しつつ最も安全確実な河川の整備こそ彼らの使命だ。一方の流域委は、治水だけでなく、まちづくり、景観、生態系など幅広い分野の有識者や住民代表らで構成される。委員がそれぞれの観点から主張すれば、治水専門家の整備局と意見がかみ合わないことは明らかだろう。
この問題の本質は、誰が河川の未来計画を判断して決めるのか、という点にある。整備局は、国の出先機関にすぎない。・・私は、地域住民の生命・財産を守る責任を負っている地方自治体が、技術集団の支援を受けながら責任を負っていくのが、本来の姿であると考える。地方行政の責任を任された知事が、様々な専門家の意見を聞き、財政負担の問題も含めて住民に説明しながら、総合的に判断すべきなのだ。しかし、現行の河川法では、国が管理する河川の整備計画について、知事は議論の過程に参加できない・・