21日の朝日新聞私の視点、佐々木俊尚さんの「ヤフー買収劇、新たな潮流に沈む帝国」から。
・・80年代まで、コンピュータの世界を支配していたのはパソコンだった。日本ではNECのPC98シリーズがパソコン市場を寡占し、PC98上で動作するソフトでなければ売れなかった。パソコンこそがプラットホーム(コンピューターの動作基盤)であり、パソコンメーカーこそが覇者だったのである。
だが90年にマイクロソフト(MS)が「ウインドウズ3.0」という基本ソフト(OS)を発売すると、状況は変わった。ウインドウズ向けのソフトはどんなパソコン上でも動作し、パソコンの機種の違いを吸収したからだ。この結果、パソコンメーカーの支配力は役に立たなくなり、覇権はMSに渡った。MSはさらに、ワープロや表計算ソフトをウインドウズとなかば統合し、この分野でも市場を支配した。
ところが、2000年代に入って、新興ネット企業のグーグルが登場すると、MS帝国の屋台骨は揺らぎ始める。グーグルの最大の成功は、電子メールや検索エンジン、記事購読など情報やりとり部分に広告を連動させ、巨大な収益を上げるという新たなビジネスモデルを展開したことだった。グーグルは、有料で提供されるべきだと考えられていたインターネットの記事やサービスに広告をつけることで、無料に提供する手法を編み出し、世界最大の広告会社にのし上がった。
グーグルはさらに、インターネットを閲覧するソフト上で軽快に動作するワープロや表計算、電子メールなどのソフトを提供するようになった。これらは必要なときにネット経由で供給され、閲覧ソフトさえ動いていれば、OSの種類は問わない。しかも無料だ。この仕組みは、インターネットという雲(クラウド)につながるだけで様々なソフトが利用できるから、「クラウド・コンピューティング」と呼ばれる。いまや、ウインドウズによる市場支配にも破壊的な影響を与えつつある・・
なるほど、そういうことだったのですか。よくわかりました。まず、IBMなどの大型コンピュータの時代があり、次にパソコンの時代になりました。ここまでは、ものが小型化する時代です。次に、その上に載るOSという「ソフトウエア」が支配する時代になり、さらにはインターネットをどう利用するかという知識の時代に進んだのですね。これが、10年ごとに革新するのですから・・。
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