22日の日本経済新聞は、「三位一体改革最終攻防・下」を解説していました。朝日新聞は「失速小泉改革・中」で、官僚任せでは改革は進まないことを解説していました。その中で、三位一体改革が取り上げられていました。(4月23日)
25日の毎日新聞は、連載「知事たちの闘い-分権は進んだか」第8回「茹でガエル」を載せていました。「族議員や官僚が既得権益にしがみついているから改革が進まないとよく言われるが、当の本人らにその認識は全くない。中央による補助金行政は国民のためだと、大真面目に反論する。官僚のこの真面目なかたくなさが、改革遂行にはやっかいなのだ」(4月25日)
28日に、今年初めての「国と地方の協議の場」が開かれました。麻生大臣の「残り6,000億円の補助金削減について、地方6団体が考えを示していただければ、参考になる」との発言に対し、麻生渡・全国知事会長は、「地方6団体が昨年まとめた補助金廃止案を元に、6,000億円分の削減策を7月までにまとめ、政府に提示する」と応えました。
「地方団体が案を考え、政府が実行する」という仕組みが、今年も機能を発揮しそうです。(4月29日)
3日の朝日新聞は、「国vs地方攻防再燃へー連休明けに協議本格化、見えぬ税源移譲」を大きく解説していました。「地方側は『政府も与党も三位一体改革への熱意が冷めている』との危機感を背景に、補助金削減の具体案を突きつけて、政府の対応を促そうとしている」。
そうです。与党側は昨年秋の「疲れ」が残っています。郵政民営化という大きな争点もあります。霞が関は、このまま冷めたままで逃げおおせたら、勝ちです。地方団体が熱くなるしか、進まないのです。マスコミや国民の理解を得て、政治家を動かすしかないのです。
第2期についての「足並みの乱れ」も、指摘されていました。ありがとうございます、内田記者。
麻生大臣と麻生知事会長の写真が並んで載っていました。余談ですが、お二人は親戚ではないとのことです。(5月3日)
5日の読売新聞は、「中央vs地方再燃、三位一体残り6000億円どう削減」「連休明け議論本格化」を書いていました。3日の朝日新聞といい、この読売の記事といい、論点は絞られています。
①「骨太の方針2005」にどのような記述をするか
②義務教育国庫負担金と生活保護費負担金の一般財源化
③残る6000億円の内容決定、です。(5月6日)
3日の毎日新聞は「知事たちの闘いー地方分権は進んだか」第9回を載せていました。「補助金返上、地方から言い出そう」。2003年7月の、知事会議の記録です。(5月6日)
9日の毎日新聞は、「知事たちの闘い-地方分権は進んだか」第10回を載せていました。16年度予算で地方交付税が大きく削減されたことに、地方団体が怒ったことについてです。
月刊「地方財政」2005年4月号では、神野直彦東大教授が「地方財政改革とセーフティ・ネットの張り替え」を書いておられます。その中で、所得税から住民税へ3兆円税源移譲することに続き、次のようなことを主張しておられます。
①消費税から地方消費税へ3.7兆円(税率で1.5%分)移譲。これで、消費税率は2.5%、地方消費税率も2.5%になります。
②法人住民税のうち1.7兆円を国税とし、交付税財源とする。
③その代わり、交付税財源となっている消費税のうち1.7兆円を、地方消費税とする。
このようにして、国から地方への税源移譲と、地域間格差の是正をしようという構想です。詳しくは原文をお読みください。なお、4月号にはその他の研究者の論文も載っています。(5月9日)
14日の毎日新聞は「三位一体、来年度分調整に着手」を解説していました。「義務教育、生活保護で攻防」「3兆円を目標とする地方への税源移譲は残り6000億円分が実現できるかが焦点。全国知事会など地方は同額の補助金削減案の策定に着手、見返りとして税源移譲を実現するよう求めている・・・」
16日の毎日新聞は連載「知事たちの闘い-地方分権は進んだか」第11回を載せていました。「交付税って何?」です。
一般の方には、なじみがないですよね、地方交付税は。そんなに難しい制度ではないのですが。わかりやすく説明してこなかった、私たちが悪いのでしょうか(元交付税課長の反省です)。(5月16日)