今日は、仙台市で開かれたシンポジウム「東日本大震災から10年~復興の教訓と未来への展望」で、基調講演をしました。もう1人の基調講演は、御厨貴先生です。視聴はオンラインですが、登壇者の多くは現地に集まりました。会場でも、感染防止に気を遣っています。換気のため風通しが良く、寒かったです。
(ビデオ)
私の出番は22分からです。23日まで見ることができるそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=F9mKyDbHETE&feature=youtu.be
私の話は、この10年間で行政は何をしたか、そして何が残っているかです。
これまでにない災害に対し、これまでにない対応をいくつもしました。それを全体としてみると、「国土の復旧から生活の再建へ」という哲学の変更でした。
しかし、住民の戻りは十分でなく、「過大な防潮堤」批判もあります。
それについての考えを、お話ししました。今後の教訓にしてもらうためです。
(使った資料)
https://www.hemri21.jp/contents/pdf/a_e_intellectual_exchange/20200105_2_1.pdf
石橋英昭・朝日新聞仙台総局編集委員からは、「まちの復興とひとの復興」という視点からの、課題整理と問題提起がありました。私にとっては、我が意を得たりです。
マリ・エリザベス・東北大学准教授からは、被災者支援にまだ改善の余地があること、すべての問題を完璧に解決することは限界があること、被災者自身がともに考えていくことが必要との指摘がありました。これも、ありがたい指摘です。
御手洗瑞子・気仙沼ニッティング代表取締役からは、産業再建のためのグループ補助金が従来の施設設備の復旧にしか使えないことの問題指摘がありました。これも重要な指摘です。今回初めて産業再開に国費を入れたのですが、発想は復旧でした。しかし、元に戻すという思想では、これからの産業再生は困難でしょう。町づくりも、人口減少下では、戻すのではなく将来を考えた計画が必要です。