仏教の変遷

佐々木閑著「集中講義 大乗仏教  こうしてブッダの教えは変容した」(2017年、NHK出版)を読みました。これは、別冊NHK100分de名著シリーズの一冊です。

紹介に、次のように書かれています。
・・・同じ仏教なのに、どうして教えが違うのですか?
自己鍛錬を目的に興ったはずの「釈迦の仏教」は、いつ・どこで・なぜ・どのようにして、衆生救済を目的とする「大乗仏教」へと変わっていったのか・・・

釈迦が説いた仏教と大乗仏教(日本で信仰された仏教)とが全く違ったものであることが、よくわかりました。そして、なぜ大乗仏教に転換し、それが民衆に受け入れられたかも。というか、民衆に受け入れられるために、大乗仏教に転化したのでしょう。その中でも、奈良仏教から天台宗、真言宗、浄土宗、禅宗、日蓮宗と派生していったことも、よくわかります。

さらに知りたいことがあります。
仏教そして宗教に、関心を持っていました。人類の歴史で、長い期間そして多くの人をとらえてきた宗教。それを知りたかったのです。いくつか本をかじりましたが、よくわかりません。不勉強もあるのですが。
私の不満は、宗教について書かれた本の多くが、教団・聖職者側から書かれていることです。教義、教祖の教え、実践すべきことが書かれていますが、それを信じた民衆の側からの記述ではないのです。個人の側から書かれているとすると、ある人が宗教心に目覚める、悟りを開く話です。
この項続く