単線的見方の続きです。直線的時間と円環的時間について。
時間や社会の進み方を見る際に、2つの見方があります。直線的時間と円環的時間です。直線的時間は、過去から現在そして未来へと、一方向に進みます。
それに対して、円環的時間は、繰り返されます。1日の太陽の動き、1か月の月の満ち欠け、1年の季節の移り変わり。朝起きて顔を洗い・・・、春が来て種をまきという農作業・・毎日の日常生活が繰り返されます。時間が経っても、変わることはありません。
直線的思考では、原因があって結果があります。円環的思考では、原因の後に結果が出ますが、その結果は次の原因になり、それが次の結果を生みます。そして一巡します。
直線的時間では、キリスト教のように、社会は終末に向かって進みます。ある目的があるのです。仏教では、輪廻転生で、終末や目的はなく、繰り返されます。
二つの思考の合成は、円環的時間が直線的に進むことです。自動車のタイヤがそうです。タイヤは一回転して元の位置に戻りますが、地面についていると、タイヤ自身が前進します。スタンドを立てた自転車なら、ペダルをこいでもタイヤは回転するだけで、前に進みません。
夕方に「やれやれ、今日も一日仕事が済んだか」と思い、朝に「今日もまた仕事か」と考えるのが、円環的思考。「今週中には、これだけ片付けるぞ」とか「今年1年、これだけのことができた」と考えるのが直線的思考です。
後者について「それでも、また次の週や来年には、次の仕事があるじゃないですか」という人が出てくるでしょうが、その間に、あなたは能力を上げているはずです。『明るい公務員講座 仕事の達人編』をお読みください。