2月2日に東松島市を視察した際に、東矢本駅北地区(あおい地区)で、話を聞いてきました。駅北の農地に、集団移転で273区画、公営住宅を307戸(戸建て160、集合住宅77戸、2戸1を70戸)を建設してます。入居が始まっています。駅北という町づくりには最適の場所です。集団移転しなければならなくなった沿岸の住民が、この地区に目を付け、決めたそうです。そして、市長と移住予定者が、地権者に土地を売ってもらうように交渉に行ったとのこと。おかげで、早期に売買交渉が成立しました。
この地区の特徴は、なんと言っても、住民主体の町づくりです。協議会を設立し、住民が主導して町づくりのルールを決めました。まず、少人数の専門部会(宅地計画、区画決定ルール、街並み、広報、コミュニティなど)で方針を検討し、全員対象の井戸端会議(ワークショップ)で意見を聞き、総会で決定するという手順を踏みました。会議は、年間120回以上(3日に1回です)開いたとのことです。ばらばらな地区の仮設住宅に住んでいる住民予定者を集めて会議をするには、苦労があったと思います。また、出てこない人にどうして参加してもらうか。イベントに誘うとかで、働きかけをしたそうです。
宅地の割り当ても、震災前の隣組、親子や親戚で近くにすみたい人を優先しました。話し合いを重ね、どうしても希望が重複する場合にのみ、抽選にしたとか。認知症の高齢者を抱えた家では、ブロックの端の宅地が望まれるのだそうです。街並みの真ん中だと、散歩に出た高齢者が、自宅に戻れない。角地だと、帰ってこられるのです。
目標は、日本一の町づくりです。協議会の会長さんは、民間企業で営業の仕事をしておられたそうです。副会長さんたちが、会長の仕事ぶりを誉めておられました。「まずは話を聞いて、それから上手に結論に持っていく。忍耐力が必要」と。
この過程を記録にまとめ、ほかの自治体の教科書にして欲しいです。市役所のページ。