2007.02.27

今日の朝日新聞と読売新聞を両方読まれた方は、お気づきでしょう。1面の下にある「天声人語」と「編集手帳」が、ともに円楽師匠の引退を題材にしていました。それも、導入部に、36年前の文楽師匠の例を引くところまで一緒です。私は、最初に朝日を読み、しばらくした後で読売を読んだときに、「僕ってぼけたかなあ」と思いました。「同じ新聞を、二回も読んでいるのか」と。
これが記事なら、「盗作だ」と言うことになるのでしょう。しかし、このコラムは両紙の看板ですから、偶然の一致でしょう。とすると、ともに取り上げられるだけの価値がある円楽師匠と、その際に引き合いに出される文楽師匠が偉大だったということですね。そして、朝日と読売のコラムニストも、良い力量だったということでしょう。私は、素直に両記者に拍手を送ります。もっとも、文章は違います。書き出しは、「素人には、読売の方がわかりやすかった」と、息子は言っています。どちらに文才があったかは、読者の判断にお任せします。