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地方消費税充実の理論書

2010年12月25日   岡本全勝

持田信樹東大教授、堀場勇夫青山学院大教授、望月正光関東学院大教授が、『地方消費税の経済学』(2010年、有斐閣)を出版されました。地方消費税が1997年に導入されて、10年以上が経ちました。次なる地方税財政の充実を考える際に、地方消費税の拡充は必須です。
この本では、理論と実際の両面について、世界の理論的・制度的な流れに立って、研究と提言をしておられます。特に、地方税としての性格をさらに強化するために、都道府県の産業連関表を用いてマクロ税収配分を行うことを提言しておられます。
地方税財政研究の必読文献です。ご一読をお勧めします。

2010.12.22

2010年12月22日   岡本全勝

今日は、本年最後の、慶応大学での授業でした。今日から、第3部「地方財政の課題」に入りました。まずは、第9章「財政の分権、自立と自律」です。現在の現実の課題なので、実例を交えてお話しできます。
私の得意な分野なので、ついつい話しが発展し、時間が足りなくなります。でも、学生さんたちが食いついてくれると、うれしくて。また、制度や仕組みといった知識だけでなく、日本社会や経済の見方をお話しすることも、私の授業の重要な内容ですから。

政策立案演習

2010年12月21日   岡本全勝

今日、自治大学校では、第2部研修生188人が、4教室に別れて、政策立案演習の発表会でした。4~5人の班で研究してきた政策提言を、同僚と講師の前で発表するのです。そして質疑応答と講評を受けます。テーマは、各班が選んだ地域の課題です。コミュニティ振興、農業や観光の振興、子育て、高齢者の社会参加、老朽化する公共施設の維持など多岐にわたります。それぞれ、現場で実際に抱えている課題です。
課題が現実のものであること、それへの解決策も、現場を知っている研修生が考えたものであること。これが、自治大学校での政策提言演習の強みです。これだけの研究ができるのは、当校くらいのものでしょう。もちろん、短期間の検討であり、それぞれの提言には、まだまだ詰めなければならない点もありますが。
研修生たちは、全国から集まり、見ず知らずの状態から、議論を重ね、この結論にたどりつきました。その過程も、大きな勉強です。なかなか意見がまとまらず、苦労した班も多いです。概要を1枚のペーパーにまとめるとともに、15分間の持ち時間で発表します。論文はもっと長いのですが、職場では限られた時間で、説明をしなければなりません。その訓練でもあります。パワーポイントを使った発表も、話し方も、落ち着いて、なかなかのものです。
彼らは約3か月の研修を終えて、明日卒業です。各市町村に戻って、活躍してくれることを期待しています。

赤井先生と佐藤先生の地方税改革案

2010年12月20日   岡本全勝

今日12月20日の日経新聞経済教室は、赤井伸郎阪大准教授と佐藤主光一橋大教授の「地方税制の抜本改革。財源確保に説明責任を」でした。お二人の主張のポイントは、次の通りです。
1 現在、国の消費税に連動している地方消費税を分離独立させ、地方消費税は国税とは別に税率を決めること。
これによって、地方消費税について、地方税としての負担感を認知され、地方が増税の説明責任を負うのです。
2 現在、地方税である法人事業税を国税とし、代わりに国税である消費税と入れ替えること。これで、地方税収の不安定性と、地域偏在が大きく解消されます。
3 現在、地方交付税財源である国税の一定割合を、地方交付目的税として、国税から分離し地方の固有財源にすることです。
これによって、これらの財源が地方の固有財源であることがはっきりします。
この案は、国民の税負担は変えずに、地方の財源を増やし、経済変動による税収の不安定や地域間偏在を解消しようとする、現実的な案です。詳しくは、原文をお読み下さい。

2010.12.18

2010年12月18日   岡本全勝

今日は、日大大学院で講義。第6章「市民の満足」を、お話ししました。私の授業では、第2部で「地域の経営」をお話しし、第3部で「市役所の経営」を解説しています。
すなわち、公共経営を2つの分野に分け、前者の「地域社会の経営」と後者の「行政組織の経営」とを、議論しています。通常の行政管理論は、この第3部に当たります。しかし、行政の任務と目標が明快だった昔と違い、何が市役所の任務なのかから、問わなければならないのです。最近の公共経営論や公共管理論は、そこまで進みつつあります。
そして、第3部の組織管理論の講義も、市役所内部の組織管理(第7章)から、市民の満足(第6章)、さらに第2部の地域社会の経営を視野に入れた経営論(第5章)へと、範囲を広げています。 現実の行政学は、組織の管理や組織のスリム化効率化から始まり、成果を問う・市民の満足を上げるというNPM論に進化し、さらに地域の経営へと発展しています。その順に問題を発見してきました。
私の授業では、問題意識をはっきりさせるために、その逆の順に講義しています。すでに本に書かれていることを講義していては、私が教えに行く意味がありませんからね。特に第7章は、私の30年にわたる経験を基にした、「岡本行政管理論」です。
年内の授業は、これで終わり。新年にもう1回講義をして、終了です。