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非常時の法制

2012年5月23日   岡本全勝

5月22日の日経新聞経済教室に、佐々木毅先生が「巨大地震と法制。緊急時権限、内閣に委任を」を書いておられました。平常時と非常事態との政府の役割や権限の違い、大災害時の内閣とその下に置く組織のあり方について指摘しておられます。
東日本大震災の際に、地震津波災害を担当した被災者生活支援本部では、法的権限論は問題にすることなく、運用でほぼ対処できました(もちろん、対策のために新規立法や法令改正はたくさんしましたが)。また、内閣の下に置く組織としても、一つのモデルケースを示すことができたと考えています。ただし、原発事故災害については、この外の議論です。

1,700,000番

2012年5月22日   岡本全勝

今日、カウンターが1,700,000番を達成しました。1,600,000番が、昨年11月8日なので、10万人増えるのに半年かかりました。キリ番ではないので、賞品はありません。もっとも、最近は本を書いていないので、賞品にすべきものがありません。

ボランティア活動、求められる内容の変化

2012年5月20日   岡本全勝

5月13日の読売新聞が、「被災地支援ミスマッチ。ボランティア、短期に集中。ニーズは生活密着型」を伝えていました。
・・東日本大震災のボランティア活動に、ミスマッチが起きている。大型連休中も県外から多くの問い合わせがあったが、受け入れた自治体は少ない。被災地では、大人数が必要ながれき撤去などの作業が減る一方、仮設住宅見回りなど地域に密着した活動が求められている・・

指摘の通りです。原発避難解除区域などは、がれきの片付けはこれからです。しかし、それが済んだ津波地震被災地では、現地で求められる活動内容が変わっています。
例えば、仮設住宅への支援(どのようなことが求められ、何をするかも含めて)、これから進める「まちづくり」(区画整理、高台移転など)に際しての住民意見のとりまとめへの支援などです。これらは、元気な個人が「はじめまして」と訪ねていっても、できる仕事ではありません。「単純肉体作業」でなく、組織的な活動と専門的知見が必要なのです。

個人ボランティアから組織ボランティアに、求めが移行しています。あるいは、個人ボランティアを組織し、その人たちを「使う」組織ボランティアが必要なのです。どのようにその動きを進めるか、専門家の知見を借りて検討中です。

他方、読売新聞16日の夕刊は、仮設住宅での孤立防止のため、自治体が行っている見守り活動が、住民の拒否にあっている例を取り上げていました。石巻市では、調査に回答した6,000世帯のうち3,300世帯(55%)が、見守りを希望しないと答えています。毎日のようにボランティアが訪ねてくることを、煩わしく感じるのだそうです。しかし、訪問拒否をしていた世帯で、2人が死んでいるのが見つかりました。

日本行政学会の報告レジュメ

2012年5月19日   岡本全勝

2012年5月19日に、日本行政学会で報告した際のレジュメです。そのほかの添付資料は省略します。

日本行政学会・共通論題(資料)                 平成24年5月19日
復興庁岡本全勝

大震災からの復興ー政府の役割と組織の運営

1 今回の特徴ーこれまでにない国や自治体からの支援
・被害がこれまでにない大きさと範囲、市町村役場が被災
・阪神淡路大震災(1995年)の教訓
(1)政府の支援(タテの支援)
①責任組織の設置と一元化(被災者支援本部、復興本部、復興庁)
②直接の被災者支援
・緊急物資の調達と配送、被災者への支援情報の提供(壁新聞など)
③市町村役場への支援(財政、職員、技術など)
④インフラだけでなく、生活や産業の復旧を重視
・雇用創出基金(被災者を臨時雇用)、仮設工場や仮設店舗の貸し出し
⑤制度改正と特例制度
・民間アパートを仮設住宅として借り上げ
・復興特区制度と交付金制度
⑥増税をして、資金を確保

(2)各セクターによる積極的な支援ーお金と物資だけでなく、知恵や労力を提供
①他自治体からの応援(ヨコの支援)
職員の応援、避難者の受入れ、役場機能の代替
②企業の貢献とボランティアの活躍(外からの支援)
・支援物資の提供、支援活動、企業の社会的責任(CSR)
・サービスと生産の早期再開(基礎的インフラ以外に、ガソリンスタンド、コンビニなど)

2 復興に向けて
(1)地震津波被災地
・道路や堤防などの本格復旧ー計画を策定済み
・住宅と町並みの復旧ー津波被害地域で再建は危険。移転の住民話合い
(2)原発事故災害地域
・放射線量の低い地域から、住民の帰還
・当分の間、帰還できない地域の住民への支援
(3)街が復興する3つの要素
①インフラの復旧=道路、住宅、施設、ライフラインなど
②暮らしの復旧=公共サービス(教育、医療、介護)と商業サービス
③働く場の復興=雇用と産業(企業活動と事業の再開)

3 臨時組織の運営ーこれまでにないことをする。そのための組織をつくる。
(1)組織の設置と運営
①被災者生活支援本部の設置
②職員の招集、組織の立ち上げ
③任務の発見・確認と日々の作業

(2)一元的組織設置の機能と効果
事業官庁と自治体の役割を前提として、「司令塔」を作る意義
①情報の集約と業務の調整
・現地の状況と課題を全体的に把握
・各府省の情報交換の場
・府省間で課題と問題意識を共有
・各府省への連絡と指示
②各組織の補完
・市町村役場や県庁を補完ー直接支援
・各省庁の隙間を埋める
・企業やNPOとの連携
・関係府省を束ねる
③「見える組織」
・自治体、被災者、関係団体、議員、マスコミからの「窓口」ー指摘、不満、問合せ
・被災者、関係組織、国民に対して、情報提供と政府がしていることを伝える
・存在自体が「政府を見せる」

被災者生活支援本部の記録http://www.cao.go.jp/shien/index.html
山下哲夫執筆「政府の被災者支援チームの活動経過と組織運営の経験」季刊『行政管
理研究』2011年12月号(行政管理研究センター)
復興庁http://www.reconstruction.go.jp/
岡本全勝のページhttp://zenshow.net/

復興会議

2012年5月18日   岡本全勝

今日18日朝、総理官邸で復興推進会議(全閣僚会議)を開きました。今、私たちが抱えている主な復興の現状と課題インフラ事業などの進捗状況原発避難区域への取組方針などを報告しました。
インフラの復旧については、一部の事業を除き、おおむね計画通りに進んでいます。ただし、問題はこれからです。道路や堤防は、関係者の同意があれば工事を進めることができます。ガレキの片付けも、仮設焼却炉をたくさんつくっています。これで急速に進むでしょう。
問題は、街並みの再建です。地震被害地はガレキを片付ければ、そこで住宅や商店を再建することができます。津波被害地は、その場所で再建することは危険です。街ごと移転する必要があるのです。多くの住民のこれからの生活がかかっています。合意は、並大抵ではありません。
また、原発避難区域での現状と課題を、お示ししました。除染、賠償、インフラ復旧、当分帰還できない方への支援と、省庁の内外を含めて総合的に対策を打つ必要があります。それぞれは専門家・責任者がいますが、復興庁が全体を統括し始めています。まだ、この一覧表は十分ではありませんが、地元市町村と課題を解決していきます。
また、復興の現状データを最新のものにしました。ご利用ください。