カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第11回目

2017年12月15日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第11回の講義。公営企業と第3セクターの議論を発展させて、サービス提供について、行政・企業・非営利団体の3つの違いを説明しました。具体の事業を表にしてです。この表はかつて作ったのですが、今回、有識者に見てもらい加筆しました。学生には、「わかりやすい」と好評でした。

引き続いて、国の予算と赤字について。財務省に提供してもらったパンフレットを解説しました。社会保障費は伸びるのに、税収は伸びず、いわゆる「ワニの口」になっていること。先進国の中でも、赤字額、累積額が飛び抜けて大きいことなどを説明しました。これも、パンフレットのおかげで、理解してもらえたようです。

なお、レジュメ9を修正しました。修正後を使ってください。3ページ下から2行目。
「社会システム:自発、無償・有償労働、協力非営利」です。NPOも無償労働だけではありません。

放射線検査のジレンマ

2017年12月13日   岡本全勝

12月13日の福島民報が、「手間かかり重荷に 県産米の全量全袋検査」を伝えています。詳しくは記事を読んでいただくとして。
福島県産の米が安全だと確認するために、全袋を機械にかけて検査しています。これで、安全だということを示すことができます。
もう数年、基準値を超える米は出ていません。それで、いつやめるかが、課題になっているのです。
検査には、手間と費用がかかります。また、「検査しなければならないほど、心配なのですか。他の県ではしていないのに」という質問が出るなど、逆の効果も指摘されています。

これは、BSE牛の検査をいつまで続けるかについても、問題になりました。

大学の期末試験問題作成

2017年12月10日   岡本全勝

慶應大学法学部での授業は、順調に進んでいるのですが。期末試験の準備と、来年度のシラバス作成の時期です。
まず、期末試験問題を作りました。
私の授業は、学生さんを苦しめることが目的ではありません。地方行政の仕組みと、どのような課題があるかを、知ってもらうこと。また、自治体現場と全国的視点、時代による課題の変化とそれへの対応を理解してもらうことです。あわせて、勉強する際の基本や、ものを見る際の基本を、身につけてもらうことです。

それで、試験は記述式です。暗記に労力を使う(それだけでヘトヘトになる)ことを防ぐために、ノートや配付した資料の持ち込みを許しています。また問によっては、「××について、説明せよ。その際は、以下に掲げた単語を用いること。足らない語彙は適宜補うこと」という出題もします。
もっとも、文章を書くことになれていない学生には、少々負担になるでしょう。採点する私にも、負担になるのですが。しかし、「大学で、岡本の授業を受けました」と言ってもらうだけの「品質保証」は必要です。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第10回目

2017年12月8日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの講義。早いもので、10回目です。そこで、これまでの講義を振り返って、どのような視点で見ると分かりやすいか、どこが要点かを説明しました。
これまでに配ったレジュメを読み返し、教科書を読み直すと、全体像がよくわかります。最初読んだときには難しかった部分も、今読むと「なるほど」と思えるでしょう。部分を深めるだけでは、理解は進みません。常に、全体と部分を意識し、行き来しながら勉強してください。これは、本を読む際も同じです。少し読み進んだら、目次を見て、今どこを進んでいるのかを再確認しましょう。

特に地方財政は、個別自治体の財政と、1700団体全体の財政があります。ミクロとマクロです。そして、それを地方財政計画や交付税がつないでいます。さらに、日本経済の大きな部分を占める役割と、行政サービス提供・地域の均衡ある発展といった政治としての役割があります。財政は、経済と政治の接点です。このように、視点がいくつかあるのです。

今日は、地方債と公営企業、第3セクターを説明しました。鉄道、バス、下水道、病院など、身近なサービスを説明するので、学生も取っつきやすいでしょう。自治体が、様々な事業をしていることに驚く学生が多かったです。

南相馬市、新しい段階へ

2017年12月4日   岡本全勝

今日は、南相馬市役所で、復興の課題を議論しました。小高区(市の南部)に出ていた避難指示が、昨年夏に解除されました。約3割の住民が帰還し、平常の生活が戻りつつあります。
市長は、「復興から発展へ、段階が進んだ。進めたい」とおっしゃっています。同感です。避難指示が解除されたことで、次の段階に入りました。また、課題も変わりました。
産業や商業など、まだ元に戻っていないものもあります。医療や介護なども、従事者が不足して、完全には再開していません。これらも、順次解決していきます。

しかし、元に戻すだけでは、次への発展がありません。
津波と原発事故という災害は、大変な被害をもたらしました。しかし、それからの復興を機に、新しい町を作ろうという挑戦が、多くの地域で行われています。
市長は、その際に「住民が主役になる必要がある」と主張されます。この点も、同感です。国も参加しますが、自治体と住民の取り組みが重要です。
市町村が、かつてない復興に取り組んだ経験は、大きな財産です。案を作り、住民の意見を集約し、国や関係者と協議して、実現していく。これだけ「大きな事業」を成し遂げた市町村は、日本中でも珍しいことです。これを、新しい街づくりに生かしてほしいです。