カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

原発事故被災地での営農再開

2019年6月9日   岡本全勝

原発事故被災地では、避難指示が順次解除されています。大きな課題は、産業の再開です。働く場がないと、人は戻ってこないのです。
主たる産業であった原発は、廃炉が決まっています。地元の多くの商店は、原発を中心とした産業に支えられていました。すると、事業者に戻ってもらうことと、新しい産業を興すことが必要になります。

商工業については、経産省を中心とした、福島相双復興推進機構(福島相双復興官民合同チーム)が頑張っています。そして成果を上げています。しかし、全部の事業者が戻るわけではありません。新しい産業を呼び込むために、福島イノベーション・コースト構想を進めています。

もう一つは、農業です。農地も除染しています。戻って営農を再開している方もおられるのですが、多くの方は戻っておられません。田畑は、放置すると荒れてしまいます。市町村では、農地を集約して(まとめて借り上げて)、法人に営農をしてもらうことも進めています。
双葉町でも、農業再開に向けて、法人に協力してもらって計画を作ることにしました。6月8日河北新報「営農再開ビジョン策定へ 全町避難の福島・双葉町「舞台ファーム」と連携 販路探り具体化目指す

記事にもあるように、舞台ファームは、南相馬市小高区、浪江町でも、営農再開に協力してくださっています。楢葉町では、サツマイモについて企業が協力してくれています。ありがとうございます。

福島の環境再生、環境省の努力

2019年6月4日   岡本全勝

環境省が、放射性物質で汚染された県土の再生に取り組んでいます。土をはぎ取って、中間貯蔵施設に集めます。
土のはぎ取りは、帰還困難区域以外では完了しました。いま、仮置き場に置いてある除去土壌を、中間貯蔵施設に運んでいます。
浜通りを通ると、6号線や常磐自動車道で、緑のゼッケンをつけたダンプカーにすれ違います。これが、土壌の入ったフレコンバッグを運んでいるダンプカーです。

広報チラシである「ふくしま環境再生」の6月号は、「輸送を支えるひとびと」特集です。運転手さんの1日が載っています。安全に輸送するため、さまざまな確認を取り入れています。ご覧ください。

初夏の福島の風景

2019年6月3日   岡本全勝

復興の仕事に携わって、東北地方、特に地方を見ることが多くなりました。
沿岸部の被災地域とともに、新幹線の駅からそこまで移動する間の景色です。もちろん、新幹線の窓からも、季節の移り変わりを見ることができます。東京で仕事をしているだけでは、わからない景色です。
野山の緑、田んぼの稲の生長のほか、花がきれいです。桜は、枝垂れ桜の立派な木が多いです。朴の木(ホオノキ)の大きな白い花は、目立ちます。

昨日、楢葉町での会議の帰り、いくつかの場所を見てきました。
常磐自動車道が開通し、相馬福島道路がほぼ開通したので、これを使うと早くて快適に福島市まで帰ることができます。ところが、それでは、これまで通っていた飯舘村、浪江町津島地区、川俣町などを通らなくなるのです。視察する場所があれば行くのですが、他の町の行き帰りに通ると、復興の状況も見ることができます。
で、県道を通ってもらい、遠回りをして、小高区、飯舘村の交流館や住宅などを見てきました。

窓の外を見ていて気がついたのは、バラの美しさと、ひなげしの鮮やかさです。いくつもお宅が、バラを育てておられます。白やピンクの他に、深紅のバラが目立ちます。きれいです。
そして、真っ赤なひなげしです。飯舘村の田畑に、たくさん咲いていました。植えておられるようです。
先月、ハンガリー平原で、牧草地に咲く真っ赤なひなげしを見てきました。ひなげしの花は、アグネス・チャンの歌に出てきました(古いですね)。40年間、「まあ、芥子の花だ」とくらいに思っていました。ひなげしにもいろんな色があるようですが、ハンガリー平原で見た花は、真っ赤でした。
ポピー、アマポーラと呼ばれていることを知りました。ベルギー平原に咲くポピーは、第一次世界大戦で戦場に散った若者の象徴であることを、かつて本で知りました。緑の草原に咲くあの赤は、確かにそれを想像させます。虞美人草だとは、知りませんでした。

福島12市町村の将来像検討会議

2019年6月2日   岡本全勝

今日は、福島12市町村の将来像検討会議に行ってきました。これまでは、福島市や東京で開催していたのですが、今回は、楢葉町、Jヴィレッジで開催しました。Jヴィレッジは、サッカー場だけでなく、ホテルや会議室も備えているのです。

将来像検討会の第1回は、平成26年です。5年近くが経ちました。あの頃と比べると、現地の復興は進みました。順次、避難指示が解除されています。
復興が進むと、地域内での状況の差が、目立つようになりました。早く解除されて住民の戻りが早い町、解除されたが住民の帰還はこれからの町、まだ避難指示が残っている町です。
12市町村を一括りに、議論できなくなりました。これからは、12市町村全体の議論とともに、市町村ごとの状況に応じた対応が必要です。

五百旗頭先生、防災復興庁の提案

2019年5月24日   岡本全勝

5月20日の日経新聞経済教室は、五百旗頭真・ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長の「災害からの安全保障 常設の防災復興庁が不可欠」でした。

・・・復興庁は発災から10年を経る21年3月に設置期限を迎える。そこで廃止してよいのか。福島を中心になおケアすべき復興課題が残る。それに加え筆者は、今後予想される大災害に備える防災復興庁として再発足させることを提案したい。
平成から令和に移行したからといって、日本列島に大災害の時代が終わるわけではない。18年は大阪と北海道が地震に見舞われ、岡山、広島、愛媛で豪雨災害があった。活発な地震活動と地球温暖化に伴う水害は今後も続く。それに備え「災害からの安全保障」を強化することは、国の国民に対する根幹的任務だ。
おそらく列島の地震活動期は、全国各地に直下地震を起こし、南海トラフの巨大地震に行き着くまで終わらないだろう。首都圏、大阪、京都など大都市に地震が起きれば、想像を絶する悲惨となる。大災害が起きてから、どんな機関をつくるべきかなどと時間を費やすのを繰り返すべきではない。常設の防災復興庁を持ち、あらかじめ対処法を準備して、発災とともに直ちに動かねばならない。
災害の現場へ走る第一線部隊の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、医療救援の災害派遣医療チーム(DMAT)、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テック・フォース)など、分権化された日本の機関は極めて優秀だ。だがそれらは総司令部を欠く個別部隊である。全部隊を投入しても足りない大災害で、全体対処をどう決めるのか、日ごろからの研究と準備が不可欠だ・・・