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行政-消防・防災

緊急消防援助隊全国訓練

6月4日5日にかけて、緊急消防援助隊全国合同訓練が、愛知県知多市で行われます。東南海・南海地震を想定したもので、全国から、417隊約2,100名が集まります。東南海・南海地震のほか、東海地震及び首都直下地震の際の、緊急消防援助隊運用方針はすでに決めてあります。これに従って、全国から部隊が集まるのです。
救出や消火といった訓練のほかに、参集、応援活動の調整本部、野営などの訓練も行います。救出・消火の訓練はそれぞれの部隊が、常に訓練しています。難しくかつ重要なのは、全国から集まること、それらの部隊を受け入れること、各部隊が宿泊や食事を自ら確保することです。これだけもの車両が一度に現地にはいると、その混乱はわかっていただけると思います。各部隊はあらかじめ決められた進出拠点(高速道路のパーキングエリアなど)に集まって、それから現地に入ります。受け入れ側で、それを調整する本部の活動も大変です。これだけの訓練になると、実施計画書も分厚くなります。訓練の概要は、この実施計画書の最初の部分を見ていただくとわかります。
大地震は起こって欲しくありませんが、いつ起きても大丈夫なように、このように訓練をしています。これも、阪神淡路大震災の教訓です。

危機管理広報

消防大学校では、その分野の第一人者を、講師に呼んでいます。「さすが」と、感心する授業も多いです。
その一つに、宇於崎裕美先生の「危機管理広報」があります。企業や組織が事故や不祥事を起こした際の、広報の仕方です。具体例を入れて、上手に対応した場合と失敗した場合を、教えてくださいます。事故や不祥事は起こしてはいけないことですが、起きてしまったらどうするか。広報が下手で、「2次災害」を引き起こすことも多いです。
私も「経験豊富な、おわびのプロだ」と自慢していますが、先生のお話は、事例が豊富なのとお話しが上手なので、すごく勉強になります。学生の評価も高いです。
先生の授業の内容を、ここでお話しするわけには行きませんが、先生の著書「不祥事が起こってしまった!」(2007年、経営書院)を、紹介しておきます。

夏服へ衣替え

今日から、クールビズですね。東京は、まだ涼しかったですが。消防大学校では、火災調査科の入校式がありました。制服も夏服に衣替えです。
先週は、4月に入校した幹部科が、2か月の課程を終え卒業しました。今週は、同じく救助科が、卒業します。また、短期間の新任消防長科が、先週入校して、今週卒業します。さらに来週には、警防科と次の幹部科が入校します。各学科とも入校と同時に、校長講話をしなければならないのです。以前にも書きましたが、私の講話も学生による評価対象なので、毎回汗と知恵を出して話しています。

学生企画訓練

今日、消防大学校では、救助科の学生たちが、自ら企画した訓練を行いました。6人ずつが10の班に分かれ、それぞれが「災害現場」をつくります。増水で川の中州に取り残された親子、高層ビル外壁で宙づりになった作業員、縦穴の中に転落し酸欠状態になった作業員、崖下に転落した自動車と運転手などなど。そして、ほかの班が、その想定の下で救助するのです。明日も、同じ想定で、別の班が訓練します。
学生が自分たちで、事故と救助方法を考えるというところが、ミソです。教官に指示された内容や方法でなく、自らが考える。教育訓練の理想像です。もちろん、企画を練り上げるまでには、大変な労力がかかります。また、事前に練習をやってみて、可能なものかを確かめる必要もあります。時間と手間暇が、かかるのです。でも、彼らは、所属の消防本部に帰って、今度は自分たちが教官を務めなければなりません。
今日は、東京消防庁ほか、川崎市、相模原市、埼玉県央消防本部、川越市から、救助隊が支援に来てくれました。同じ想定の下で、お手本を示してくれます。明日も、さいたま市、横浜市、横須賀市、宇都宮市から、支援に来てもらいます。ありがたいことです。
この訓練は、消防関係者の間では結構な人気で、見学者がたくさん来てくれました。宣伝したわけではないのですが、「訓練要領」パンフレットは、300部なくなりました。これまた、うれしいことです。