カテゴリーアーカイブ:行政

10代に教える社会保障の利用法

2023年2月6日   岡本全勝

1月27日の朝日新聞生活面に「困った時の社会保障、10代目線で紹介 社会福祉士・横山北斗さんが本出版」が載っていました。

・・・人生のピンチに使える公的な支援制度は、実はたくさんある。でも、その存在を知らなければ、利用できない。10代の若者に社会保障をもっと知ってもらいたい。そんな願いを込めた本が出版された・・・

・・・「ケガで仕事を休まなくてはならず、医療費と生活費に困った20代のユウジ」
「高校生で妊娠し、生活に困ったマミ」
「母は昼夜のダブルワーク、祖母と弟の世話をしなければならない中学生のサクラ」
中心になるのは、様々な事情で苦境に陥った人のストーリーだ。それぞれが、医療支援や子育て支援などの社会保障制度につながり、暮らしを安定させていく。その過程が、若い世代が感情移入できるような登場人物の目線で描かれる。各自のストーリーに関わる社会保障の制度や相談窓口の情報が、末尾に一覧で示されている。

「社会保障というと高齢者の医療・介護・年金というイメージで、10代には遠いものと思いがち。でも、どんな年代も利用する可能性があります。社会保障を知ることは自分だけでなく、身近な誰かを支えることにもつながる。中学生や高校生が社会保障を学ぶ機会が必要です」・・・

このホームページや拙著『新地方自治入門』で、スウェーデンの社会の教科書を紹介しました。失敗を犯した子供が立ち直る過程を教えること、社会保障などを教えていることです。これまでの日本の教育は、勉強して立派な大人になることを教えましたが、失敗した場合や社会保障を受ける方法などについては触れてこなかったのです。「坂の上の雲」を目指すことを教え、「坂の下の影」は教えなかったのです。「失敗した場合を教える教育、スウェーデンの中学教科書

新型コロナ、8か月間で通知1500件

2023年2月5日   岡本全勝

新型コロナウイルス感染症が拡大した当初に、各府省から自治体あてに膨大な数の通知や連絡が出されました。私も2020年の春に、ある市長から、両手を30センチくらい広げて「こんなにたくさん来ても、読まないわ」と苦情を言われたことがありました。

専門誌『地方行政』の1月23日号に、高坂晶子・日本総合研究所主任研究員が、神戸市が8か月間に受け取った国からのコロナ関連の通知が、約1500件だったと書いています。

外国人への生活保護適用

2023年2月4日   岡本全勝

1月26日の朝日新聞生活面に「生活保護、外国人は受けられる?」が、載っていました。
・・・「外国人に生活保護は出ない」「国に帰ればいい」。愛知県で昨年11月、日系ブラジル人の女性が生活保護を申請しようとしたところ、市役所職員からそう言われ、一時、申請を断られる事態が起きました。在留資格を持ち、日本で暮らす外国人は約296万人(昨年6月末)で、中にはコロナ禍で困窮している人もいます。外国人と生活保護の関係はどうなっているのでしょうか・・・

Q 外国人は生活保護を受けられるの?
A 外国人は「事実上、保護の対象」とされているよ。
Q 「事実上」というのはどういう意味?
A 生活保護法では保護の対象を「すべての国民」としている。ただ、1954年の旧厚生省の局長通知で、「生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取り扱いに準じて必要と認める保護を行うこと」とした。
つまり生活保護法の対象ではないけれど、人道的な観点から保護する必要があるので、事実上は生活保護の対象になっている。
2014年の最高裁判決でも「外国人は行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得る」とされた。

このような人権を守る制度が法律でなく、通達で行われていることは、疑問です。

感染症対策と地方行政

2023年2月2日   岡本全勝

月刊『地方自治』2023年1月号に、田中聖也・行政課長が「新型コロナウイルス感染症対策に何を見るか」を書いています。

この3年間の新型コロナウイルス感染症対策に関して、次のような論点が論じられています。
・明治以来の感染症対策と地方団体の役割
・感染症対策の二つの法律の特徴
・危機管理法制(災害対策基本法、原子力災害対策特別措置法、武力攻撃事態における国民保護法)としての感染症対策
・関係機関の連携の重要性
・国と自治体間の情報共有と意思疎通のあり方
・これまでにない事態で法律上明確でない場合の国や自治体の役割と責任
・国からの「要請」で処理することの問題
・大都市圏での自治体の区域を越えた事務の調整

紹介が遅くなって申し訳ありません。国と自治体との関係を考える際に、重要な論文となるでしょう。私が東日本大震災で対応したのはこれまでにない災害でしたが、原発事故以外は、災害は終わっていました。それに対し、新型コロナウイルスは危機が進行形でした。ここに、大きな違いがあります。

このような法制面での検証とともに、自治体現場での優良事例や問題事例などの収集・検証も期待します。例えば2月1日の読売新聞が、「山梨県の新型コロナ対応 検証報告書 読売調査研究機構」を伝えています。
・・・山梨県の新型コロナウイルス対応について読売調査研究機構が検証した報告書は、未曽有のパンデミック対策に試行錯誤し、苦闘する自治体や医療関係者の姿を浮き彫りにした。変異を繰り返すウイルスに、どう機動的に対応するか。感染拡大を防ぎながら、いかに地域経済を守るか——。いずれも全国の自治体に共通する課題である。山梨県に関する報告書の検証結果や提言は、他の都道府県にとっても参考となるはずだ・・・

追悼、石原信雄さん

2023年2月1日   岡本全勝

石原信雄・元官房副長官が、お亡くなりになりました。

石原さんは、自治省の大先輩。石原さんは昭和27年採用、私は53年採用。これだけ離れていると、一緒に仕事をすることは少ないのですが。
私が財政局財政課で係長職(主査)を勤めているとき(27歳、28歳)の、財政局長でした。扉で続いている局長室に呼ばれ、話される内容を筆記するなどしました。私の雑な殴り書きは、読めなかったと思います。

官房副長官として、不安定な内閣を長年にわたって支えるという、重要な役割を勤められました。大変なご苦労だったと推測します。
官房副長官室には何度か行ったのですが、何の案件だったかは覚えていません。その頃は総理官邸に行くこと自体が珍しく、緊張しました。建て替える前の、小さな暗い官邸です。それにもびっくりしましたが。

省庁改革の際は顧問会議の一員となられ、参事官の私は、事務局長と一緒に何度も説明に行きました。
その後も、お呼びがあったり、私の方から報告や相談に上がりました。いつも、にこにこ聞いてくださいました。12月にも、お目にかかったばかりでした。
ご冥福をお祈りします。