カテゴリーアーカイブ:行政

ひきこもる人の心の中

2024年2月20日   岡本全勝

2月2日の朝日新聞夕刊に、池上正樹さんの「ひきこもる人、その心の声は」が載っていました。ひきこもり状態にある人(15~64歳)はいま、全国に146万人います。

ひきこもる人は、いまだに「家族に甘えている」「働かないで楽をしている」と言われることが多いが、「それは全くの誤解。実態はまるで違います」と強調する。
では、ひきこもりとは何か。「過酷な状況を生き延びるための防御反応であり、そんな状況はいつ誰に訪れてもおかしくありません」と語る。
例えば、学校や職場でのいじめやハラスメントで尊厳を傷つけられる。厳しい労働環境で心身の健康を脅かされる。様々な事情が重なり他人が怖くなると、人との関わりを避けざるを得なくなる。「それでも自死を選ぶのではなく、何とか生きようとしている。それがひきこもっている人の心の内です」
そうした実情を踏まえた上で、ひきこもり状態からの回復には何が必要なのか。まずは、傷ついた心と体をじっくりと癒やすことだが、実際は本人や家族は、社会的なプレッシャーにさらされ続けている。
働かないのはいけないこと、親の収入に依存し迷惑をかけている……。何より本人が「ふがいない自分」を責め、苦しい思いで日々を送る。「これではいつまでも気持ちが休まらず回復は遠のく」と指摘する。

取材を続けてきたこの30年近く、ひきこもる人が増え続ける問題に対応できない福祉行政の姿を目の当たりにしてきた。
ほとんどの福祉窓口の職員は傾聴はしてくれる。だが、何をしたらいいかは教えてくれない。職員たちもどうしたらいいか分からない様子だった。親が相談に行くと「本人を連れてきて」と言われることも多い。それができないから苦しんでいる親子をたくさん見てきた。
厚生労働省は09年から、都道府県と政令指定市に、一次的な相談の窓口となる「ひきこもり地域支援センター」を設けた。22年にはそれを拡充し、市町村単位に窓口を置く「ひきこもり支援ステーション」事業などを始めた。だが、全国1724自治体のうち、新たな事業に手を挙げているのは1割強の210余にとどまる。
根拠となる法律がなく、支援するかどうかは自治体の裁量となる。なかには、独自の施策を打ち出す熱心な自治体もある一方、ほとんど関心を示さないところもあり、地域間で格差が大きいのが実態だ。

急速に変化する日本の労働慣行

2024年2月14日   岡本全勝

篠原俊博さん(元総務省行政局審議官、株式会社SHIFTプリンシパル)が、月刊「地方行政」2月号に、「地方公共団体と民間企業の人事管理の比較・考察」を書いています。数ページ読むことができます。

本人の経験を踏まえた、役所と企業との人事管理の違いを考察しています。両方を経験したので、説得力があります。
転職が容易になり、企業の人事管理が急速にジョブ型に転換しつつあることを指摘し、役所の人事管理も変わらざるを得ないと主張しています。人事院や内閣人事局も改革に取り組んでいますが、世間はもっと先を行っているようです。

今ちょうど連載「公共を創る」で、官僚の育成方法を変える必要があることを書いています。大変参考になりました。

東京労働局長、自ら出演

2024年2月13日   岡本全勝

東京の地下鉄の車内広告動画(液晶画面)で、最低賃金の広報が載っています。そこに、美濃芳郎・東京労働局長が出演しています。
かつて一緒に働き、苦労をかけました。役所の広報に、管理職が出てきて訴えることは、少ないのではないでしょうか。新体操の演技とともに、印象に残りますね。
恥ずかしがり屋の美濃君が出ているとは、部下に担がれたかな。担ぎ出した部下もえらい。
東京都最低賃金・業務改善助成金のお知らせ ~応援します!TOKYO 1113~

共通の知人である官僚から、次のような指摘がありました。
「ビデオみて感動しました。純粋にいいじゃないですか。ちゃんとこうやって、自分たちのやっていることを外に向かって発信する方法を考えてこなかったことに、今更ながら反省しています。」

他自治体からの被災地への職員応援

2024年2月12日   岡本全勝

能登半島地震の被災自治体に、他の自治体から職員が支援に入っています。報道でも取り上げられています。

「能登半島地震の被災地では、少なくとも1千人超の自治体職員が全国から集まり、被災自治体の業務を支援している。派遣先は主に、「対口(たいこう)支援」の方法で割り振られた。災害が続く近年、経験の共有とともに、自治体同士がスムーズに支援し合える取り組みが進む・・・」1月26日の朝日新聞夕刊「つながり深まる自治体支援 能登へ職員派遣 全国から1千人超、国が橋渡し

「能登半島地震からの復旧に向け、被災自治体ごとに支援役の自治体を割り振る「対口(たいこう)支援」が採用されている。ペアになることで役割を明確にし、やりとりを円滑にする狙いがある。サポート体制を強化するには災害に強い人材の育成も必要になる・・・」1月29日の日経新聞「被災地と支援自治体をペアに 役割明確化

被災自治体では突然に膨大な、そして経験したことのない仕事が生まれます。被災者支援、避難所運営、がれき片付け、仮設住宅斡旋、町の復旧などなど。国も支援に入りますが、自治体事務は自治体職員が慣れています。
東日本大震災から、他の自治体が応援職員を派遣することを本格的に始めました。姉妹盟約を結んでいる自治体同士もありますが、総務省が斡旋する仕組みを作っています。「被災地方公共団体に対する人的支援の取組」。制度の解説とともに、実際の活躍風景を載せてくれると、わかりやすいのですが。

難民申請者、滞る公的保護

2024年2月11日   岡本全勝

1月23日の日経新聞に「難民申請者、滞る公的保護 来日増で手届かず「野宿」も」が載っていました。

・・・難民認定を申請中で困窮する外国人に対する公的補助が滞っている。こうした人には「保護措置」として国が最低限の生活費などを支給するが、決定まで半年以上かかる例が後を絶たない。新型コロナウイルス禍の入国制限が緩和され、対象者が急増したためだ。民間団体の支援からもこぼれ、野宿を余儀なくされる人もいる・・・

こんなことが起きているのですね。本文をお読みください。