カテゴリーアーカイブ:行政

官僚の活躍

2024年7月28日   岡本全勝

7月26日の朝日新聞「けいざい+ 発着枠争奪戦:4」は「コロナ禍の余波、中立悩んだ官僚」でした。
・・・羽田空港の発着枠の配分を決める検討委員会。これを取り仕切る国土交通省航空局の航空事業課は、省内のエースが集う部署だ。検討委が続いていた6月時点で課員は22人。平時から航空各社とのやり取りをしている。
重田裕彦航空事業課長(現物流・自動車局旅客課長)は発着枠の議論について、「全社の意見は採用できないため、中立の立場で論理的に対外的な説明ができるかどうかを重要視した」と話す。

羽田の発着枠を決める舞台は、航空事業課での勤務経験者によると、「かなり気を使う」。この期間中は、特定の社に肩入れしていると見られないよう、ネクタイの色まで気にする官僚もいるという。
同課には日頃から航空各社が出入りしており、付き合いも深い。
「どの社にもそれなりに納得してもらわないといけない。一方の不満が残りすぎて永田町に駆け込まれたら役人人生も終わり」(国交省関係者)というシビアな世界だ・・・

重田課長は、復興庁発足当初に、組織人事担当として苦労をかけました。平岡・航空局長とは省庁改革本部で一緒でした。

地方選挙、候補者知る経路の多様化を

2024年7月27日   岡本全勝

7月25日の朝日新聞オピニオン欄に、砂原庸介・神戸大教授の「候補者知る経路 多様化を」が載っていました。

・・・7月上旬に投開票された東京都知事選挙では、想定以上の立候補やそれに伴う選挙ポスター掲示場の枠不足、そして貼られたポスターやNHKの政見放送での人々の関心を集めようとする過激さが物議を醸した。現職候補が公務を優先するとして、都民への露出が「控えめ」であったこともあり、期待された政策論争よりも、場外乱闘のようなやり取りが目立つ選挙であった。
そこでなされる「政策論争がない」という批判はもはや定番だが、候補者も有権者も、政策に関心がないというわけではない。今回の都知事選に限らず、たとえ注目されていない候補者でも何らかの政策に対する熱い思いを持っていることがほとんどだ。候補者たちのことをよく知れば、その中に自分の考え方を一番代弁してくれる政治家がいるかもしれない。そして、そう考えて選挙公報を読むことに挑戦する有権者も少なくないだろう。
そんな有権者にとって、候補者を選ぶ重要な手がかりの一つは、候補者の所属する政党についての情報だ。政党間で競争が行われる傾向がある国政に対して、地方自治体の選挙では無所属候補が多く、さらに同じ政党に所属する候補者同士が競争することもあり、政党名を選択の手がかりとしにくい・・・

・・・選挙は、政治家を選ぶことで、政治の選択肢を絞り込むプロセスだ。そして、日本の選挙の特徴の一つは、極めて短い選挙運動期間で、投票を行う有権者が自ら情報を探して選択する傾向が強いところにある。しばしば批判されるが、マスメディアは選挙の公平性を理由に選挙期間中に個別の候補者を深掘りする報道を避けるし、候補者の側も短い期間で有権者に浸透するため、とにかく名前を連呼することが多い。その結果、特に地方自治体の選挙で、有権者が自分自身で候補者に関する情報をつかみ取って投票しなければならなくなる・・・
・・・しかし、そうであれば有権者が多様な情報にアクセスできるような経路が開かれるべきだ。選挙運動期間をもっと長くとることは必須だろうし、戸別訪問や集会などで候補者を具体的に知ることができる機会を設けるようなことも重要だ。都知事選でポスターや政見放送が広く注目されたのは、反対に言えば多くの人にとってそのくらいしか選択肢を絞る手がかりがなかったことを意味したのではないだろうか・・・

高齢化と災害医療

2024年7月20日   岡本全勝

7月13日の朝日新聞夕刊に、阿南英明・神奈川県立病院機構理事長の「進む高齢化、災害医療のあり方は」が載っていました。

・・・神奈川県の新型コロナ対策を率いた救急医は1月、能登半島地震のDMAT(災害派遣医療チーム)の一員として、石川県庁でDMATや自治体間の調整役を務めた。過去の災害支援やコロナ下の経験をもとに、今後の災害時医療に求められることを聞いた。

「能登の避難所にいる高齢の被災者の衰弱が激しい。命を救うため、広域搬送が必要な人がまだいる。しかし、使いにくい法律がなんと多いことか」
広域搬送が必要になる人の大半は、お年寄りだ。医療を受けられる入院先の病院とともに、落ち着いて生活できる介護施設を見つけることが急がれていた。
しかし、介護保険法では、施設への入所条件は要介護認定に基づく。要介護3以上の人が対象の施設には原則、1や2の人は入れない。避難生活で急激に状態が悪化しても、容易に入所はできない。速やかな要介護度の区分変更が望ましいが、変更するには主治医が意見書を書く必要があった。
見直しの要望を厚生労働省に上げ、1月中旬には主治医でなくても意見書を作れるようになった。でも、認定作業には一定の時間がかかる。災害救助法の解釈には、省庁によるばらつきが目立った。

神奈川に戻った1月末。「フェーズは変わった」と語った。
「急性期の価値観はとにかく助けるでいい。でも時間がたつほどに多様性の重要性が浮き彫りになる。あなたはどうしたいのか? 能登を離れるのか、残りたいのか。それぞれの思いをくみとり、対処するのがあるべき姿」
被災地の病院の救急運営や高齢者の受け入れ先を見つけることに加え、地元の施設に物資や人を補い、再開や存続を支えることもDMATの目的になった。活動は1カ月を超し、異例の長期間となった。

6月。DMATの活動が長期化した主な理由を改めて問うと、「高齢化」という答えが返ってきた。
被害が深刻だった地域の高齢化率は、2011年の東日本大震災は20%台。これが能登半島地震では5割近くになっていた。
受け入れ先を探すのは困難で、復旧を担う側にも高齢の人が多い。離職者も増え、施設再開に時間がかかった。
高齢化はさらに進む。これから起きる災害では、医療やケアの存続が難しいという同じ問題がどこでも起きるのでは?
阿南さんはうなずき、続けた。「こういう社会に我々は暮らしているとまず、認識しなければならない。特効薬はない」・・・

クールジャパン戦略の失敗

2024年7月19日   岡本全勝

7月5日の日経新聞夕刊に「クールジャパン戦略崖っぷち 「再起動」は韓国に学べ」が載っていました。
・・・政府は6月に「新たなクールジャパン(CJ)戦略」を発表し、新型コロナウイルス禍の収束を踏まえ、政策の「リブート(再起動)」を宣言した。コンテンツの消費拡大と国のイメージ向上の好循環を狙う戦略は韓国が先行する。政策の失敗の批判もある日本の現状をどう打破するか。韓国の施策に学ぶ・・・

・・政府が定義するCJとは世界から「かっこいい(クール)」と捉えられる日本のあらゆる魅力を指す。ゲームやアニメに限らず日本食、観光まで所掌は広い。
政府は内閣府の知的財産戦略推進事務局をCJ戦略の司令塔と位置づける。実態は多くの関係省庁の連絡・調整役に近く、政策の立案や実行は個々の省庁が担う。
韓国は日本の省庁にあたる文化体育観光部がコンテンツ政策をつくり、傘下のコンテンツ振興院が一元的な実施機関として制作や人材育成、海外展開を支援する。振興院は09年にコンテンツや放送、ゲームなど関係5機関を統合して設立した。民間の経験者を含めて独自に幅広く人材を採用している。

司令塔機能が弱い日本では、役所の縄張り争いになり、非効率が生まれやすい。経済産業省と総務省が放送コンテンツを別々に売り込む例もあった。
CJに着目した政策は、10年の民主党政権下で経産省に「クール・ジャパン海外戦略室」を置いたころに始まった。かねて司令塔の不在は問題視されてきた。
経団連は23年4月、コンテンツ政策に関する提言で「単発・分散的で戦略的に取り組まれてきたとは言い難い」と断じ、政府に一元的な司令塔組織の新設を求めた。経団連の委託調査によると、韓国のコンテンツの海外進出に伴う自国への収入額は、映画やドラマなど実写、音楽、スマートフォン向けのゲームで日本を上回る。

全体の政策の中での優先順位も不明確だ。日本のコンテンツの海外での市場規模は22年までの10年でほぼ3倍になった。コロナ禍の中でも堅調に推移した。政府はこの間、関連の予算を増減させ、ちぐはぐさは否めない。文化庁などによると、日本の国民1人あたりの文化への公的支出は21年時点で韓国の8分の1にとどまる・・・

千代田区議会議員から職員への不法な要求

2024年7月18日   岡本全勝

7月5日の読売新聞東京版に、「事前情報要求など4% 区議から 千代田区職員アンケート」が載っていました。千代田区、千代田区議会のホームページには、まだ載っていないようですが。
ひどい内容です。「議会で大声で罵倒する」などは、動画中継や議事録で残らないのでしょうか。

・・・千代田区発注の工事を巡る官製談合事件について、区が職員を対象に、原因究明と再発防止に向けて行ったアンケート調査結果の概要が4日、区議会で公表された。区関係者によると、過去5年以内に、区議や元区議から、事前公表しない予定価格などの情報提供を求められた課長級以上の管理職は4.1%いたことがわかった・・・
・・・区関係者によると、「過去5年以内に議員や元議員から、担当する業務の秘密情報の提供を求められた(契約に関する情報を除く)」と答えた管理職は10.8%に上った。「法令への抵触が懸念される要求を受けた」とした管理職も4.1%いた。
自分やほかの職員が、議員や元議員から「いやがらせやハラスメントをうけた」と感じたのは全体で7.8%、管理職だと21.6%に上った。ハラスメントの具体的な内容としては、「依頼を断ると、人事への影響をほのめかす」「議会で大声で罵倒する」「職員の氏名をSNSで発信」などの記述があったという・・・