カテゴリーアーカイブ:行政

一人暮らしに住まいと人的つながりへ支援を

2024年11月5日   岡本全勝

10月22日の朝日新聞オピニオン欄「おひとりさま化する日本」、山崎史郎・内閣官房参与の発言「住まいと人的つながりへ支援を」から。

――単独世帯が抱える問題は何だと考えますか。
「やはり安心して暮らせる住居を確保できるかどうか、が大きな問題です。高齢期のセーフティーネットでは年金が最初に浮かびますが、年金制度だけでは住まいの保障は難しい。家賃や地価は大きな地域差があるのに、基礎年金は月約6万円と全国一律です」

――住まいのない単独世帯をどう支えればいいでしょうか。
「今の仕組みでは生活保護しかありません。これは最後のセーフティーネットであり、その前の段階から住まいを保障していかなければならない。そのため、一般の民間賃貸住宅も高齢者に貸しやすいように、亡くなった後の問題なども含めて支援する社会システムが必要ということで、住宅セーフティーネット法が今年、改正されました」

――住居だけで問題が解決しますか?
「次の課題として、私はエンパワーメント・ネットワークと呼んでいるのですが、生きる力をつける地域づくりが重要だと考えています。誰でも病気やトラブルで元気を失うことがありますが、励まして力を与えてくれるパートナーや家族がいないと立ち直りにくい。病院は身体的な治療をしてくれますが、寄り添って力を与える人が必要なんです。自分自身、年を重ねて分かってきたことでもあります」

――お金や住まいだけの問題ではない、と。
「お金を給付するだけでは、実際の自立に結びつかないことが多いのです。地域コミュニティーなどとの人的なつながりを同時に考える発想が必要です。そういう考えは、これまではあまりなかった。これからは、地域住民も巻き込んだ持続可能なコミュニティーづくりが大切で、それに成功している地域は安心して暮らせるし、人が集まって新しいサービスや仕事も生まれます」

石巻市の災害遺構

2024年11月2日   岡本全勝

先日、東松島市で講演をした際に時間があったので、石巻市の災害遺構を見てきました。
石巻南浜津波復興祈念公園は、国が3県に作った祈念公園の一つです。周辺を含め、国と県と市が分担して、整備し管理しています。「みやぎ東日本大震災津波伝承館」「石巻南浜津波復興祈念公園
私は構想過程から見ていて、中心施設もできたときに見ています。今回も、見てきました。見学者も多いようです。

石巻市震災遺構門脇小学校」に入るのは、今回が初めてです。津波に襲われ、火災が発生した生々しい状態が残されています。また、学校に避難した人たちが、機転を利かせて裏山に避難した状況もわかります。

当時を知らない人には、良い勉強の場となっています。
街は見事に復興し、歩いているだけでは、あの被害がわかりません。石巻市の中心から近くにあります。石巻に行かれたら、ぜひ立ち寄ってください。

文化財買い上げ予算額が3割に削減

2024年11月2日   岡本全勝

10月8日の日経新聞に「日本の美術品どう守る? 「財産」流出で国も買い上げ」が載っていました。

・・・芸術の秋、各地のミュージアムで貴重な文化財を目にする機会もあるだろう。現在、国宝に指定された美術工芸品は912件、重要文化財(重文)は1万910件。「国民の財産」を守るため所有者にはさまざまな義務が課せられる一方、海外流出や所在不明の危険にもさらされている。
「受け継ぐ人がいない」「経営が悪化した」。国宝・重文等の買い上げ事業を担当する文化庁文化財第一課に近年こうした相談が舞い込む。文化財を所有する個人や法人が高齢化や財政難で管理・保有できなくなっているためだ・・・

詳しくは記事を読んでいただくとして。記事と図に、文化庁の国宝や重要文化財買い上げ予算額が載っています。
2000年に34億円だったものが、2024年には10億円になっています。1割削減とかでなく、7割減です。こんなものも、予算を大幅に削減していたのですね。日本(政府)は、財布も心も貧乏になっています。

人気指導者時代の終わり

2024年10月29日   岡本全勝

10月2日の日経新聞オピニオン欄、ジャナン・ガネシュ氏の「「人気指導者」の終わり 危機知らぬ市民、要求厳しく」は、興味深い指摘でした。
西側先進諸国において、かつては時代を代表する政治指導者がいたのに、昨今は人気のある指導者はまれで、在任期間も短くなっています。

・・・では、筆者が推測する原因は何か。何十年も続く平和と豊かさが、期待値を高める予期せぬ結果をもたらしたということだ。戦争の鮮明な記憶がある人は、西側諸国に今暮らしている人たちのごく一部だ。国が抑制できなかった金融危機を覚えている人は事実上誰もいない。
最後に世の終わりに近づいた新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、2年ほどで過去のものになった。
全面的な大惨事をこのように巧みに阻止できたことは本来、政治家に対する信頼を高めるはずだ。だが、人々は高い水準の秩序と進歩に慣れてしまい要求をさらに強める結果になった。

西側諸国の大部分では、もはや人気の高い政府などというものは存在しないのかもしれない。それでも「もっと懸命に働き、もっと良い統治を」というテクノクラート(専門知識を持った官僚)的な決まり文句は消えない。この世界観の伝道師は、市民の怒りに対する答えとして「有効性」を挙げるブレア元英首相だ。
ブレア氏は筆者が取材したなかで最も政策に精通した指導者だ。国が人工知能(AI)やその他の技術を習得すれば成果が高まるという同氏の見方は正しい。それ自体、国のためにやる価値があるだろう。
ただ、そうすれば有権者が元気になるという考えは精査する必要がある。選挙で何度も勝利を収めたあらゆる指導者と同様、大衆心理の不合理な面を多少なりとも知っているに違いない同氏にしては、これは奇妙なほど合理的な想定だ。

ブレア氏、オーストラリアのハワード元首相、米国のレーガン元大統領、フランスのミッテラン元大統領。一つの時代を象徴する人気の政治家、あるいは威厳ある政治家とさえ呼べるような大物はかつてはよくいた。
ドイツのメルケル前首相が最後だったのかもしれない。そのような政治家がいなくなったのは、これほど大きく異なる国々で政府の上げる成果が同時に悪化し、それに従って有権者が政治家を罰しているからではないはずだ(後から振り返ると、メルケル氏がどれほどうまく統治したのかも疑問だ)。
西側全体に共通する点が一つあるとすれば、それは政治の需要側だ。こうした国の有権者は皆(第2次世界大戦が終結した)1945年以来ずっと、平和で経済発展が悲惨ではない時代に人としての生涯を送ってきた。その輝かしい偉業がもたらした究極の結果として、我々市民を喜ばせるのが難しくなった・・・

衆議院選挙投票

2024年10月27日   岡本全勝

先日、衆議院選挙の期日前投票に行きました。
東京の小選挙区は5つ増え、杉並区は2つに分割されました。私の住んでいるところは8区のままなのですが、近所の道路で線が引かれ、その先は27区になりました。地下鉄の駅の前では、8区の候補者と、27区の候補者が演説をしていて、紛らわしいです。

期日前投票の投票所に行くと案内人がいて、「8区ですか、27区ですか」と聞いてくれます。同じ建物に、2つの投票所があるのです。これは、案内人がいないと、混乱するなあと思いました。
投票を終えて出てくると、NHKの出口調査員がいました。協力しようとすると、「27区をやっているので、8区の方は残念ですが対象外です」とのこと。