カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ

行政-再チャレンジ

高齢者をお手伝いに派遣

1月5日の読売新聞都民欄に「「もう一人の母」家庭に」が載っていました。高齢女性をお手伝いに派遣する事業ををしている「ぴんぴんころり」の、小日向えり社長を取り上げています。この記事は、起業家の特集のようです。

・・・売りは「おせっかい」の推奨。掃除や料理などの家事代行にとどまらず、保育園の送り迎えや買い物、人生相談まで「業務」は多岐にわたる。現在、首都圏を中心に、1600人以上の「お母さん」が登録し、約500世帯が利用する。「単なる家事代行ではなく、より身近な『お母さん』という立場で、高齢女性のスキルを生かしてほしかった」と話す・・・

長年、和食居酒屋を経営するなどしてきた祖母がリタイア後に元気をなくした姿を見て、高齢者の就労支援事業を始めようと決意した。「高齢者には働くことが一番のビタミン剤と気がついた」。17年7月に「ぴんぴんころり」を設立し、19年3月から「東京かあさん」のサービスを開始した。
スタート直後は、新聞やテレビにも取り上げられたが、コロナ禍に見舞われ、利用が激減した。対面が前提のため、6割の利用者がサービスを休止した。
「別の事業を考えないと……」と、手作り総菜の宅配サービスも始めたものの反応は今ひとつ。苦しい時期が続いたが、コロナ禍が長引くにつれて「東京かあさん」の利用申し込みが増えてきた。在宅勤務する人が増え、自宅に派遣スタッフを呼びやすくなったことが背景にあった。飲食店の休業によって職を失い、スタッフとして登録を希望する高齢者も増えていた・・・
・・・利用者の8割が子育て世帯だ。実家が遠いなど、実の親に頼れない世帯が多く、「『東京かあさん』がなければ生きていけない」といった声も寄せられる。「『東京かあさん』を高齢者と子育て世帯の両方を助けるサービスに育てたい」と意気込む・・・

「ひきこもり」女性が半数

1月4日の日経新聞夕刊に「ひきこもり 女性が半数」が載っていました。家に引きこもっていても、「家事手伝い」と思われていたこともあったようです。

・・・仕事や学校に行かず、家族以外との交流がほとんどない「ひきこもり」。これまでは男性が想像されがちだったが、女性も多いことがわかってきた。孤独を抱えながら家にいても「家事手伝い」などと扱われ、見過ごされてきた。こうした女性を対象に支援する動きも出るが、全国的にはまだ手薄。まずは入り口として当事者らが安心して支援の場と接点を持てる環境づくりが課題になる。
「女性についての相談がどんどん来る」。浜松市でひきこもりの支援活動を手掛けるNPO法人「てくてく」の山本洋見理事長は話す。活動を始めて20年近いが、これまでは相談の9割は男性に関してだった。
ところが2023年になって「女子会」を企画したところ、相談が多く寄せられた。山本さんは「ひきこもり当事者や家族の会を開いていれば、女性も来られると思っていたが違った。男性を恐れている女性も多い。女性向けの支援が必要だった」と話す。

・・・内閣府では自分の部屋から出ない、家から出ない、近所のコンビニなどには行く、といった人を「狭義のひきこもり」と定義する。自分の趣味に関する用事の時だけ外出する人は「準ひきこもり」で、こうした人と狭義のひきこもりとを合わせて「広義のひきこもり」と位置付ける。
23年3月に公表した調査では15〜64歳で広義のひきこもり状態にある人が全国に146万人いると推計された。そのうち、女性の割合は15〜39歳で45%、40〜64歳では52%だった。中高年では半数以上が女性ということになる。
調査方法が変わったため単純には比較できないが、前回18年調査では40〜64歳で広義のひきこもり状態にある人のうち、女性は23%だった。その前の15年調査をみると、15〜39歳で広義のひきこもり状態にある人の36%が女性だった・・・

早朝も校庭・学童開放

12月22日の朝日新聞に「早朝も安心、子どもの居場所 校庭・学童開放、共働き家庭のニーズ高まり」が載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして、このような需要もあったのですね。

・・・早朝の校庭開放など、朝の子どもの居場所づくりが広がっている。登校時間より早く保護者が出勤する家庭では、短い時間でも子どもが1人になってしまうからだ。共働き家庭の増加や、教員の働き方改革で、かつてより開門時間が遅くなっていることなどが背景にあるようだ。

東京都八王子市の市立由井第一小学校の校庭に、子どもたちが駆け込んできた。10月末の平日午前7時45分。人数はあっという間に50人以上に。サッカーをする子、おしゃべりする子……。3年の男子児童は「早起きも全然平気」。
同小では5月、朝の校庭開放を始めた。午前7時45分から8時15分まで校庭で過ごせる。地域の団体に委託し、毎朝5人体制で子どもを見守る。
2年ほど前まで開門は午前8時で、外で20~30人が待っている状態だった。緒方礼子校長は「教員の勤務時間前で、何かあっては困ると門の中には入れない対応だった」。ところが、近隣から「道路に出て危ない」などと意見が来るように。昨年からは門を入った所で待たせていた。
この地域は都心で働く保護者が多く、出勤時間が早い。1人でカギを閉め登校する子や、保護者と家を出て校門で待つ子が多かった。地域の要望も受け、朝の校庭開放に踏み切った。保護者からは好評だ。早起きをする子も増えた。不登校気味だった子も来るように・・・

・・・背景には何があるのか。社会学者で早稲田大招聘研究員の品田知美さんは「過去10年ほどでフルタイムで働く母親が急増したことが大きい」とみる。国民生活基礎調査によると、正社員で働く母親は2010年の16・9%から、21年は29・6%に増えた。
「以前は一番早く家を出て最後に帰るのが父親だったが、母親も同じように早く家を出るようになったということでは」と品田さん。「男女の格差が一部でも是正されたということで、自治体や学校の取り組みは支えになる」と評価する・・・

出所者の受け皿、自立準備ホーム

自立準備ホームって、ご存じですか。朝日新聞夕刊連載「現場へ!」、12月25日からは「自立準備ホームを訪ねて」です。ぜひ、原文をお読みください。

・・・自立準備ホームは、更生保護施設以外にも出所者らの受け皿を確保するため、法務省が11年に導入した。登録した事業者が、保護観察所からの委託を受けて引き受ける。入所者は6カ月まで生活でき、食事の提供のほか就労や自立の支援を受けられる。再犯防止のためには住まいの確保が重要とされている・・・「自立準備ホームを訪ねて:1 服役後の生き直し、支える

・・・「自立準備ホームを知らない人が多い。必要としている人に情報を届け、再犯、再非行を減らしていきたい」
昨年3月21日、刑務所や少年院から出た人を受け入れる自立準備ホームの全国組織「日本自立準備ホーム協議会」が発足。代表に就いた高坂朝人さん(40)が設立集会で語った。
それから1年半、506ある事業者のうち66団体が参加。研修会や情報交換を重ねる。準備ホームは2011年に法務省が始めた制度で、事業者は毎年法務省に登録する。出所者らが生活する場であるため、周辺住民との摩擦も考慮して、事業者や場所の情報は非公開だ。存在自体があまり知られず、横のつながりもほとんどなかった。
満期出所者の4割以上は帰る場所がなく、仮釈放者より再犯する割合が高い。行き場のない状況を連携して改善したいというのが高坂さんの思いだ・・・「2 元非行少年が運営に奔走

参考2022年5月24日「自立準備ホーム

車椅子での看護専門学校入学

12月26日の朝日新聞夕刊に「夢の看護師へ、まず一歩 車いすの准看、専門学校合格」が載っていました。

・・・6年前に車いす生活となった准看護師が、夢だった看護師になるために来年の春から看護専門学校に通う。これまで2度受験した専門学校は不合格だったが、周囲の支えで受け入れてくれる専門学校を見つけた・・・

・・・大阪府富田林市の桂真梨菜さん(30)は2017年、24歳で准看護師になった。出産後に看護師を目指すつもりが、出産の際に下半身がまひし、車いす生活になった。リハビリの末、21年に車いすの准看護師として仕事に復帰し、決意した。
〈私は、患者さんに心から寄り添う看護師になる。車いすの私だからこそ、なれるはず〉
21、22年と面接試験のみの看護専門学校を受験したが、不合格に。拒まれている、と感じた。

日本看護協会などによると、日本には、看護師の資格を取ってから車いす生活になり働く人はいるが、車いすの人が看護師資格を取ったケースは把握していないという。厚生労働省によると、車いすの人が看護師になることに問題はない。
記者は昨年12月、この経緯を記事で紹介した。事態は展開する。
記事を読んだ国会議員が、受け入れの可能性がある学校を厚労省とかけあって、いくつか探してくれたのだった。
桂さんは今年1月、そのうちの1校に電話をかけた。夏のオープンキャンパスの時に問い合わせて、と言われた。
〈ダメかな〜〉。心を奮い立たせようと、モデルなどに挑戦。秋からは訪問看護の事業所に所属し、訪問准看として働き始めた。入試面接で「すでに車いすで訪問看護をしています」と言おうと思ったからだ。
個別に学校の人と話したいと考えた桂さんは10月、1月に電話した看護学校を訪ねた。大阪府泉佐野市にある泉佐野泉南医師会看護専門学校だ。
キャンパスを案内してくれた人に質問した。
「私は、車いすでは実習できない、と言われ続けてきました。懸念点はありますか?」
学校の人は言った。
「問題が起こるかもしれません。でも、起こったとき、みんなで解決に向けて考えればいい」
社会人入試は11月11日。1カ月間、国語や小論文を猛勉強。面接では、看護への思いを聞かれた。車いすに関わる質問は、なかった。
5日後の朝、自宅に合否発表の速達が届いた・・・