カテゴリーアーカイブ:著作と講演

連載「公共を創る」第142回

2023年2月3日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第142回「行政改革から社会改革へ」が、発行されました。前回まで、1990年代と2000年代に行われた行政改革の成果と問題について説明しました。

さらに視野を広げてみると、これら行政改革が求められた要因には、日本独自のものと、先進国共通のものがありました。
日本にあっては、経済発展の終了と成熟社会の到来に対して、社会と行政が対応できていないことです。
先進国にあっては、日本より先に経済成長が鈍化し、小さな政府と効率化、顧客重視の改革に取り組まれました。新自由主義的改革と新公共経営(NPM)です。

では、日本の行政改革は、目的を達したか。行政改革は成果を上げたのですが、社会はそれ以上に変化していて、行政改革だけではそれに応えることができていないのです。必要なのは、行政改革以上に、社会の変革です。今回は、それを説明しました。

連載「公共を創る」執筆状況

2023年1月30日   岡本全勝

恒例の連載「公共を創る」の執筆状況報告です。
相変わらず、締め切りに追われる、自転車操業が続いています。本業やら講演活動やらで、なかなかまとまった時間が取れません。いつも同じことを言っています。かつては、書きためて余裕があったときもあったのですが、最近はどうもいけません。
それでも、締め切りに遅れたことがないのは、健康であることと、雑な原稿に急いで手を入れてくれる右筆のおかげです。

月に3回の連載となると、同時に4本の原稿が走っています。1月26日に第141回が掲載されたばかりですが、現時点では、第142回(2月2日号)が完成し、掲載を待っています。第143回(2月9日号)は、編集長の了解を経て、校閲を待っています。第144回(2月16日号)を、編集長に送りました。私は、次の第145回(3月2日号)を書いています。こんな状態ですから、気をつけないと頭の中が混乱するのです。
その合間を縫って、コメントライナー(9回)の原稿も書いています。我ながら、よくやっています。

全体の構成では、第4章 政府の役割再考 2 社会と政府(3)社会をよくする手法、を書き進めています。その中で、「大きな政府と小さな政府」「市場への新しい介入手法」「行政改革」を終えて、次回からは「行政の手法」に入ります。
この部分は、執筆に入る前に、まだ骨格が整理できていません。関連情報を知人の教授らに教えてもらうなど、勉強中です。どうなることやら。

連載「公共を創る」第141回

2023年1月27日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第141回「近年の行政改革における問題点」が、発行されました。前回から、行政改革を振り返り、改革で目指された政治主導の現状を評価しています。

第2次安倍内閣と菅内閣では、政治主導や内閣主導ではなく、官邸主導という形が定着したようです。「官邸一強の弊害」という批判もあります。その一つは、官僚たちが官邸からの「指示待ち」になったというものです。
ただし、「官邸一強」と呼ばれるのは、官邸と各省官僚との関係だけで、与党と内閣・官僚たちの関係は変わっていないようです。官僚は、官邸の了解を取ることとは別に、与党の了解をも取らなければならないのです。政治指導の一元化は、されていません。
また政治改革も、道半ばです。二大政党制は定着せず、国会での党首討論も開かれません。政党の政権公約についても、マニフェストは定着しませんでした。

行政改革の話に戻すと、公務員数の削減は業務にしわ寄せが来ています。そして、新しい仕事に取り組まなくなったように見えます。

若手新聞記者への講義

2023年1月23日   岡本全勝

今日は、ある新聞社に呼ばれて、若手記者の研修講師を務めてきました。記者が官庁を取材する際の心得と作法を、取材される側として話しました。

報道機関には、駆け出しの頃から「普通の」取材を受けていたのですが、30歳、鹿児島県県税務課長のときに、課税ミスで厳しい追及の「洗礼」を受けました。42歳、富山県総務部長のときは、談合事件やカラ出張不正で、何度もお詫びの記者会見をしました。
もちろん記者さんとのお付き合いは、お詫びばかりでなく、地方交付税の課題や地方分権改革、県の行政改革などでは、正しく取り上げてもらうべく、昼に夜に説明を行いました。総理秘書官や大震災復興のときも、記者さんとの対応にはかなりの時間を使いました。
「ここを聞いて欲しい」「こんな角度から書いてほしい」と思うこともたくさんありました。「お詫びの仕方・形も大切」「報道記者との付き合い方

公務員にとって、一般的には記者はやっかいな存在です。記者発表ものなら大きな問題はないのですが、そうでない取材には「聞かれたくないこと」もあります。
ところで、管理職研修に、「記者との付き合い方」は入っていないようです。私も、自己流で経験を積んできました。「明るい公務員講座 中級編」第15回に、「交渉 情報発信」を書きました(「明るい公務員講座」第4巻に載せる予定なのですが・・)。
そのようなことを踏まえて、期待を込めて、取材される側の手の内を明かしてきました。

連載「公共を創る」第140回

2023年1月20日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第140回「政治主導を巡る近年の状況」が、発行されました。前回から、1990年代と2000年代に大きな改革が行われた後、どのような改革の取り組みが行われてきたかについて、説明しています。今回は、政治主導、官邸主導、内閣人事局の設置を取り上げました。

全体を通してみると、その後の改革の取り組みは下火になりました。他方で、行われた改革は、後戻りすることなく定着しています。
課題は、制度を変えればすむものでなく、運用を変える必要があるものです。それは特に政治主導についていえます。これについては、まだ道半ばであるというのが、私の評価です。

民主党政権が、官僚を排除した政治主導を目指しました。東日本大震災被災者支援本部事務局で、松本防災大臣や仙谷副長官から「責任は取るから、君たちは思う存分働け」と指示をいただき、私を含めた官僚たちは力を発揮することができました。各府省幹部との連絡を密にするため、廃止された事務次官会議に代わる情報交換会議も作ってもらいました。それが後に、次官たちが集まる各府省連絡会議に発展しました。そのような記憶も書いておきました。