カテゴリーアーカイブ:著作

地方財政改革論議

2005年9月30日   岡本全勝

           2002年5月、出版社ぎょうせい刊
           2006年1月、第6刷

【有名になった拙著】
月刊「経済セミナー」(日本評論社)7月号が、「夏に読むこの1冊」を特集しています。財政分野の担当は橋本恭之関西大学教授で、拙著「地方財政改革論議」を取り上げてくださいました。
「日本社会の構造を大きく変える三位一体改革。・・・このような国と地方の財政関係を、なぜいま変えなければならないか、その改革がわれわれの生活にどのような影響をもたらすかについては、以下の3冊を読めば理解できるはずです」
「まずは、岡本全勝著「地方財政改革論議」をご一読ください。・・・この本では、地方交付税の基本的な仕組みを丁寧に解説したうえで、地方交付税に関する改革論議を紹介しています.・・・」
橋本先生、ありがとうございます。(2005年7月10日)
【第5刷】
拙著「地方財政改革論議」の5刷が出ました。このような専門書が売れるのは、地方財政、特に地方交付税の行方に、関心が集まっている証左だと思います。地方分権・地方財政の問題が、政府の重大課題に取り上げられるのは、ありがたいことです。一般の方が地方財政を理解して下さるのに、少しでもお役に立てれば幸いです。(9月30日)
1 最近の地方財政改革論議
最近地方財政、特に地方交付税の改革論議が高まっています。私は、次のような2つの要因によると考えています。
(財政的要因)
この時期に改革議論が高まった主な原因は、財政赤字の増大です。国家財政の急速な悪化から、経済財政諮問会議の主要課題の一つとして地方財政が取り上げられました(後の課題は、公共事業と社会福祉)。また、地方自治体にとっても、このような借入でによる財政運営は、持続可能か疑問がでてきたのです。
(社会的要因)
もう一つは、第1次分権改革が成就し、次なる分権は地方財政の分権だと認識されたからです。また、地方財政が「ナショナル・スタンダード」を達成したことも、もう一つの要因であると、私は考えています。
2 現在の地方財政の課題は、大きく言って二つ有ります。
 一つは、財政赤字の解消です。もう一つは、地方財政の自立です。
3 本書では、最近の地方財政改革論議を検証し、現在取り組んでいる交付税の見直しを解説するとともに、これからの地方交付税像を検討しています。
追補
その後の動きは、次をご覧ください。
「進む三位一体改革-評価と課題月刊『地方財務』2004年8月号、9月号
「続・進む三位一体改革」同2005年6月号
また、次も参考になります。
「近年の地方交付税の変化」月刊『地方財政』2004年1月号

「地方財政改革論議」

 「地方財政改革論議ー地方交付税の将来像」
目 次
第一章 財政再建
一 借入金の増大
二 借入金の縮小へ
第二章 地方交付税の課題
一 交付税批判の整理
二 総額論
三 算定の簡素化
四 行革努力と財源確保努力
第三章 地方税財源の充実強化
一 分権改革の次の課題
二 選択肢(税源移譲)
三 今後の方向
第四章 将来に向けて
一 「交付税問題」の原因
二 地方財政の課題
 1 地方財政改革の目標  2 団体自治の観点から  3 住民自治の観点から
三 地方交付税の将来
 1 改革のシナリオ  2 生じる問題と対策  3 これからの地方行政論

講演録やインタビュー

2005年7月6日   岡本全勝

(2)地方行財政
地方財政改革の方向と交付税の未来」2004年3月(宮崎県市町村課)宮崎で行った講演の講演録
これからの日本、これからの南砺」2004年6月(砺波地域町村合併協議会)井波町で行った講演の講演録
中沖県政24年の軌跡8:岡本全勝氏に聞く」富山新聞2004年11月6日
講演録「町村財政の将来」(奈良県北葛城郡町議会議員研修会2004年8月10日)『未来への旅立ち』(奈良県町村議長会、2005年3月)に収録

日本経済学会でのパネルディスカッション都市対地方-財政、公共事業、一極集中の是非をめぐって」『現代経済学の潮流2005』(東洋経済新報社、2005年)に収録。
日本経済学会2004年度秋季大会(岡山大学)の成果を載せた「現代経済学の潮流2005」(東洋経済新報社、2005年)が出版されました。第7章は、私も参加したパネルディスカッション「都市対地方-財政、公共事業、一極集中の是非をめぐって」の記録です。ふふふ、いろんなところで「副業」をしてますね。なお、私の意見の概要は、「財政論1」に載せてあります。

講演録やインタビュー

2005年3月18日   岡本全勝

(1)地方財政改革
三位一体改革についての座談会」神野直彦東大教授や柏木孝大阪市財政局長らとの座談会(月刊『地方財務』(ぎょうせい)2003年7・8月合併号
講演録「三位一体改革で国と地方はこう変わる」『日経グローカル』2005年2月7日号及び『日経グローカルセミナーホームページ』
小西砂千夫関西学院大学教授との対談「地方交付税制度50年:三位一体改革とその先の分権へ」月刊『地方財務』2005年1月号
インタビュー「戦後民主主義の変容をもたらす分権改革のインパクト」東京リーガルマインド広報誌『法律文化』2005年4月号。インターネットでもご覧いただけます。このインタビューは、『各界トップが語る ここまで進んだ改革』(東京リ-ガルマインド)2006年に収録されています。

講演「三位一体改革とこれからの自治体改革」『地方自治土曜講座ブックレット第108号:三位一体改革と自治体財政』(公人の友社)2006年3月所収
去年7月に行った「北海道地方自治土曜講座」での、講演とパネルディスカッションが活字になりました。
早速訂正です。講演の部分は、各ページの耳に私の名前が入っています。「岡本勝全」とあるのは、「岡本全勝」の間違いです(そんなに難しい名前じゃないんですがね、とほほ)。
p20の後ろから2行目「国の税収は世ん四四兆円」とあるのは、「国の税収は四四兆円」の間違い。
p36の10行目「住民にきめ細かく説明がができるのです」は、「住民にきめ細かく説明ができるのです」の間違い。

新地方自治入門 補足3

2004年5月9日   岡本全勝
【街の醜さ】
朝日新聞7月6日夕刊に文化欄に、丸谷才一さんが連載「袖のボタン」で「内の美と外の美」を書いておられました。
古代日本語では、所属の助詞が2つあったとのことです。一つは「我ガ背子」のガで、自分あるいは自分に近いものを受けます。もう一つは「諸人ノため」のノで、それ以外のものを受けます。前者を内扱いのガ、後者を外扱いのノというのだそうです。
そこから始まって(このあたりが格調が高いですね)、日本人にとって内と外の区別は重要で、しかも内を重んじ外を軽んじてきたことを論じておられます。そして話は、都市景観の醜さに発展します。日本人の坪庭の思考と、西洋建築の外見を重んじる思考との差です。電線類の醜さを取り上げ、海外旅行に行っても見方が変わらないことを指摘しておられます。(2004年7月18日)
【第7章】
社会的共通資本(p193)については、
内閣府国民生活局が、15年8月に「ソーシャル・キャピタル-豊かな人間関係と市民生活の好循環を求めて」(2003年8月、国立印刷局)をまとめ、出版しました。
宮垣元著「ヒューマンサービスと信頼-福祉NPOの理論と実証」(2003年11月、慶應義塾大学出版会)が、教育や福祉といった対人サービスにおける、信頼・情報・NPOの機能を分析しています。
そこでは、福祉サービスが家庭から行政へ「外部化」することによって、信頼の役割がどのように変化するか、NPOの場合はどうかなど、をわかりやすく分析しています。また、コミュニティを、「地域コミュニティ」と「テーマ・コミュニティ」に区分するなど、示唆に富んでいます。(2003.11.24)
【文化の効果】
14日の読売新聞「地球を読む」で、白石隆京大教授が「韓流と東アジア、文化が一大産業に」という題で、韓国ドラマなど文化商品による、東アジアの「一体化」「均質化」、アジア人意識の形成を論じておられます。(2004年11月15日)
【第8章】
山脇直司先生が、「公共哲学とは何か」(ちくま新書)を出版されました。先生は、東京大学大学院総合文化研究科授です(3月まで私も客員教授を勤めていました)。先生の主張は、
①公私二元論でなく、政府の公・民の公・私的領域の三元論
②経済・科学・教育などにおいても、「公共性」が必要であること
③学問においても、現状分析だけで終わらせる実証主義や、批判だけして対案を提示しない批判主義でなく、「現状分析」と「あるべき社会像の追求」と「実現可能性の探求」を考えるべき
④「公共性と個人の関係を重視する」。滅私奉公でも滅公奉私でもない、「自己-他者-公共世界」論。中間集団の重視、などです。
拙著「新地方自治入門」(第7章地域の財産とは、第8章公の範囲は)での主張と、大きく重なっています。意を強くしました。ご関心ある方は、ご一読ください。
私は、「政治をシステムとして理解する現在の政治学」に不満を持っています。大学の講義でも、政策=アウトカムを分析の軸に据えました。拙著では、p280以下で触れています。(2004年5月9日)
【第10章】
日本の政治のページをご覧ください。

新地方自治入門 補足5

2004年3月12日   岡本全勝
書評
産経新聞政治面書評
「「国から地方へ」を柱の一つとする小泉構造改革が進む中、総務省の現官房総務課長が、地方自治体の現状分析と将来の展望を分かりやすく解説する。複雑で分かりにくい地方行政制度について、戦後五十年の歴史を解きほぐしながら説明しているのが特徴。高度経済成長が終わった後に生じたさまざまな制度矛盾や問題を提起する。
国と地方の税財政「三位一体」改革で注目される複雑な地方財政制度だが、著者の専門分野だけに図表を駆使し、特に詳しく分かりやすく記載。多くの地方自治体の財政が悪化した原因と現行制度の課題を分析しており、改革の意義が明快に分かる。
制度面だけでなく「自治」や「政治」の理念についても原点に立ち戻って検証。二十一世紀型の地域社会の在り方も提言する。」(2004年3月12日)
「国際税制研究」12号に知原信良大阪大学法学部教授書評を書いてくださいました。「・・・本書は地方税財政や自治の問題を包括的に整理して将来を展望したいと思う者に、有益であり時宜を得た著作といえる」「・・・具体例をふんだんに用いて、説明も丁寧であるので大変わかりやすい。地方公共団体の業務については、木は見えても森がよく見えないといわれるが、本書はその全体像を知る上で格好のガイドブックとなるだろう・・・」。ありがとうございます。(2004年5月18日)
NiftyBooks(bk1)より「良書普及人」氏による
中央省庁の現職課長が、自らの仕事を振り返り、更に先輩官僚の業績をマクロ的に反芻し、今の制度の桎梏状態を指摘し、これからどうしていったらよいのかを、幅広い視野から問題提起しているのがこの本である。
筆者は東大の客員教授として、2年にわたり学生相手に分かり易く地方行政の運営実態を講義してきたものをまとめたと書いている。
単なる制度の解説ではなく、制度を通して何が実現できてきたのか、その制度が今どういう課題に立ち至って、かえって日本社会の足かせになっていることを指摘している。これまでの日本の成功を支えた三つの条件、「明確な目標」、「潤沢な財政」、「効率的な行政機構」が、「目標の喪失」、「財政の制約」、「行政の機能不全」に転化しているという観察は、実際そのとおりである。
この本は、曖昧な指摘ではなく、はっきりとした指摘や主張がふんだんに含まれているので思わず唸る箇所が随所にある。例えば以下のようなものがある。
・国家公務員は地方公務員と異なり、人事権が各省庁にあり、対等なものの間の調整がなかなかつかない。優秀な官僚ほど頑張ってカタがつかない。
・教育委員会制度があるので、市民に選ばれた市長が教育に最終責任を持てない。教員に対する人事権も無く制度上問題が大きい。
・地方の貴重な一般財源である地方交付税は特別会計の借り入れが無ければ現在の6割の水準になる。歳出削減をするか、交付税の財源である国税の増税をするか、地方税の増税をするしか方策は無い。
現職の官僚として、無難にことを運ぶという、「伝統的な」役人像からは、一歩も二歩もはみ出ているが、そういう役人が中にはいるということを、このような本を通して知ることができるということも、読書の楽しみ方ではある。地方行政を目指そうとする人たちや、高校の「公民」の授業の副読本としても有用な本である。(2004年6月19日)
インターネットを見ていたら、拙著の書評を見つけました。ぞーりんという方です。「無味乾燥になりがちな内容を、わかりやすく書いてある良書。入門に最適!というのは、ひとつひとつの主張にデータ的裏付けや豊富な具体例があり、また、キャッチフレーズの付け方がうまいせいと思われる。凡百の小難しい地方自治概説本を読むより、よほどためになる」
存じ上げない方ですが、こんなに誉めてもらうと、嬉しいですね。ありがとうございます。(2005年1月18日)
(本格的書評)
同志社大学大学院総合政策科学研究科紀要第7巻に、細井 秀彦氏による書評が載りました。ありがとうございます。
「本書の特色は、従来の地方自治に関する書物が地方行政に関する法令や制度の解説にとどまっているのに対し、政治学、経済学、社会学などの議論を取り込み、広い視野から日本の地方行政と社会を論じている点にある。それゆえ・・・総合政策科学という学問を「伝統的な専門分野を基礎としながら個々の諸科学の狭い問題意識や問題解決方法にとらわれずに、それらの理論を総合ないし統合して問題解決に取り組もうとするもの」と一応の定義をするならば、本書は、「地方自治」という問題を総合政策科学という学問領域から考えるためにも非常に優れた一冊であると言える」(2006年8月12日)
インターネットで、拙著の書評を見つけました。「地方自治を担う人、特に行政職(事務職)に就いている人には必読の本・・ 特に将来の地方自治体像を描いた後半部分は非常に興味深い」。どなたかは存じませんが、ありがとうございます。(2007年2月17日)