カテゴリーアーカイブ:社会の見方

社会システムの設計

2007年8月9日   岡本全勝
8日の日経新聞経済教室は、横山禎徳さんの「高齢時代の社会制度設計、産業横断的なシステムに」でした。
・・戦後日本を支えたシステムが老朽化しているのに、高齢社会に向けた新しい「システム」がきちんと準備されていないという問題である。ここでいうシステムとは、コンピュータシステムや情報システムのことではない。もっと広い意味でとらえるべきで、筆者は「社会システム」と名付けている。社会のあらゆる側面は社会システムが支えており、医療、介護、年金、交通、通信、教育、徴税など社会システムとしてとらえられるものは少なくない。
・・社会システムは、その性格上、産業横断的である。「医療産業」には、銀行や保険会社、建設会社、ソフトウエア会社、コンピュータ会社は入らないが、「医療システム」では、医療保険を提供する保険会社、病院や診療所をつくる建設会社、それに融資をする銀行、さらに診療報酬明細書(レセプト)の電子化などに携わるソフトウエア会社、それを処理するハードウエアを提供するコンピュータ会社なども含まれてくる。
産業横断的であるということは、管轄する行政機構も省庁横断的になる。日本の行政機構は長年縦割り行政の弊害を指摘されてきた。・・問題は別のところにもある、すなわち、産業・省庁横断的に課題を解決する能力や生活者の視点での発想が、官僚に身についていない。優秀な日本の官僚も、システムデザインという新たなスキル(技法)を訓練されておらず、社会システムのデザインができないのだ・・
ここでの「社会システム」は、「新地方自治入門」p191で説明した「制度資本」と似た概念です。

最低賃金引き上げ4

2007年8月4日   岡本全勝
1日の朝日新聞「けいざい一話」は、景気ウオッチャー調査を解説していました。
・・7年前、世界であまり例のない経済調査が日本で始まりました。景気を予測するため、飲み屋の店主やタクシー運転手らの話を直接聞く「景気ウオッチャー調査」。「街角の景況感」と呼ばれ、低予算の割に景気の動きをいち早く当てると言われています・・

最低賃金引き上げ3

2007年7月28日   岡本全勝

28日の朝日新聞変転経済は、「日の丸半導体の失速」でした。かつて世界市場を席巻した日本の半導体は、90年代後半に、世界一から滑り落ちました。韓国・台湾に追い抜かれ、アメリカにも再逆転されます。ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われ浮かれているうちに、転換に遅れたのだそうです。

最低賃金引き上げ2

2007年7月26日   岡本全勝

25日の日経新聞経済教室・最低賃金は、橘木俊詔教授の「貧困解消に引き上げ急げ」でした。なるほどと、思うところが多いです。

最低賃金引き上げ

2007年7月23日   岡本全勝
23日の日経新聞経済教室は、「最低賃金見直しの視点」、山田久さんの「生産性底上げの突破口に」でした。
日本の最低賃金は、生活保護水準より低く、国際的にも極めて低いのです。これを引き上げるべきとの意見がありますが、一方で企業の経営が成り立たなくなるとの意見もあります。この問題についての議論です。
・・中長期的にみれば、最低賃金の引き上げは、格差問題やワーキングプア問題を生み出す根っこにある二つの「二重構造」にメスを入れ、所得底上げを実現していく突破口の役割を果たすことができる。
その第一は、企業規模間の二重構造である。大企業と中小企業とでは大幅な生産性格差があり、それが国際的にも大きい企業規模間の賃金格差の要因になっている。しかも近年、賃金格差は一段と拡大する方向にある。第二は就業形態間の二重格差である。日本の正社員と非正社員の処遇格差は国際的にも大きい。
これら二つの二重構造問題は、戦後一貫して存在してきた。ただ、高度成長期を経て所得が底上げされ、正社員数が増えることで、いったん消滅したようにみえていた。それがバブル崩壊後の景気低迷のもと、グローバルな産業再編や非正規への雇用需要シフトが起こり、水面下で問題がじわじわと再燃してきていた・・。
・・格差やワーキングプアの問題解決には、長らく放置されてきた二つの二重構造に本格的にメスを入れることが不可欠である。中小企業セクターに多く残る低生産性部門での経営革新・事業再生を促すとともに、正規・非正規雇用間の処遇格差を是正し、気象になる人材の能力を最大限引き出す環境を整備することで、経済全体の生産性底上げを目指す必要がある・・
詳しくは、原文をお読みください。