カテゴリーアーカイブ:社会の見方

日本語とワープロ

2008年9月16日   岡本全勝
YOMIURI PC編集部『パソコンは日本語をどう変えたかー日本語処理の技術史』(2008年、講談社ブルーバックス)が、勉強になりました。
かつて、ワープロを作る際に、日本語が科学的に分析できていなくて、技術者が苦労したという話を聞きました。どのように、文字を入力するかです。アルファベットを使っている言語は、26文字を、キーボードで入力すればいいのです。タイプライターです。もちろん、大文字と小文字やコンマやピリオド、改行なども必要です。
しかし、日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字を使うので、これら3種類が必要なのと、漢字が膨大で、キーボードで入力できないのです。日本語タイプライターは、普及しませんでした。現在は、ローマ字で入力して変換する方法が、主流です。でも、変換が、これまた難しいのです。同音異字がたくさんあります。
その次に、皆さんも経験あるでしょうが、変な語句に変換されることです。漢字を一つ一つ変換していけば、そんなことは起こりません。しかし、それでは面倒です。一つの文章や、文節で変換すると、「え~」というような変換が起こります。
「バブル」と打った後に、「のじだい」と入れると、「野路代」と変換された経験をお持ちでしょう。今は、「の時代」となりますがね。
名詞が主で、その後に付く助詞は従なのです。話している時も、「の」はその後の「時代」につくのではなく、その前の「バブル」に付くのですよね。同音異字・同音異義語の変換をどうしたら早くできるか。文脈の中で最適の語をどうして探すか。このような分析は、国文学は役に立たず、技術者が解決していったのです。
わたしは、かつて、音声入力を使っていたこともあります。マイクに向かって読み上げると、パソコンが文章に変換してくれるのです。その際にわかったのは、一語一語では、変換できないのです。前後の文脈からパソコンが良さそうな語を探してくれます。「のじだい」では、パソコンは困ってしまいます。「の」「じ」「だ」「い」と区切って発音したら、パソコンはさらに困ってしまいます。文章は、単語が単に順番に並んでいるのではなく、前後の意味の中で並んでいるのです。
日本語がワープロを進化させ、ワープロが日本語を分析しました。そのほかにも、興味深いことが書かれています。

税より重い保険料

2008年9月15日   岡本全勝
13日の朝日新聞が「税より重い社会負担」を解説しています。サラリーマン世帯の9割以上で、年金・医療保険料が、所得税・住民税・消費税負担より大きいのです。増税は国民の反発を受けやすく、保険料だと抵抗が少ないからです。
これらは、別々に考えられてきたのですが、国民にとっては「同じ負担」です。1997年に、消費税と保険料の増額が別々に決められ、全体像を考えていなかったこともありました。
さて、そこでも触れられていますが、年金は現役世代から高齢者への所得再分配ですが、高齢者ははるかに多く資産を持っているので、年齢軸での負担も図にするとわかりやすいでしょう。

国際化のソフトウエア

2008年9月7日   岡本全勝
7日の日経新聞に、「社会保障協定」の解説が出ています。海外で働く会社員が、日本と現地で公的年金保険料を二重払いしなくてすむようにする仕組みです。そのほか、両国で期間を通算できる場合もあります。
また、朝日新聞は、日本で働いている外国人が母国に送金する際の方法を解説していました。銀行で送ろうとすると、平日でしかも15:00までしか扱ってくれません。普通に勤務していると、利用できないのです。また、手数料がかなり高いです。そこで、「地下銀行」を使う人が多いのですが、これは違法です。
国際化には、いろいろな仕組み=ソフトウエアが必要です。それらは、道路などの公共事業と違って見えにくいのですが、重要な社会資本です。

特別会計余剰金

2008年9月5日   岡本全勝
東大出版会PR誌『UP』9月号に、醍醐聡教授が、「増税なき増収財源としての特別会計余剰金」を書いておられます。これまで「埋蔵金」が議論されてきましたが、それは特別会計の積立金です。教授が書いておられるのは、毎年の余剰金=予算計上したけれど使われなかったお金です。
2006年度の特別会計余剰金は51兆円、そのうち翌年度への繰越が42兆円、積立金が7兆円、一般会計繰り入れが2兆円です。翌年への繰越のうち、歳出見合いでの繰越もありますが、それは5兆円、そのうち確定しているのは2兆円です。すると、それを除く繰越金と積立金が、「利用可能」な金額になります。
詳しくは、原文をお読みください。

無保険の子ども

2008年9月2日   岡本全勝

親が国民保険料を滞納し、保険証を取り上げられると、子どもが無保険の状態になります。お医者さんにかかると、いったん全額自己負担になるので、病院に行かなく・行けなくなります。そのような子供が増えていることが、問題になっています。8月31日の毎日新聞、9月2日の朝日新聞が大きく解説していました。