カテゴリーアーカイブ:社会の見方

団体への加入率の変化

2017年5月5日   岡本全勝

昨日紹介した、中北浩爾著『自民党』に、興味深い表が載っています。「有権者の団体加入率の推移」p196です。「明るい選挙推進協会」調査から、先生が作成されたものです。一部を抜粋します。

数字は左から、1980年、90年、2000年、2009年、2014年で、%です。
自治会  65、68、48、35、25
農業団体 10、11、5、3、4
労働組合 12、8、5、6、6
経済団体 6、7、4、3、2
非加入  18、18、32、40、43

この40年の間に、日本社会が大きく変化したことが、読み取れます。特に、自治会加入者の減少と、どこにも属していない人の増加が激しいです。
このような「緩慢な変化」は、ニュースにはなりません。私たちが気づかないうちに、静かに進行している変化です。しかし、社会や政治を規定する、あるいは社会問題を生む大きな要素です。

高岡さんの新著『外交官が読み解くトランプ以後』

2017年5月2日   岡本全勝

畏友、高岡望さんが、新書『外交官が読み解くトランプ以後』(2017年、祥伝社新書)を出版されました。『アメリカの大問題―百年に一度の転換点に立つ大国』 (2016年、PHP新書)を出版されてから、まだ1年も経っていません。その精力的な活動に脱帽です。
前著も、トランプ大統領を予測した、分析と洞察力に優れた本でした。新著も、アメリカ勤務経験や広い視野から、長期的かつ地球規模の視点で書かれています。これだけの本を書くためには、常に新しい情報それも海外の情報を集めることと、それを冷静に分析し、見通す洞察力が必要です。外交官としての経験と優れた能力の賜、そして努力の成果でしょう。お勧めします。

京都迎賓館

2017年5月1日   岡本全勝

京都を通るついでに、京都迎賓館を見てきました。ちょうど一般公開の日だったので。この施設は、できて10年あまりです。立派な施設です。それは、皆さんにも実体験していただくとして。
施設の見学だけでは、良さは十分にはわかりません。それは、どの建物についても同じです。この施設の場合は、見学の最後に見ることができるビデオと、売店で売っている解説書で、さらにその良さ、そして建設に携わった人たちの思いがわかります。

和風建築の良さが、全体と随所に見ることができます。責任者の一人であった中村昌生さんが、解説書に書かれている文章を引用します。
・・・京都迎賓館は、日本人のもてなし方で国公賓を接遇するために、国家によってはじめて建設された施設である。脱文明開化を内外に宣言する象徴的な施設であると言っても過言ではあるまい・・・
この一文が、この施設の特徴を表しています。東京赤坂の迎賓館は、開国した日本が列強に追いつこうとして、ヨーロッパの宮殿をまねて作ったものです。建物や調度品はヨーロッパ風です。装飾や絵画に日本風を加えてありますが。そもそもは皇太子であった大正天皇の住まいとしてつくられたものですが、「日本もこんな建物を作ることができるんです」と背伸びしている様子が見えます。

京都迎賓館は、中村先生の言葉にあるように、「脱文明開化を内外に宣言する象徴的な施設」です。日本が明治維新以来「国是」としてきた「西欧に追いつけ追い越せ」を終え、それを克服した象徴だと思います。
「追いつけ追い越せ」の思想では、所詮は評価基準は西欧です。日本らしさを加えても、基本は西欧です。もちろん、西欧を無視して日本標準をつくることは、難しいでしょう。
18世紀まで世界一だった中華文明が、世界トップクラスの経済大国になりましたが、「新中華文明」をまだつくり出してはいません。かつての中華文明の象徴である紫禁城(故宮)の前に並んでいるのは、西欧のどこにでもある鉄筋コンクリートの高層建築です。

では、建築物を和風(新和風)にして、日本らしさが出るか。そこには、あと二つの要素が必要です。一つは、調度品などのしつらえです。もう一つは、おもてなしです。
前者は、京都迎賓館をご覧ください。解説書には、どのように日本の伝統を生かしたかが解説されています。私たちが知らない匠の技があります。
後者のおもてなしは、施設見学ではわかりません。主たる要素は食事でしょう。フランス料理でないもの、外国の方にも食べてもらえる和食です。これも、かつてと違い世界でも食べられ評価されるようになりました。そして、お酒です。
この項、続く。

ニワトリと日本人の歴史

2017年4月30日   岡本全勝

NHKカルチャーラジオ、4月からの「ニワトリはいつから庭にいるのか  人間と鶏の民俗誌」が面白いです。私は、「テキスト」を読んだだけですが。
その名のとおり、人間(日本人)とニワトリとの歴史です。かつては、鶏肉を食べるためでなく、時を告げるため、闘鶏をすることが、主だったのだそうです。天然記念物なのに食べても良いとか、人口をはるかに上回る数のニワトリが飼われていることとか。へ~、と思うことがあります。

自衛隊の働き方改革、やればできる

2017年4月27日   岡本全勝

今日紹介するのは、4月21日の日経新聞夕刊の「働き方改革 自衛隊も」です。
・・・いまは政府も民間企業も働き方改革が花盛り。少子化で人手不足に悩む自衛隊もそこは同じだ。女性が生き生きと働き、子育てもできる――そんな職場づくりに取り組んでいる。自衛隊は総勢23万人弱と、トヨタ自動車の単体ベースの従業員の約3倍に達する巨大組織。陸海空の現場でどんな改革をしているのか・・・

自衛隊といえば、屈強な男の職場を思い浮かべます。家庭に妻と子どもを残してと。ところが、女性自衛官も増えて、女性や母親も働ける職場に変わりつつあるのです。航海に出たら何日も戻らない海上自衛官はどうするのか。職場の工夫をお読みください。