カテゴリーアーカイブ:社会の見方

「等」、明確にするのかあいまいにするのか

2020年6月21日   岡本全勝

6月17日の朝日新聞オピニオン欄、「「等」の正体」が、良い視点から「等」という言葉の使い方を取り上げていました。厳密さを求めてつける「等」が、あいまいになるという逆機能を持っていることです。
詳しくは原文を読んでいただくとして、吉田利宏・元衆議院法制局参事の発言「恣意的解釈、ルールが防ぐ」の一部を紹介します。

・・・ 私は衆議院法制局に15年勤め、主に議員立法をつくる際の補佐をしてきました。最初に自分が書いた法案を見せた時の上司の言葉を今でもよく覚えています。「ここにある『等』は何を指しますか?」
それまで日常的に使ってきた「等」は、「それ以外のさまざま」をひっくるめる言葉でしたから、具体的に何を指すか、と聞かれてびっくりしました。法令用語としての「等」は厳密に使わないといけない、と知りました。
具体的に言えば、「等」の前にはもっとも代表的なものを置くこと、「等」で省略されるものを必ず全て列挙できること、これが法文で「等」を使うための条件なのです。

これと正反対の、あいまいで便利な「等」が今、あふれています。会社のコンプライアンスの必要性が叫ばれた頃から、ビジネス文書で増えてきました。まだ立場や方針が完全に一致していない同士でも、要所に「等」をつけておくと、全体として「同じ方向を向いている」という雰囲気が出るのかもしれません。
行政の世界もそうです。コロナ危機は誰にも想定外の事態だったはずです。まずは選択幅を広く取っておこうと、自粛要請の予定対象として「遊興施設等」「劇場施設等」という表現が使われました。政治家の場合は、互いに主義や立場が違う者同士が歩み寄るため、「社会情勢等の変化に対応する等」などと玉虫色の言葉を使えば何となく調整できた気になる。
でも法律の文章では「等」は厳密な用語です。私は「等」と書いた掛け軸を床の間にかけてもいい、と思うほど大切だと考えています。法律は国民の権利義務にかかわりますから、小さい言葉ほど軽く扱ってはいけないのです・・・

・・・「あなたの行為は、法律のこの『等』に含まれますので違反です」と罰則を科されたらたまりません。恣意(しい)的な解釈を防ぐため、厳密なルールで使われるべきなのが法文の「等」。覚えておいて損はないと思います・・・

プロ野球開幕

2020年6月20日   岡本全勝

コロナウイルスの影響で3か月間延期されていたプロ野球が、6月19日から開幕しました。長く待っていたファンの皆さんは、うれしかったでしょうね。
まだ、球場には行けませんが、テレビで見ることができるようになりました。昨日は、多くの人がテレビの前で、声を出して応援していたと思います。ビールも、おいしかったのでは。

スポーツの社会的機能が、改めて認識されたのではないでしょうか。
「不要不急」の催し物や趣味は、「生活に必須」のものより、実は個人や社会に大きな機能があります。必須のものなら、誰もが買いに行き、行動します。ところが、不要不急でありながら人が欲するというのは、それだけの魅力があるということです。

我らが楽天イーグルスは、エース則本で勝ちました。さい先が良いです。勝った試合のビデオは、何度見ても楽しいですね。

幼児教育の重要性

2020年6月17日   岡本全勝

6月14日の読売新聞、「新型コロナ 迫られる変化」、山口慎太郎・東大教授の「今こそ 家族に優しい社会へ」から。
・・・学びの場が大事だという点で特に強調したいのが、幼児への教育は社会全体にとって非常にメリットが大きいということです。
私の研究グループが国の調査データを分析したところ、家庭的、経済的に恵まれない家庭の子どもが保育園に通うと、多動性、攻撃性が減ることがわかりました。本人の学力の向上に役立つのはもちろん、少年犯罪の削減につながります。
幼児教育の効果を長期にわたって検証した米国の研究によると、きちんとした幼児教育を受けた人はそうでない人に比べて所得が高く、犯罪に手を染める回数が減り、生活保護の受給率が下がりました。幼児教育プログラムの費用対効果は、株式投資による収益率を上回ったのです。
一方で、各国の実証研究では、幼児教育の知能面への効果はそれほど長続きしないこともわかっています。いわゆる英才教育は実施直後には大きな効果が表れるのですが、小学校に入学後、数年たつと消えてしまう。幼児教育ではやはり、対人関係を築き、課題に対してきちんと対処するという「一生モノ」の能力が身につくことが大事なのです・・・

・・・やはりまだまだ、国として幼児教育に十分お金を使っていないと思います。国内総生産(GDP)に対する家族関係支出を見ると、スウェーデンなどトップクラスの国が3%台なのに対し、日本は1%台半ばで、先進国では低い方です。まずは目先の待機児童の解消のため、施設の整備、人材の確保にお金を振り向けるべきですし、将来的には義務教育年齢の引き下げも検討すべきでしょう。
自分には子どもがいない、子どもを持つつもりはないという人にも考えてもらいたい。自分が年老いた時、介護サービスや年金などの形で支えてくれるのは子どもの世代です。幼児教育の効果ははっきりしており、そこにお金をかけるのは誰にとっても利益があることなのです・・・

愚行の歴史

2020年6月16日   岡本全勝

6月14日の朝日新聞、日曜に想う、福島申二・編集委員の「あるべきアメリカ 求める人々」から。

・・・アメリカとは、最高裁判所の長官がこんな名言を残す国でもある。
「私はいつも新聞をスポーツ面から開いて読む。そこには人間の成し遂げたことが載っている。1面は人間のしでかした失敗ばかりだ」
ことばの主、故アール・ウォーレン氏は米司法界の大重鎮で、ケネディ大統領暗殺を調査した「ウォーレン委員会」にもその名を残す・・・

コロナウイルスの免疫

2020年6月16日   岡本全勝

先日、コロナウィルスの免疫はまだまだ広がらないという記事を書きました。「コロナウイルス陽性率
今日のNHKニュースでは、抗体保有者まだ0.1%です。

・・・厚生労働省は、今月1日から7日にかけて人口が一定規模ある地域のうち、10万人当たりの感染者数が最も多い東京と大阪、最も少ない宮城の3都府県で、無作為抽出した20歳以上の男女合わせて7950人を対象に、新型コロナウイルスの抗体検査を実施しました。

新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査について、今月、厚生労働省が3都府県でおよそ8000人を対象に実施したところ、抗体を保有していた人の割合は東京都で0.1%、大阪府で0.17%、宮城県で0.03%だったことが分かりました・・・

0.1%ということは、99.9%の人が、まだかかっていないということです。世間話で99.9%と言うと、「まずない」という意味ですが。でも、東京都の人口を1400万人とすると、1万4千人は抗体を持っているということですね。