カテゴリーアーカイブ:社会

なぜエスカレータの片側を空けるのか

2026年9月22日   岡本全勝

なぜエスカレータの片側を空けるのか。それは日本人が、規則や合理性でなく、世間の目を気にして行動するからです。

日本人は助け合いの精神や、街をきれいに保つという公共心が強いです。国に強制されなくても、新型コロナではマスクを着用し、外出を控えました。関係資本や文化資本が強い、「この国のかたち」です。ところが、それらの行動が規則に従っているか、合理的かと言えば、そうでもないのです。

エスカレーターの片側を空けるのは、急いでいる人を通すために導入され、多くの人が守るようになりました。しかし、エスカレーターを駆け上るのは危険なことと、片側を空けるのは効率的でない(2人並んで乗ることに比べて輸送量が減る)ことから、2列で立ち止まって乗ることを鉄道会社は呼びかけています。
ところが多くの地域で、片側(東京では左側)に並び、他方(右側)を空けています(名古屋市では条例もあり、歩かないことが定着しているようです)。すいている時は片側に並ぶのはよいとして、右側が空いているのに左側に列を作って並ぶことは非合理です。そのような場合、私は右に立ちます。
ある新聞に、読者に聞いた結果が載っていました。「みんなが並んでいるのに、一人だけ違うことをするのは嫌だ」という意見がありました。そうなのです。規則に反しても、合理的でなくても、「他人と違うことはしない」「みんなと同じ行動を取る」のです。出る杭は打たれるので、なるべく目立たないことが処世術でした。

自転車レーン足りない日本

2026年9月14日   岡本全勝

8月30日の日経新聞1面に「自転車レーン足りない日本 東京はパリの1割、「青切符」で危険露呈」が載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。
自転車が安全に走れる道路の長さを面積あたりで比べると、東京23区はパリの1割未満です。1平方キロメートルあたりで比べると、パリは10キロメートル、アムステルダムが4キロ近く、ニューヨークでも3キロほど、東京23区は0.7キロメートルです。

自転車は軽車両で、車道を走ることが原則ですが、条件付きで歩道通行も容認されてきました。それが、危険な自転車走行を取り締まる交通反則金制度が今年4月から始まり、より車道走行が求められるようになったのです。ところが、安全に自転車が走ることができる道路が少ないのです。自転車専用道路や専用通行帯です。
そして他国に比べ、交通事故死に占める歩行者と自転車の比率が高いのです。自動車を優先してきた結果でしょう。
横断歩道橋という、自動車優先・歩行者劣後のとんでもない施設もあります。
「電柱王国日本」

写真は嘘をつく

2026年9月8日   岡本全勝

インターネットで、天気予報や野球の結果を見ると、画面の上や横などに宣伝が出ます。気を引こうといろいろ工夫していますね。
時に「え~」と思う写真があって、よく見ると「これは作り物やな」とわかります。危ないので、クリックはしません。
「証拠写真」という言葉がありましたが、現在では使えませんね。簡単に加工できるのですから。

文章なら読む苦労があって、そう簡単には引っかかりませんが、写真は一目で理解するので、危ないのでしょう。世の中には、悪い奴がたくさんいます。

人工知能を使って気軽に文学賞に応募

2026年9月5日   岡本全勝

8月17日の日経新聞に「AI小説が文学賞に殺到 増える選考コスト、公募新人賞は存続できるか」が載っていました。
・・・今年に入って、どこの文学賞も応募が急増している――。出版関係者らがそんなささやきを交わしている。人工知能(AI)を使って気軽に大量の小説を出力できるようになった結果、公募新人文学賞の存続が危うくなりかねない事態を招いている。

「いくらなんでも多すぎる」。早川書房編集本部シニアエディターの塩澤快浩氏は目を見張った。今年3月末に応募を締め切った「第14回ハヤカワSFコンテスト」の応募点数は1012点。例年400点前後で推移していたが、突然、倍増した・・・

応募が増えることはありがたいことですが、選考にかかる負担が増えること、作家を発掘することが難しくなるなど困ったこともあるようです。人工知能が書いたのかどうか、選考委員も試されます。

減少するお寺と神社

2026年8月31日   岡本全勝

8月10日の日経新聞に「もう神様や仏様に祈れない 宗教法人、2040年に3分の1が消滅危機」が載っていました。

・・・神様や仏様に祈りたくても近くに神社やお寺がない。人口の減少や都市への移動で地方の檀家や氏子が減り、維持費を賄えない寺社が増えている。2040年には全国の宗教法人の約3分の1が存続の危機に陥るとの試算もある。

困窮している宗教法人は全国でも珍しくない。文化庁の調べによると、4割を超える寺で年間の収入が300万円未満だ。地方の寺社を中心に檀家や氏子が減り、葬儀や法要は簡素になり収益は細る。
国学院大学の石井研士名誉教授は15年の調査で、40年には宗教法人の3分の1超が消滅の危機にひんすると推計した。14年に日本創成会議が「消滅可能性都市」とした自治体と宗教法人名簿を照合し、該当する自治体に所在する宗教法人を集計した。全国に約18万ある宗教法人が11万4000法人を下回る計算だ。

新型コロナウイルス禍を機にお盆の墓参りなどの習慣が途絶えた家庭も多い。石井氏は「宗教離れが加速して、寺社が存続の危機を迎えるペースは当時の試算よりも速まっている可能性が高い」と警鐘を鳴らす・・・

桜井義秀・北海道大学特任教授の発言
・・・宮司や住職の担い手不足も深刻だ。北海道の過疎地ではなり手が足りず、1人で50〜60社を兼務する宮司も珍しくない。全国には約18万の宗教法人があるが、現状の数を維持し続けようという考えは非現実的だ・・・