カテゴリーアーカイブ:人生の達人

目標実現のための戦略を持つ。教養が必要

2024年5月22日   岡本全勝

5月9日の日経新聞夕刊、私のリーダー論、米パーソンズ美大・大森美希さんの「辞める日視野に就職を」に、次のような指摘があります。

――目標を実現するために必要なことは。
「自分のやりたいことが見つかったら、その時点からすぐにビジョンを実現するための戦略を持つことをお勧めします。私は学生時代、ファストフードやスーパーのレジ打ちのバイトをしている時でも、得られるスキルを将来、ファッションデザイナーになったときにどう役立てるか考えていました。戦略を持っておけば、いろいろな回り道をした経験も後で有効にいかせるようになります」

――日本の多くのファッションブランドは海外の流行の後追いをしているとの指摘もあります。世界の最先端の業界の現場では、新たな流行はどのように形作られるのでしょうか。
「トレンドを創るデザイナーたちは、社会の雰囲気、空気感や同じような時代だった過去のファッションを参考にします。将来への人々の願いも反映されます。例えばコロナ禍の後だから開放的な明るい色や花柄が良いとか、インフレで生活が苦しいからもっと地味なものを好むとか、様々な要素が影響します」
「優れたデザイナーは1929年の大恐慌の後のファッションとか、過去のトレンドのほとんどを把握しています。そのうえで次の潮流を考えていくわけですが、そこで大事なのは教養です。たくさんの一流のアーティストと付き合いましたが、ファッションで一流でありたいと思うのなら専門外の本や芸術に親しむなど幅広い教養を持つことが重要だといつも感じます」

社員自ら異動登録

2024年5月17日   岡本全勝

5月3日の日経新聞、「コマツ自ら異動希望登録、1.1万人対象、500の組織とマッチグ」が載っていました。

・・・コマツは全社員の約9割にあたる1万人強を対象に、希望による配置転換を可能にする「キャリアチャレンジ制度」を導入した。多様な経験を積みたい社員と500超の組織とのマッチングに生かす。退職した元社員の再雇用、従業員が知人を紹介する「リファラル採用」も今年から始めた。伝統的な人事制度を変え、柔軟なキャリア形成や離職防止につなげる。

キャリアチャレンジは新制度で、3月までに第1弾の募集を終えた。開発や生産、マーケティングなどの職種から30人超の応募があり、4月から選考や異動が始まった。社員が挑みたい部署や仕事内容をデータベースに登録し、上司の承認は不要だ。各部門が登録情報を基にオファーして、選考や面談に進む。
管理職を含め、入社4年目以降を目安にした中堅以上の正社員1万1000人を対象にする。コマツにはグループや課の単位で、500超の組織があり、約20職種がある。製造業の大企業が全社ベースでキャリアチャレンジ制度を導入するのは珍しい。

ただし、社会人としての基礎能力や所属部門での一定期間のスキル育成も重視する。そのため大卒の場合、入社3年目までの若手社員は対象外で、現在の所属部門での「在籍期間1年半以上」を応募の条件にした。会社主導の異動についても「新たな経験を積む機会」(同社)という。

リクルートが2023年に人事業務の担当者を対象に実施した調査によると、製造業のキャリアチャレンジの導入率は37%だった。全業界平均(35%)を上回るが、金融業(46%)や情報通信業(44%)よりは低い・・・

中途採用の増加、3大銀行で5割に

2024年5月15日   岡本全勝

5月2日の日経新聞に「3メガバンク中途採用5割に迫る 24年度、三菱UFJは6割」が載っていました。

・・・3メガバンクの2024年度の採用計画が出そろった。三菱UFJ銀行は中途で23年度比7割増の600人を採用し、新卒を初めて上回る見通しだ。3メガ銀全体で中途比率は45%と5割に迫る。デジタル化や富裕層向けビジネスの重みが増すなか、新卒一括採用で様々な部署を経験させて人材を育成してきた従来の手法が転機を迎えている。
三菱UFJ銀行は24年度に中途600人、新卒400人を採用する計画で、中途の数がはじめて新卒を上回る見通しだ。23年度は中途347人、新卒354人だった。システムやデジタル関連などに重点を置き採用する。
三井住友銀行の中途採用は過去最高だった23年度と同水準の200人となる見通し。持ち株会社や銀行などのグループ各社で従業員を一括採用するみずほフィナンシャルグループ(FG)は、23年度実績比では減少するが22年度比では2割以上多い400人を採用する。
24年度の3メガ銀の中途採用は1200人に達する見通し。中途、新卒を合算した3メガ銀の採用数は2650人となり、中途比率は45%と5割に迫る勢いだ。

これまでは3メガ銀の中途採用の割合は18年度で5%にとどまるなど、新卒一括採用を優先する色が濃かった。日本経済新聞社の採用計画調査では同じ時期に主要企業は20〜30%程度で推移しており、24年度は4割に達した。3メガ銀の中途採用の割合は新型コロナウイルス禍を経て主要企業とほぼ同水準に追いついたことになる。17年度以前も各行中途は数十人規模といい、全体の割合からみてわずかだった。24年度の中途比率45%は過去最高とみられる・・・
中途採用者の増加が与える衝撃

新社会人の壁の乗り越え方

2024年5月14日   岡本全勝

5月2日の日経新聞夕刊に「新社会人の壁 乗り越え方は」が載っていました。

・・・就職したばかりの新社会人の生活は、希望に満ちあふれている半面、不慣れな状態が続いて心身の疲れもたまりがちだ。研修や初めての業務が難しいと感じたり、うまくいかずに自信を失ったりする場面もあるだろう。壁をどう乗り越えるか。生き生きと健やかに働くためのコツを専門家に聞いた・・・

高野知樹さん(精神科医、神田東クリニック院長)
――最近の新入社員の特徴は。
「産業医として気づくのは、上司と距離を置き、あまり相談をしない傾向だ。不調になるとすぐに病院に行き、職場に診断書を出すケースが目立つ。社会人が仕事を休むのは大きなことだ。重症でなければ、休まずもう少し働きながら治療する道もある」
「以前は『仕事の負担が重い』『調子が悪い』などと上司に相談し、上司は負担を減らす、仕事の内容を変えるなどで調整したものだ。近年はそういったプロセスを踏まず、外部で受診しすぐに休みに入ろうとする」
「仕事や職場になじめないときは環境を変えるのも大事だが、まずは自分が変わっていく可能性を探りたい。この職場で自分ができることは何か。今の場所になじむ過程でやりたいことが見つかるかもしれない」

道谷里英さん(順天堂大学国際教養学部先任准教授)
――仕事で分からないことも多岐にわたる。
「新入社員には相談することにハードルがあり、『分からないことがあれば聞いて』と言われてもできない。『自分で考えろ』と言われると思って質問できなかった人、就職活動で『できる』とアピールしたから弱いところは見せられないと思う人もいる」
「『自分でやりたい』『認められなくては』との思いから、困っていたり分からなかったりしても人に聞かず、その結果失敗して周りから助けられる、という経験をすることが多い」

――助けを求める際のコツは。
「『分からない』と発さないと、周りも助けようがない。協力して仕事を進めるには、困っていることを伝えた方が周りの人も助かる。『何も分からない、助けて』といったSOSの出し方でもいい」
「話せそうな人をいかに見つけるか、がポイントだ。会社にはいろんな人がいて、合う人は絶対にいる。社内の非公式なつながりは状況を共有しやすく、支えになる。例えば少し上の先輩がこの会社でどう生き残ってきたのか、話を聞けると楽になる」

悩んでいる新採職員には、拙著『明るい公務員講座』を読んでほしいです。そこには、「一人で悩むな」と書いてあります。薦めてください。

世界に広がる日本語「いきがい」

2024年5月12日   岡本全勝

4月23日の朝日新聞に「地球の反対側のにほんご:上 IKIGAI 海越えて、世界に広がる日本の心」が載っていました。

・・・「あなたの生きがいは?」
そう問われると、何を思い浮かべるだろうか。
「生きがいということばは、日本語だけにあるらしい」。ハンセン病治療で知られる精神科医の神谷美恵子は、1966年の著書「生きがいについて」(みすず書房)でそう語る。続けて、「こういうことばがあるということは日本人の心の生活のなかで、生きる目的や意味や価値が問題にされて来たことを示すものであろう」と考察する。
ただ、生きる意味が問題になるのは、日本人の心のなかだけではない。いま、この「生きがい」という日本語は、世界でそのまま“IKIGAI”として広く使われるようになった・・・

・・・ “IKIGAI”の言葉が伝えられたのは、ブラジルだけではない。東京在住のスペイン人作家、エクトル・ガルシアさん(43)が16年に出版した自己啓発本“IKIGAI”は、米国など70カ国で、500万冊以上売れている。
ガルシアさんは04年に来日し、12年に日本人女性と結婚した。日本語を学ぶ中で、「わびさび」「もののあわれ」「生きがい」など、気になる言葉が次々と出てきた。スペイン語にはない言葉だった。

本の構想が生まれたのは13年ごろ。旅行に来た友人のスペイン人作家と神奈川県に行った。江の島を歩きながら「生きがい」について話すと、友人も同様に関心を持っていることが分かり、一緒に本を書くことになる。長寿の村として世界的に知られる沖縄の大宜味村にヒントがあると考え、2人は村に住み込んで住人ら100人に話を聞いた。
村の人々の「生きがい」の秘訣は、毎朝畑に出て自然に触れること、友人と会うこと、笑うこと、腹八分でいること――。難しく捉えることなく、「畑仕事」や「家族」など、ささやかな日々の暮らしに「生きがい」を見いだしていた。
村人の生き方を本で紹介すると、米国やインド、トルコといった国々で爆発的に売れた。ガルシアさんはこう話す。「政治や経済の状況が悪くなると、人生に悩む人も増える。だから今、『生きがい』が注目されているのだと思う。ぜひ、それぞれの『朝起きる理由』を見つけて欲しい」・・・

500万冊とはすごい。キリスト教文化圏では、生きる意味はキリスト教が教えてくれたからでしょうか。