カテゴリーアーカイブ:人生の達人

ピンピンコロリ、健康寿命を伸ばす

2021年8月31日   岡本全勝

8月20日の読売新聞「ピンピンで長生き目指そう」から。
・・・「ピンピンコロリ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。死ぬ直前まで元気で過ごし、病気で苦しんだり、介護を受けたりすることがないまま天寿を全うすることを意味する。最近は略して「PPK」と呼ぶらしい・・・

日本人の2020年の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳です。他方で、健康寿命は、2016年時点で男性が72.14歳、女性が74.79歳です。
平均寿命との間には、男性で約9年、女性で約12年の差があります。この間は病気などを抱える「不健康期間」と呼ばれています。健康寿命を延ばし、不健康期間を短くすることが、ピンピンコロリに近づくことになります。
平均寿命の82歳まであと10年以上あると思っていましたが、健康寿命の72歳だと、私はあと6年しかありません。10年近くも、病気などを抱えて暮らすのはつらいです。ボケて家族に迷惑をかけるのは、いやですね。

・・・健康寿命を延ばすには、どんなことを心がければいいのだろうか。国立がん研究センターなど六つの国立研究開発法人が今年、連名で「健康寿命延伸のための提言」をまとめており、参考になる。提言では、様々な病気の原因とされる喫煙、飲酒などいくつもの留意事項を列記。取り組むべき10項目として、注意を呼びかけている。
具体的には、喫煙はがん、循環器病、高血圧、糖尿病、うつ病などのリスクが増加するので「たばこは吸わない」。過剰な飲酒は、がん、循環器病、高血圧、糖尿病に加え、アルコール依存症リスクも増加するので「節酒する」。飲むなら1日あたりの飲酒量は男性は日本酒なら1合程度、女性はその半分に抑えるといったものだ。
項目は睡眠や育児、社会関係の維持にまで及んでいる。1日60分の歩行などの運動も勧めている。うつ病などの発症リスクを低減させるという・・・

在宅勤務、気持ちの切り替え方法

2021年8月25日   岡本全勝

8月17日の日経新聞夕刊「照明や風呂でゆったり感 在宅勤務のチルアウト」から。
・・・新型コロナウイルス禍で終わりの見えないステイホーム。仕事とプライベートの切り替えに悩む人は、ゆったりとした「チルアウト(くつろぎ)」の時間を取り入れてはどうか。朝にお決まりの作業をして仕事の意欲を高める「モーニングルーティン」が注目されたが、夜のチルアウトとセットにするとメリハリがつきそうだ・・・

在宅勤務では、オフの時間に精神面での疲れも癒やすことが課題になっている。夜の時間に気持ちを整理し、ストレスを軽減するコツを、明治大学教授で「どうしたらストレスフリーに生きられますか?」の著者、堀田秀吾さんに聞いた。
――在宅勤務での疲れを軽減するために、オフはどのように過ごすべきですか。
「コロナ禍では、プライベート空間の自宅で朝から晩まで過ごし、そこに仕事が取りこまれている。加えて、現代は情報技術の発達で多くの情報が入ってくる『過剰情報環境』にある。脳は疲れ切ってしまった状況になっている。一日のオフの時間では、デジタル環境を断食のように絶つデジタルデトックスの時間をつくった方が良い」
「特にSNS(交流サイト)を見ると、他者との比較をするなどして不安感などが増幅されてしまいがちだ。海外の大学が1000人以上を対象に行った実験では、デジタルデトックスをした成人の幸福度が上がったとする研究成果も出ている」

「チルアウト」では意味がわからず、「くつろぎ」の方が通じますよね。これも「言葉の商品」ですかね。

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」

2021年8月24日   岡本全勝

キングスレイ・ウォード著『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(1987年、新潮社。文庫版1994年)を読みました。ベストセラーですから、読まれた方も多いでしょう。

私も、出版されたときに手に取ったのですが、その頃は読もうとする気が起きませんでした。もっとほかに読まなければならない本、読みたい本がたくさんありましたし。ひょんなことから、今回、ページをめくってみました。そして、一気に読了しました。
よいこと、役に立つことが書いてあります。もちろん、社長が後継者として息子を育てるために書いたので、すべての項目が読者である社員や職員に当てはまるわけではありません。しかし、「そのとおり」「悩んでいる若者には、よい助言だな」と思うことが多いです。「私ならどのように助言するか」と考えながら読みました。

このような本は、「もっと早く、若い時に読んでおけば良かった」と思うことがしばしばあります。ところが、若くて血気盛んなときには、先輩の忠告はしばしば頭に入りません。ある程度の経験を積んだ人が、振り返って「そうだよな」と思う本なのかもしれません。
職業人としての「教科書」はないので、若い人は参考書となるものを探します。この本も、読んでいくつかのか所が役に立てば良いのでしょう。そして、どのか所が役に立つかは、読む人の状況によって異なるのでしょう。
管理職の参考書としては、佐々木常夫著「そうか、君は課長になったのか。」(2010年、WAVE出版 。2013年、新書版)も読まれています。

ところで、仕事の作法の助言は後輩には言いやすいですが、息子や娘には、なかなか直言しにくいものです。手紙という形で伝えた著者は、偉いですね。さて、息子さんは、どのように父の忠告を聞いたのか。気になります。「社会人先輩の反省

職場で孤立させない

2021年8月22日   岡本全勝

8月20日の朝日新聞ひと欄に、植田陽子さんの「学校看護師の「豊中方式」を全国に広げる」が載っていました。

・・・「学校で働く看護師が辞めないようにしてほしい」。そう上司から言われたのが20年前。大阪府豊中市立病院の看護師から畑違いの教育委員会に異動になった時だ。
豊中市では、人工呼吸器などの医療的ケアが必要な子どもを地域の小中学校で受け入れ、学校に看護師が配置されている。だが、その離職率が高かった。
「異質な環境で相談相手がいなくて孤独だった」と分析し、看護師を集めて意見を聴くことから始めた。どの子でも担当できるようにマニュアルを整え、日替わりで教委から学校に派遣するやり方に変えた。看護師の負担が減り離職率も低下。「豊中方式」として注目されるようになった・・・

なるほど、良い方法ですね。たくさんの人が働く職場でも、さまざまな職種がいてそれぞれの職員が少ないところもあります。その人たちを孤立させないことは重要です。
東日本大震災での復興の際に、地方の中小企業に採用された社員が、同期や同年齢の社員がいなくて孤独だという問題を聞きました。その問題に取り組んでいるところもあります。人手不足解消は、採用活動だけでなく、採用後の定着も重要です。「マチリク、町ぐるみで採用する

デザイン思考、あるいは商品としての言葉

2021年8月19日   岡本全勝

「デザイン思考」という言葉や考え方が、よく使われるようになりました。この20、30年間のようです。興味を持っていたのですが、深く勉強しませんでした。ようやく、このようなことを主張しているのだと理解できました。

デザインと聞くと、商品の色と形を意味すると考えます。日本語にすると、意匠です。デザイナーは、商品の形や色を考える人、そしてどうしたら売れるかを考える人です。
これに対しデザイン思考は、商品(物)に限らず、サービスや事業などをも対象とします。それは色と形を考えるのではなく、どうしたら効率化できるか、よりよいサービスを提供できるかなどを考えます。課題解決と言い換えたらよいでしょう。

この思考自体は良いことだと思いますが、目新しい話ではありませんよね。「デザイン思考」と言われると、何か高尚なものかと思ってしまいます。これがカタカナ語を使う落とし穴ですね。
中国語では、デザインを「設計」と訳すそうです。田中一雄著『デザインの本質』(2020年、ライフデザインブックス)15ページ。これなら、デザイン思考が課題解決という意味であると理解できます。ものの形だけでなく、さまざまな業務に適用できます。

反対語は、成り行き任せ、前例通り、何も考えずに取り組むことでしょうか。
課題解決あるいは設計なら、経営者も管理職も、あるいは課題を与えられた社員も、みんな実践しています。でも、それでは売れないので、「デザイン思考」と名前をつけて、本や講演、コンサルタント業を売るのでしょうね。
売られるのは、店に並ぶ商品だけではありません。このようにアイデアを新しい言葉で売る人たちも、新しい理論を売る学者もいます。ところで、低下する日本の国力を嘆く人は多いのですが、次の日本のあり方を売る人が見当たらないことが心配です。