カテゴリーアーカイブ:人生の達人

ドイツ企業の女性管理職育成

2021年8月31日   岡本全勝

8月23日の日経新聞女性欄「ドイツBASFの女性管理職登用 対話重ねて長期育成」から。
・・・日本同様、性別による役割分担意識が根強いドイツ。先進国では経済分野の女性活躍で後れをとっていた。だが2016年にクオータ制を導入するなどここ数年、管理職への登用で前進が目立つ。一例が化学大手のBASFだ。上司らとの対話を中心とする育成策で、着実に女性管理職比率を高めている。その取り組みは日本企業の参考になる・・・

・・・「この先、どんな仕事をしていきたい?」
「リーダーとして人を束ねることに挑戦したいです」
全世界に拠点を抱える独BASF。各地で定期的に女性社員と上司・先輩との間でこうした会話が交わされる。
「サクセッション・プランニング」と呼ばれる女性管理職育成の取り組みの一環だ。優秀な女性を早期に発掘し「○年以内にこの役職に引き上げるためには、こういった経験を積ませなければいけない」というシナリオを会社が作成する。その上で長期的な育成プランをたてるものだ。
BASFではこの取り組みを積極的に進めている。カギとなるのが対話だ。身近な先輩、直属の上司、エリア代表と3階層にわたる人材が女性社員と定期的に面談し、それぞれの立場に合わせたアドバイスをしたり、相談を受けたりする。「女性社員が今のポジションの『次のステップ』を描きやすくすることが狙い」と、アジア太平洋地域プレジデント、カローラ・リヒターさんは説明する。
さらに自分の得意・不得意分野などを棚卸しするためのツールとして、13ページに及ぶワークシートを社員らに配布。進みたいキャリアを自ら洗い出せるようにしている・・・

女性だけでなく、日本では男性の幹部育成にも参考になります。

ピンピンコロリ、健康寿命を伸ばす

2021年8月31日   岡本全勝

8月20日の読売新聞「ピンピンで長生き目指そう」から。
・・・「ピンピンコロリ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。死ぬ直前まで元気で過ごし、病気で苦しんだり、介護を受けたりすることがないまま天寿を全うすることを意味する。最近は略して「PPK」と呼ぶらしい・・・

日本人の2020年の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳です。他方で、健康寿命は、2016年時点で男性が72.14歳、女性が74.79歳です。
平均寿命との間には、男性で約9年、女性で約12年の差があります。この間は病気などを抱える「不健康期間」と呼ばれています。健康寿命を延ばし、不健康期間を短くすることが、ピンピンコロリに近づくことになります。
平均寿命の82歳まであと10年以上あると思っていましたが、健康寿命の72歳だと、私はあと6年しかありません。10年近くも、病気などを抱えて暮らすのはつらいです。ボケて家族に迷惑をかけるのは、いやですね。

・・・健康寿命を延ばすには、どんなことを心がければいいのだろうか。国立がん研究センターなど六つの国立研究開発法人が今年、連名で「健康寿命延伸のための提言」をまとめており、参考になる。提言では、様々な病気の原因とされる喫煙、飲酒などいくつもの留意事項を列記。取り組むべき10項目として、注意を呼びかけている。
具体的には、喫煙はがん、循環器病、高血圧、糖尿病、うつ病などのリスクが増加するので「たばこは吸わない」。過剰な飲酒は、がん、循環器病、高血圧、糖尿病に加え、アルコール依存症リスクも増加するので「節酒する」。飲むなら1日あたりの飲酒量は男性は日本酒なら1合程度、女性はその半分に抑えるといったものだ。
項目は睡眠や育児、社会関係の維持にまで及んでいる。1日60分の歩行などの運動も勧めている。うつ病などの発症リスクを低減させるという・・・

在宅勤務、気持ちの切り替え方法

2021年8月25日   岡本全勝

8月17日の日経新聞夕刊「照明や風呂でゆったり感 在宅勤務のチルアウト」から。
・・・新型コロナウイルス禍で終わりの見えないステイホーム。仕事とプライベートの切り替えに悩む人は、ゆったりとした「チルアウト(くつろぎ)」の時間を取り入れてはどうか。朝にお決まりの作業をして仕事の意欲を高める「モーニングルーティン」が注目されたが、夜のチルアウトとセットにするとメリハリがつきそうだ・・・

在宅勤務では、オフの時間に精神面での疲れも癒やすことが課題になっている。夜の時間に気持ちを整理し、ストレスを軽減するコツを、明治大学教授で「どうしたらストレスフリーに生きられますか?」の著者、堀田秀吾さんに聞いた。
――在宅勤務での疲れを軽減するために、オフはどのように過ごすべきですか。
「コロナ禍では、プライベート空間の自宅で朝から晩まで過ごし、そこに仕事が取りこまれている。加えて、現代は情報技術の発達で多くの情報が入ってくる『過剰情報環境』にある。脳は疲れ切ってしまった状況になっている。一日のオフの時間では、デジタル環境を断食のように絶つデジタルデトックスの時間をつくった方が良い」
「特にSNS(交流サイト)を見ると、他者との比較をするなどして不安感などが増幅されてしまいがちだ。海外の大学が1000人以上を対象に行った実験では、デジタルデトックスをした成人の幸福度が上がったとする研究成果も出ている」

「チルアウト」では意味がわからず、「くつろぎ」の方が通じますよね。これも「言葉の商品」ですかね。

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」

2021年8月24日   岡本全勝

キングスレイ・ウォード著『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(1987年、新潮社。文庫版1994年)を読みました。ベストセラーですから、読まれた方も多いでしょう。

私も、出版されたときに手に取ったのですが、その頃は読もうとする気が起きませんでした。もっとほかに読まなければならない本、読みたい本がたくさんありましたし。ひょんなことから、今回、ページをめくってみました。そして、一気に読了しました。
よいこと、役に立つことが書いてあります。もちろん、社長が後継者として息子を育てるために書いたので、すべての項目が読者である社員や職員に当てはまるわけではありません。しかし、「そのとおり」「悩んでいる若者には、よい助言だな」と思うことが多いです。「私ならどのように助言するか」と考えながら読みました。

このような本は、「もっと早く、若い時に読んでおけば良かった」と思うことがしばしばあります。ところが、若くて血気盛んなときには、先輩の忠告はしばしば頭に入りません。ある程度の経験を積んだ人が、振り返って「そうだよな」と思う本なのかもしれません。
職業人としての「教科書」はないので、若い人は参考書となるものを探します。この本も、読んでいくつかのか所が役に立てば良いのでしょう。そして、どのか所が役に立つかは、読む人の状況によって異なるのでしょう。
管理職の参考書としては、佐々木常夫著「そうか、君は課長になったのか。」(2010年、WAVE出版 。2013年、新書版)も読まれています。

ところで、仕事の作法の助言は後輩には言いやすいですが、息子や娘には、なかなか直言しにくいものです。手紙という形で伝えた著者は、偉いですね。さて、息子さんは、どのように父の忠告を聞いたのか。気になります。「社会人先輩の反省

職場で孤立させない

2021年8月22日   岡本全勝

8月20日の朝日新聞ひと欄に、植田陽子さんの「学校看護師の「豊中方式」を全国に広げる」が載っていました。

・・・「学校で働く看護師が辞めないようにしてほしい」。そう上司から言われたのが20年前。大阪府豊中市立病院の看護師から畑違いの教育委員会に異動になった時だ。
豊中市では、人工呼吸器などの医療的ケアが必要な子どもを地域の小中学校で受け入れ、学校に看護師が配置されている。だが、その離職率が高かった。
「異質な環境で相談相手がいなくて孤独だった」と分析し、看護師を集めて意見を聴くことから始めた。どの子でも担当できるようにマニュアルを整え、日替わりで教委から学校に派遣するやり方に変えた。看護師の負担が減り離職率も低下。「豊中方式」として注目されるようになった・・・

なるほど、良い方法ですね。たくさんの人が働く職場でも、さまざまな職種がいてそれぞれの職員が少ないところもあります。その人たちを孤立させないことは重要です。
東日本大震災での復興の際に、地方の中小企業に採用された社員が、同期や同年齢の社員がいなくて孤独だという問題を聞きました。その問題に取り組んでいるところもあります。人手不足解消は、採用活動だけでなく、採用後の定着も重要です。「マチリク、町ぐるみで採用する