カテゴリーアーカイブ:行政

霞が関

2005年2月11日   岡本全勝

日本経済新聞が、10日から「再編5年目・診断霞が関」の連載を始めました。初回は「経済産業省・惑う司令塔」です。省庁改革から、もう4年経つのですね、早いものです。当時は、「5年経ったら見直して、もう一度再編するべきじゃないか」と考えていました。5年で再々編は短すぎるとしても、次なる再編のために、評価することは大事なことです。連載に期待します。

経済財政諮問会議

2005年2月4日   岡本全勝
経済財政諮問会議の議事録が、公表され始めました。議事概要は4日後に公表されますが、議事録は4年後に公開されます。財政再建について国税・地方税・社会保険を合わせて議論することや、諮問会議に役人を参加させないことなどの経緯が載っています。2月2日の日経新聞が解説しています。
私は、諮問会議を高く評価しています。諮問会議が日本の政治をどう変えたか、一度整理したいと思っているのですが、時間がなくて。誰か政治部記者さん、書いてくれませんか。政局を追っているより、意義があると思います。

日本の戦後政治

2005年1月10日   岡本全勝
「三位一体改革が政治改革である」という主張に合わせて、参考になる本を紹介しておきます。去年6月に出た、山口二郎著「戦後政治の崩壊」(岩波新書)です。ここでは、戦後日本政治の仕組みと特徴を、4つの構成要素から説明しています。4つとは次のようなものです。
1 外交安全保障=9条と安保・自衛隊の共存
2 政党=自民党長期支配
3 政策=経済成長と開発主義
4 政策決定システム=官僚主導の政治
そして、それらが成功したこと、しかし新しい時代への適応と転換に失敗していることを論じています。
私は、「新地方自治入門」で、地方行政を通して、戦後日本の政治と行政が成功し、またそれが転換を妨げていることを論じました。山口先生の本は、私の主張を政治の構成要素から分析したもので、共感するところが多いです(もっとも、すべてに同意するわけではありませんが)。
私は、日本の政治について、第10章で論じました。そこでは、国民への負担を問わなかったことと、国際貢献をしなかったことを指摘し、争点設定と決断をしなくてよかったと述べました。「政治をしなくてよかった戦後日本」という表現でです。これが、先生の指摘する4要素が成り立ち得た条件であり、結果です。

伝道師活動

2005年1月4日   岡本全勝

私がいそしんでいる「副業」=地方財政の伝道師活動をどう説明したら、みんなに理解してもらえるか。講演会に行ったり本を書いたりすると、「変わり者」といわれるので、考えていました。自分では正しいことをやっていると思っているのですが、どうも今の霞が関では違うようです。
先日、東大出版会のPR誌「UP」2004年12月号に、鎌田浩毅京大教授の文章を見つけました。「基礎科学のフロンティアとしてのアウトリーチ」です。
「理系ではアウトリーチが問題になっている。アウトリーチ(outreach)とは、知らない人に手を差しのべて、情報を伝えることをいう」「アウトリーチの目的は、研究資金の獲得・後継者の育成・一般社会に認知してもらうことの3つである」と書かれています。
そうなんです。私のやっている伝道師活動は、目的が少し違いますが、これなんです。専門分野の研究者が社会で理解を得るためには、これが必要なんです。しかも、社会を変えようとする官僚の方が、科学者よりアウトリーチ活動は重要なはずです。
「寄らしむべし、知らしむべからず」とか「俺がやっていることは正しい。理解できない奴がバカだ」では、通じませんよね。社会での理解を得るためには、理解者を増やさなければなりません。さらに、時代の流れ、流行語になるまではやらせないと、改革は進みませんよね。

1 官僚の発言

2005年1月4日   岡本全勝

1 官僚の発言
(制度の維持と改革と)
官僚には、2つのことが期待されます。一つは、法律などで決められた制度の運用です。もう一つは、その制度の問題点や漏れ落ちている事項を見つけ、改革あるいはその提言をすることです。
その点、最近の官僚は「発言」が少ないと思います。それも、自分の名前での発言が少ないと思います。書かれている多くの「論文」は、制度の解説であって、未来に向けた改革論議は少ないです。時には、「文中、意見は私見である」と書いてあっても、文中に「意見」が出てこない「論文」もあります。

(発表の場)
官僚が自説を述べる場所も、案外ありません。各省が出す白書は、匿名です(この点、新聞の社説とよく似ています)。
各省が出版・関与している雑誌(政策情報誌)には、2種類有ります。私が面白いと思っているのは、「外交フォーラムESP」です。その他の多くは、提言や分析でなく、単なる解説が多いようです。
もう一つは、専門の商業雑誌です。これは「業界向け」ですので、読者の面から制約があります。改革論議よりは、制度の解説や予算の紹介が多くなります。一定の読者(購買層)が必要です。
私が専門にしている地方行政では、地方団体や地方公務員、大学などの研究者の需要があり、いくつもの雑誌があります。しかも、その性格上、予算の紹介ではなく、制度の解説と議論を内容とすることができます。
しかし、他の官庁では、そう多くはないのです。国家公務員制度や公務員管理、国の行財政改革について、これはという発表の場、あるいは発表している論文は見あたりません。
もう一つは、総合雑誌例えば「中央公論」等でしょう。
富山県庁にいるとき、「デルクイ」という、県職員による政策情報誌を創りました。実名・写真入りで、職員が自説を書くのです。かつ、市販しています。「デルクイ発刊趣意」(『デルクイ』創刊準備号1996年)に、私の意図を書いてあります。