22日の日経新聞は「進化する北欧モデル」として、高福祉・高負担のスウェーデンが、一方で規制改革で競争を促していることを紹介していました。企業が解雇しやすい代わりに採用もしやすく、転職が自由だとのことです。会社に職業訓練を義務づけ、職業紹介を民間に開放したりしています。
カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ
行政-再チャレンジ
新しい仕事30
日経新聞が「子育て支援大賞」を始めました。第1回受賞者が、14日の紙面に載っています(HPにはまだ載ってません。新聞社らしくないですね)。「仕事と育児の両立支援は、優れた人材を確保したい企業にとって、重要課題となっている。人口減と地域活性化に悩む自治体も事情は同じ。企業、自治体、地域社会が三位一体となって子育て支援を競うーそんな時代だ」。
選考基準は、両立支援の制度、サービスの先進性、ユニークさだそうです。受賞したのは、最短3時間や半日・隔日の勤務体系の企業、女性登用に積極的な企業、妊娠期の休職制度や在宅勤務を導入している企業、父親の子育て支援策を重点実施している県、多子世帯に特典を与える事業を始めた県、病児保育サービスを株式会社形態で提供したNPOなどです。
再チャレンジ支援も、近く政府の行動計画をプランとしてまとめますが、法律や予算措置ではできることが限られています。このように、賞を贈り新聞に載ることで、社会へのメッセージとなります。そして新しい試みが、多くの企業や地域に広がることが期待できます。これまでは「変なこと」が、そのうちに「常識」になるのです。このような社会へのメッセージが、子育て以外でも、いろんな分野で広がればいいですね。
再チャレンジ支援でも、社会への働きかけをいろいろ考えていますが、このような民間の動きはありがたいです。これまで読み飛ばしていたような記事が、再チャレンジ担当になってから、急に気になり出しました。
新しい仕事29
13日の日経新聞経済教室・労働契約を考えるは、笹島芳雄教授でした。「ワーク・ライフ・バランスの実現が困難な最大の要因は、現在の日本的働き方にあり、典型的には長時間労働・恒常的残業という姿で表れている。厚生労働省で進められている労働時間法制の見直しにより、日本社会にワーク・アンド・バランスが根付く政策の実現を期待したい」。
そして、残業時間に対する賃金割増率の引き上げに関して、日本では算定の基礎賃金に賞与分を含んでいないこと、賞与の割合の大きい日本にあっては、割増率だけで諸外国と比較しては間違うことを指摘しておられます。
また、自律的労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)についても、アメリカでは83%の企業で職務記述書が用意されていて、個々の労働者の業務内容ははっきりしていること。それに対し、日本では職務記述書はなく、職務内容のあいまいさは弾力的な業務運営を可能とするが、全体として非効率・長時間労働の温床になっていること。チームワークでの業務が多く、自律的な働き方を困難にしていること。アメリカでは、担当職務の選択権をホワイトカラーが保持していて、転職もしやすいこと。それによって、不満な職員は転職によって、長時間労働をしなくて良くなることなども、指摘しておられます。
日本の雇用慣行や仕事の仕方が、長時間労働・家庭を顧みない父親・企業戦士を生んでいるのですよね。これを改革するのは、容易ではありません。もっとも、前にも書きましたが、他の国でできているのですから、日本にできないはずがありません。
上司であるあなたに、明日からでもできることは、なるべく部下に残業をさせないこと。また自分の仕事を片付けたらさっさと帰ることで、見本を見せることでしょう。残業時間を自慢する上司は、それだけで失格です。それは、仕事が忙しいのではなく、無能の証明です。一時的に忙しいのは仕方がないとしても、恒常的なら、仕事のやり方の変更を考えるべきです。しかも、それで国民に役立つことをしていればいいですが、国民生活向上にあまり役立たないことをしているとすると、税金泥棒という罪も重なります。
新しい仕事28
5日の朝日新聞「分裂にっぽん-政府の役割」は規制改革を取り上げていました。最低賃金で働いても生活保護水準に満たないこと、欧米では最低賃金の改定が選挙の争点になることを紹介していました。また同紙生活面は、「漂う雇用、派遣法20年の現実」として、労働者派遣法施行20年の現場を取り上げていました。(12月5日)
7日の朝日新聞「漂う雇用、派遣法20年の現実」は、正社員化についてでした。
新しい仕事27
4日の朝日新聞「分裂にっぽん-政府の役割」は、「国際競争、働き手守れ。再チャレンジ支援、自助努力任せ」でした。日本の雇用政策にかける公費が先進国で最低レベルであること、就職支援策や職業訓練が先進国に比べおろそかになっていることを指摘しています。