投稿者アーカイブ:岡本全勝

ホンダ、在宅勤務では良い製品を生み出せない

2022年9月16日   岡本全勝

9月6日の日経新聞「ホンダ挑む2」「「ワイガヤ」進化できるか」に次のようなことが載っていました。

・・・5月中旬、東京・南青山のホンダ本社は社員であふれていた。「久しぶりだね」。国内全事業所で原則出社としたためだ。社長の三部敏宏が栃木の研究所を訪れた際、駐車場の閑散ぶりに驚いたのが契機だ。コロナ禍で在宅勤務が浸透したからだが「これが続くといい製品が生み出せなくなる」(三部)。
社員が立場を超えて対面で議論するホンダ伝統の「ワイガヤ」。本田宗一郎が唱えた現場、現物、現実の「三現主義」を引き合いに独自製品や技術を生みだすイノベーション力再興のためあえて全員出社の道を進む・・・

熊本製作所での新機種開発棟では、1万平方メートル超に及ぶ間仕切りのないオフィスで研究開発や生産、調達担当などの約700人が集まるそうです。開発と生産が離れておらず、すぐに議論ができます。
このような機能も、社員が集まった勤務でないとできません。

西洋アサガオ、時差ぼけ?

2022年9月15日   岡本全勝

今年は種まきが遅く、開花も遅かったわが家のアサガオ。9月になって、次々ときれいな花を咲かせています。

先日、友人と会ったときの会話です。彼は、日本アサガオと西洋アサガオの両方を育てています。いつもきれいな写真を送ってくれるのです。聞くと、西洋アサガオは日本アサガオより遅く咲いて、遅くまで開いているそうです。
「時差ぼけと違うか?」

インターネットで調べたら、西洋アサガオの開花時間帯は、午前から夕方までだそうです。そして開花時期は8月から11月頃とのこと。
それに対して、日本アサガオの開花時間帯は午前中。開花時期は7月から10月頃だそうです。
そうだったんだ。アサガオの季語は秋です。

デジタルスクリーン症候群

2022年9月15日   岡本全勝

9月6日の読売新聞、米国の精神科医ビクトリア・ダンクリー氏への取材「パソコン、スマホ 見過ぎ弊害 デジタルスクリーン症候群 変調や集中力低下」から。

パソコンやスマホを見る時間(スクリーンタイム)が長過ぎると心身に様々な変調が現れる。これを「デジタルスクリーン症候群」と名付けた米国の精神科医、ビクトリア・ダンクリー氏(52)に、学校のICT化や教科書のデジタル化の影響を聞いた。

——子供がパソコンやスマホといったデジタルスクリーンを見過ぎるとどうなるのか。
「神経が過度に刺激され、常に興奮し疲れた状態になり、いらいらしたり、注意力散漫になったりする。受動的なテレビ視聴よりもゲームなど双方向の時により顕著だ。脳科学的には、言語や感情をつかさどる前頭葉への血流が減り、生理学的にはストレスホルモンが増えるためと考えられる」
「解決方法はスクリーン断ちで画面からの刺激を除去することに尽きる」

「米国では、ICT化が進んだ学校でも小学校高学年になるまでデジタル端末を持たせない学校もある。IT企業などが集まるシリコンバレーでは、住民がICTの弊害をよく知っており、多くの親が我が子をICT化の進んだハイテクな学校ではなく『ローテク』な学校に通わせている」

——教科書のデジタル化はどうみるか。
「米国ではうまくいかず紙の教科書に戻した学校が多い。通信環境のトラブルや機器の故障への対応などで費用が高くなっている。内容も更新されず、多くが古いままで、必要な訂正も行われていない」
「紙の方がスクリーンより速く読め、理解が深まり定着も良いなど、紙の良さを示す研究はたくさんある。仮に学習効果が同じでも、スクリーンを見過ぎると子供に睡眠不足や過覚醒など様々な問題を引き起こす」

——子供たちは早いうちからICTに慣れるべきでは。
「パソコンは使いやすいように設計されており、障害のある子供も読み書きよりもはるかに簡単に習得できる。高校や大学に進学してから学べば十分に間に合う」
「親はスクリーンが脳に与える影響について正しい知識を持つと同時に、小さい頃からICTに触れなくても、我が子が人生で取り残されることはないと信じることだ」

「東京暮らしは身分が上」意識2

2022年9月14日   岡本全勝

「東京暮らしは身分が上」意識」の続きです。
富山県庁に勤務していたときのことです。ある職員が「岡本部長は、東京住まいで良いですね」と言いました(その時は単身赴任中)。私が「どこがや?」と聞くと、「銀座とか、六本木とか、ディズニーランドとか」と言います。
私は「私が東京に住んでいるときに、銀座や六本木にしょっちゅいくと思うか?ディズニーランドだって、かつて子どもを連れて行ったけど、その後は行ったことがない。それより、あんたは毎年子どもとディズニーランドに行ってるじゃないか」と反論しました。

職員は苦笑しながら、「ええ、本当はそうなんですよ。東京は住むところじゃないです。富山の方が暮らしやすいし。ディズニーランドは、年に一度、泊まりがけで行けば良いですから」とのことでした。

若い女性たちが一度は東京に出てみたいと思うことは、理解できます。でも、その後の暮らしを考えたら、上に書いたような発想になってくれれば良いのですが。

リスクを取らない報道機関

2022年9月14日   岡本全勝

9月5日の朝日新聞夕刊、藤田直央編集委員の「リスク取らぬ大手メディア、フランス人研究者の見立て」から。

フランス人のセザール・カステルビさん(36)。パリ・シテ大学准教授で日本メディアを研究し、フィールドワークで東京に滞在中です。高校生の頃から日本文化に関心を持ち、2010年代には東京大学に留学しながら築地の弊社でアルバイトもしていました。
最近の日本メディアの報道ぶりについて尋ねると、安倍氏が撃たれた7月8日、東京都心での「観察」から話が始まりました。
渋谷のカフェにいて事件にツイッターで気づき、新聞やテレビが街の声を取材するぞ、とすぐ地下鉄で定番の新橋へ。駅前SL広場で待っていると新聞の号外が配られ、取材も始まりました。
あるテレビ局の記者に近づき質問に耳を傾けると、「びっくりしましたか」と「今後が不安になりませんか」のふたつ。公人への暴力がこの事件で問われていると考え、取材で確認しているとカステルビさんは思ったそうです。
ところが事件の反響は旧統一教会批判、そして大手メディア批判へ。カステルビさんは驚きませんでした。「海外にある日本の伝統的な大手メディアに対する典型的な批判だったからです」。それは「リスクを取るのが苦手で当局の情報に頼りがち」と「横並びになりがち」のふたつです。

「読者にとっては多様な報道が大事なのに、日本の大手メディアは互いを気にしすぎでは。もしこんな事件がフランスで起きたら、大手紙でもリベラシオンやフィガロは踏み込み、ルモンドは慎重という違いが出ると思います」
もうひとつは、「ネットメディアと役割分担ができればいいが、大手メディアは旧統一教会批判に当初慎重だったのに、一気に積極的になったようです。ゼロか百かのバランスの悪さも典型的な批判対象です」ということです。

それでもフランスとの違いを感じるのは、「世間」という存在だそうです。「社会と個人の間にある地域や会社、学校などでの人のつながりは、もちろんフランスにもあります。でも日本の『世間』には異なる人を追い出すような厳しさがある。大手メディアはとりわけ事件報道でその『世間』の意識に影響を与えてきました」
いまやSNSの方が影響力があるのではと聞くと、「そう思います。しかも日本の『世間』のあいまいさと、SNSでの匿名性の高さはつながりが深い」。14年に総務省がまとめた調査結果では、ツイッターの利用は匿名でという回答が日本では75%。フランス(45%)、米国(36%)、韓国(32%)を大きく上回っています。
そんな日本で大手メディアの生きる道は。カステルビさんは「説教と思われたくないのですが」と前置きし、こう語りました。
「人口減で市場が縮む日本で、新聞社は経営が大変でリスクを取りにくいでしょう。でも萎縮すれば何も伝わらず、読者はネットへどんどん流れます。SNSの時代に伝統的な大手への批判は必ず来ます。批判を恐れず、何を誰に伝えるかを意識してリスクを取る。批判されてもやるという誇りを持ち、存在感を示すことです」