投稿者アーカイブ:岡本全勝

霞ヶ関に緊張関係を持ち込む

2007年2月11日   岡本全勝
「生活省をつくって、生活者保護を担わせる」と提案しました。この提案に対しては、業界を担当していたこれまでの省(事業省と名付けましょう)の方が知識が豊富なのに対し、生活省はそれだけの知識がないので、対等に戦うのは難しい、との批判があるでしょう。それは承知しています。しかし、対立する使命を担わせるには、組織を分けなければならないと思います。
今、霞ヶ関にあるこのような対立は、経産省対公正取引委員会、経産省対環境省でしょうか。違った角度では、分権推進の総務省対各省、構造改革についての経済財政諮問会議対各省や規制改革会議対各省などがあります。
省として分けるのが望ましいのですが、そこまで分けられないときは、同じ省にあっても、局や課を分けることがよいと思います。たびたび取り上げた医薬品については、厚労省のなかで医政局医薬安全局に分かれています。農水省に消費安全局があり、経済産業省に製品安全課などがあります(最近も、ガス湯沸かし器による事故が問題になっています)。そしてこれからは、消費者保護。生活者保護の政策分野が大きくなるべきなのです。それを担う組織を独立させることで、それがはっきり見えるのです。
生活省と事業省を対立させることについては、「今でも調整が困難な霞ヶ関に、さらに対立を持ち込むのか」との批判が出そうですが、これは必要な緊張関係だと思います。そして、国民の前にその対立を見せるのです。これまで、それを官僚同士で調整しようとしたから、問題解決が遅れたのです。
生活者保護だけでなく、構造改革についても、担当省をはっきりすべきでしょう。今は、経済財政諮問会議(それを助ける内閣府)や規制改革会議(それを助ける内閣府)が担当しています。これらの仕事を担う省を、はっきりと位置づけるのです。

2007.02.11

2007年2月11日   岡本全勝

東京は雪も降らず、暖かな日が続いています。我が家の椿も、次々と花を咲かせています。ご近所の梅も、何本かは満開近くになっています。ミモザも、鮮やかな黄色の花を咲かせました。過ごしやすいのは良いのですが、野菜などの生育や、雪が少ないと夏の水不足が心配ですね。たまった書類の整理と、美術館や本屋への外出で、休日は過ぎてしまいます。

2007.02.10

2007年2月10日   岡本全勝
政と官」の記述が多くなったので、「行政機構」を独立させ、「官僚論」も整理しました。霞ヶ関の問題や省庁再編は、行政機構」に集めました。先日連載したお詫びの仕方とかは、「仕事の仕方」にあります。もっとも、そんなにきれいには整理できません。改めて読むと、何度も同じことを言ってますね。
これだけページが増えると(380ページ)、どこに何があるか、私も分からないです。目次を眺めて、「そうだ、こんなページもある」と思い出します。そのために、表紙の下に検索機能をつけてあるのですが。先日、新聞記者さんから、「岡本さんのホームページの中を検索しても、たくさん出てきて、探しにくいんですよね」と、苦情をもらいました。

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2007年2月10日   岡本全勝
出版社「ぎょうせい」から、シリーズ「地方税財政の構造改革と運営」の発行が始まりました。「第4巻 行財政運営の新たな手法」と「第2巻 三位一体の改革と将来像・地方税・地方交付税」が、すでに出版されました。
第4巻は、自治体の管理と運営の、新たな動きや手法についてです。組織マネジメント、人事管理改革と行政評価、アウトソーシングと地域協働、PFI、公営企業改革、地方独立行政法人、規制改革、特区、地域再生などについて書かれています。第2巻は、三位一体改革の成果とこれからの課題、将来像のうち、地方税と交付税について書かれています。
(時代の変化)
地方行財政については、出版社「ぎょうせい」や第一法規から、これまでも何度もシリーズの本が出ています。自治の仕組み、行政分野ごとの制度、財政の仕組み、税制の仕組みなどです。私も公務員になったころ、買って勉強しました。もちろん、とてもすべては読めませんでしたが、興味のある分野は通読し、その他は必要に応じて参照するという読み方です。今も、何冊かは捨てずに持ってます。
それを見て、時代の変化を感じます。かつては、制度の解説が主で、教科書でした。一昔前の百科事典のように、本棚に鎮座していました。装丁も頑丈でした。近年のは、制度の解説より、何が変わったか、これからの課題は何か、進むべき道はという、論文集に近いです。体裁も、コンパクトになっています。かつては、数年並べておけましたが、最近のは次々と新しくなり、耐用年数が短くなりました。
(制度の解説から課題と将来像の提示へ)
これはもちろん、大きな制度の改正が続いていること、また運用も変化の時代に入っているからです。執筆者も、制度の解説だと、制度や先達の本をお勉強すれば書けました。今やその上に、課題を整理し、自らの考えを述べなければなりません。かつての本には私見は不要でしたが、今は私見のない論文は、役に立たないのです。
10年以上前、まだ私が自治省の課長補佐だったころ、若手補佐を糾合して、新しいシリーズを編集したことがあります。「分権時代の地方財政運営講座」です。編集代表は湯浅利夫財政局長(後に自治事務次官、宮内庁長官)にお願いしました。刊行の辞には、次のような文章があります。「従来の地方財政の解説書、教科書とは、形、内容とも大きく異なったものとなっている。まず、これまでのような制度、仕組みの解説ではなく、テーマ別にその実績、新たな動き、今後の課題と展望を論じる論説方式を採用した。実績については評価を、課題については政策を重視した記述、分析を求めたため、各論文とも執筆者の見解を踏まえたものとなっている」。
今と同じようなことを、言ってますね。この「論説方式」は、当時刊行されていた岩波講座「日本通史」にヒントを得ました。通史と銘打ちつつ、そこでは通史的な記述ではなく、テーマを立てて論説する方法をとっているのです。
財政運営講座は、各巻の構成も、地方財政の新たな展開、地域振興の戦略的展開、高齢社会、地域経済、地域経営、行政管理、資金管理と、それまでにないユニークなものでした。
こんな講座を考えたのは、地方行財政は拡大と安定の時期を過ぎ変革の時代に入ったこと、そして制度の解説では十分でなく課題と解決策を提示しなければならない、と危機感を持ったからです。もっとも、私たちが編集した講座が、それに成功したかは、やや心もとないです。後輩達が書いた本を見ながら、こんなことを思い出し、考えました。

省庁再編の軸

2007年2月8日   岡本全勝
これから行政の使命は、これまでのような業界振興ではなく、生活者保護になるべきではないか、というのが私の考えです。そこで、省庁再編も、この哲学に沿って行えないか、と考えています。「生活省」をつくり、生活者保護を担うのです。
今、暮らしという観点で、内閣府にある組織が「暮らしの相談窓口」としてくくられています。クリックしてみてください。そこには、男女共同参画、配偶者暴力、消費生活、個人情報保護、NPO制度、公益通報、食の安全、インターネット上での違法・有害情報、交通事故被害、学校生活・友人関係等、社会生活における深刻な悩み、といった事項が並んでいます。
これらを見ると、これまでの官庁とは違ったイメージを、持たれるでしょう。道路を造ったり、農地を整備する仕事とは違った役割が、求められているのです。そして、一般の国民には、これらの方が切実なのです。
もちろん、各省にもそれぞれの分野で、業界でなく生活者・利用者側にたった施策、窓口があります。これらを軸に、生活省をつくれないかというアイデアです。地方団体には、すでに、生活部とか県民部、市民局があります。
次回に続く。