岡本全勝 のすべての投稿

NPOによるコミュニティ支援

今回の大震災復興の特徴に、NPOによる支援があります。避難所での手伝いや、仮設住宅見守りは、何度もこのホームページで紹介しました。説明しにくかったのが、コミュニティ支援です。町内会がまとまるためのイベントや、高台移転への話し合い、市役所への掛け合いなどのお手伝いをしています。
藤沢烈さんが代表のNPOが、釜石市でコミュニティ支援を行なっています。今回、東北復興新聞が、特集記事で紹介してくれました(「岩手県釜石市 コミュニティ 形成支援のモデル事例に学ぶ」前編後編)。
・・彼らが住民からの大きな信頼を得ている理由は、さまざまな支援活動とともに、外部の人間として「前に出過ぎない」立ち位置にも秘訣がありそうだ・・
・・「大切なのは代表性のある住民組織があることです」。こう話すのは同法人代表理事の藤沢烈さんだ。地域内にさまざまな住民組織やコミュニティが存在する中で、「あの人が言えば」という信頼を得ているリーダーの存在は非常に重要。そうしたリーダーや組織は代表性を持つため、行政から見ても会話や調整がし易い相手となる。当然、住民からしても意見が通り易くなる訳で、結果的にまちづくりが加速化する。
「よく行政・住民間の連携が課題と言われますが、実は本質的な課題は住民同士の連携だと気づいたんです」(藤沢さん)。復興コーディネーターは、住民活動の促進や場づくりを行いながら、住民間のコミュニケーションを円滑化しているとも言えるだろう・・
なるほど、納得します。烈さん、ありがとう。

復興特別委員会審議

今日は、衆議院復興特別委員会で、大臣所信に対する質疑がありました。参議院総務委員会で、岡本統括官への質問通告があり、そちらに出席したのですが、質問はなく空振りでした。
国会は、この後、年度末の日切れ法案の処理と、暫定予算の処理が予定されていて、復興特別委員会での法案審議は、その後になるようです。

ニクソンとキッシンジャーとヘイグ、その2

ウッドワードとバーンスタインの『大統領の陰謀』は、2人の若き新聞記者が、民間ビルへの不法侵入事件をきっかけに、大統領による盗聴ともみ消し工作を追い詰めていく記録です。権力(政府)からの圧力に耐え、他方、内部通報者の協力を得て、事件を明らかにしていく過程は、スリリングです。
もう一冊の『最後の日々―続・大統領の陰謀』は、ウォーターゲート事件が明るみに出て以降の、ホワイトハウス内での葛藤を描いたものです。「続」とついていますが、描き方、手法が全く異なります。前著は、2人が主人公の「日記」です。後著は、事件後の関係者への取材による「記録」です。
『続』にあっては、ホワイトハウス内の当事者が、ここまでしゃべるのかと、いささか驚きます。もちろん、著者の取材力と、当時のこの事件の大きさによるところもあるでしょう。
まず、大統領と法律顧問との葛藤が描かれます。そして、追い詰められても、辞任を認めないニクソン大統領と、ホワイトハウス内の側近たちの動きが、生々しく描かれています。最後は、孤独な権力者の「弱さ」が、痛々しく感じられます。
その間、国会議員らが大統領に辞任を迫ると、逆に意固地になることを恐れ、いろいろな手を打ちながら、大統領を導いていくヘイグ首席補佐官。彼は他方で、フォード副大統領への政権移行を準備します。その意味で、後半の主人公は大統領であり、ヘイグ補佐官です。
当時、ニクソン大統領は大統領職6年目、まだ61歳です。ヘイグ補佐官は50歳、キッシンジャー国務長官は51歳です。
ヘイグ補佐官はその後、レーガン政権で国務長官を務めます。レーガン大統領が銃撃を受け、病院に運ばれました。その際の、発言が有名です。記者会見で、「私がここを統制している」 “I am in control here” と明言します。これは、責任者が欠けた場合の「危機管理」として名言です。
”Constitutionally, gentlemen, you have the President, the Vice President, and the Secretary of State in that order, and should the President decide he wants to transfer the helm to the Vice President, he will do so. He has not done that. As of now, I am in control here, in the White House, pending return of the Vice President and in close touch with him. If something came up, I would check with him, of course”(
WikipediaAlexander Haig

震災関連倒産と新規法人設立の動向

帝国データバンクが、東日本大震災の関連調査をしています。今回、2年目の調査が発表されました。それによると、企業の倒産件数は1,139件で、阪神・淡路大震災に比べ3.4倍、負債総額は14倍です。直接被害による倒産が1割なのに対し、9割は間接的被害です。地域も東北地方だけでなく、関東や中部、近畿、九州でも多くなっています。
また、東京商工リサーチの調べでは、被災3県で復興に向けた新しい法人の設立が増えています。2012年1月から9月までの間、全国で設立された法人は7万5千社、前年同期比106%増に対し、被災3県では2千8百社、44%増です。
その内訳は、内陸部で1,761社、32%増、沿岸部で1,046社、68%増です。復旧は内陸部が早く、沿岸部の遅れを心配していましたが、そうでもないようです。産業別でも、建設業だけでなく、農林水産業や製造業も多いです。

情報セキュリティ研修

先週、職場で全職員を対象に、情報セキュリティ自己点検を実施しました。メールで調査票を送り、各人が問題に答えるのです。パソコンでの情報の受け渡しは便利になりましたが、油断すると外部に秘密情報が漏れてしまいます。その具体例が載っていて、扱い方の選択肢から正しいと思うものを選ぶのです。
研修を受けるのは、時間がかかるし、職員を拘束しなければなりません。パソコンで、空いた時間に回答するのは、楽です。
かつては、このような研修は必要なかったのですがね。今や、必須です(2013年2月2日の記事)。