・・・欧米民主諸国の危険は、それが死滅することではなく、硬直化していくことだ。予算圧力、政治的膠着、そして人口動態が作り出す圧力という、気の萎えるほどの大きな課題が指し示す未来は、崩壊ではなく、むしろ低成長と停滞が続くことだ。
泥縄式に危機をやり過ごせば、相対的な豊かさはかろうじて維持できるかもしれない。だが、ゆっくりと着実に先進国は世界の周辺へと追いやられていくことになるだろう・・
「改革する力を持たない先進国の産業民主主義のモデルがかつて存在した」。世界経済を支配していた時代を経て、先進国が成長率がわずか0.8%という時代を今後20年にわたって経験すれば、そうした解釈が出てくるだろう・・
アメリカ人、ヨーロッパ人が力を結集できなければ、彼らの未来がどのようなものになるかを知るのは簡単だ。日本に目を向ければ、容易に想像がつく・・・
最後の文章は、厳しい指摘です。外国人による日本評をありがたく承る必要はありませんが、オピニオンリーダーがこのように見ていること、そして影響力の大きい雑誌に載っていることを認識する必要はあります。
ところで、日本でもてはやされる「外国人による日本論」は、高く評価して自尊心をくすぐるものと、低い評価で日本はダメだという2種類に分類できます。そして、いずれもが、日本人(読者)が自ら考えていることと同じ論調のものをありがたがる=利用するのだと、考えています。すなわち、高い評価の場合はそれで自己満足し、低い評価の場合は「そうだよな」と言いつつ、内心では「いや日本は良い国なんだ」と自負しています。いずれにしろ、その「忠告」を受け入れ改革するつもりはありません。一種の「消費財」です。