11月19日の日経新聞夕刊に「いのちの電話、母語で相談 スペイン・ポルトガル語で寄り添う」が載っていました。
・・・苦しみややるせなさにさいなまれた時、身元を明かさず話を聞いてほしい――。思いに応え自死を防ぐ役割を担う「いのちの電話」で、スペインとポルトガルの2言語に対応する全国でも珍しい相談窓口が横浜市にある。30年以上、日本語を母語としない人々の心のよりどころとなってきた。
社会福祉法人「横浜いのちの電話」事務所。外国語相談部門「LAL(ラル)」があるのは、日本語対応エリアを抜けた先だ。「入って右側がスペイン語、左側がポルトガル語。背中合わせみたいな感じ」
相談員は約1年の研修で心理学などを学び、審査に通った約40人。出身はメキシコやペルーなど8カ国に及び、交代でシフトに入って月に約40〜50件寄せられる相談に当たる。
ラルは、在日ラテンアメリカコミュニティーのためのホットラインだということを両言語で表した言葉の頭文字を取る名前で、1993年に誕生した。
ラルによるとその数年前、カンボジアからの難民が過去の戦争のトラウマにより無理心中を図る事件が神奈川県内であり、外国人へのメンタルケアが課題に。相談員が確保できそうなスペイン語とポルトガル語で相談を受けることになった。90年代は改正入管難民法が施行されて日系人の就労ハードルが下がるなどし、日本に出稼ぎに来る外国人も増えた。
ラルに寄せられる相談はほとんどが行政手続きや日々の生活の困りごとだったが、そのうち多くを心理的なものが占めるようになっていった。ラルのコーディネーターでブラジル生まれの日系2世、藤井ルッチ豊美さん(67)は「心理的なことはやはり母語でしゃべるのが良い」と思い至った。
話の内容や声色から必要に応じてカウンセリングの受診などを勧めることもあるが、批判せずじっくり聞くことを意識し、電話が切れるまで寄り添い続ける。最近増えてきたのは、孤独にまつわる相談だ。日本での生活が長くなり母国とのつながりが薄らぐ中で、定職に就けなかったり子どもが巣立ったりした中年からの相談が目立つという・・・