連載第1章の概要

10月31日の第23回で、第1章が終わりました。第1章は東日本大震災を素材に、私たちの町での暮らしを支えているものは何か、それは誰がつくっているかを論じました。

「1 想定外が起きたー政府の役割を考える」では、未曾有の災害が起き、これまでにないことをしなければならなかったことを紹介しました。
「2 町を再建するーまちとは何か」では、町を復興する際には、インフラだけでなく、産業やコミュニティの再建が必要であることを指摘しました。
「3 哲学が変わったー成長から成熟へ」では、昭和時代から平成時代に日本社会は大きく変化し、社会の課題と行政に求められることが変わったことを指摘しました。

ここで言いたかったこと、またこの連載で主張していることは、次の通りです。
1 公共をつくるのは行政だけではないこと
私たちの暮らしを支えている公共(世間)は、インフラ、サービス提供と、他者とのつながりです。すると、インフラ整備と公共サービス提供だけが、公共をつくるものではありません。
行政だけが公共ではなく、企業やNPO、コミュニティも重要な主体です。

2 戦後70年、日本社会は大きく変わったこと
戦後70年、経済成長に成功し豊かな国になった日本には、経済発展とは違う別の課題が生まれてきています。その間に、日本社会、家族、人生の形が大きく変わり、新しい社会の課題を生んでいます。
それらの課題に、誰がどのように応えるのか。それを考える必要があります。

3 新しいこの国のかたちを作る必要があること(これは、今後議論します)
先進国をお手本とし、それに追いつくという社会や行政の形は終わりました。平成時代は、その曲がり角でした。しかし、日本社会と日本の行政は、その方向転換に成功していません。