8月31日の日経新聞に「「時短」勤務者は重要な戦力 人員確保に効果 管理職の意識変わる」が載っていました。
・・・1日6時間など、フルタイムより短い時間で働く「時短」勤務者を、特に重要な戦力とみなして活用する組織が増えてきた。人手不足が深刻になるなか、フルタイム勤務という条件を外せば新たな採用がしやすい。短時間で成果を上げようとする意識が広がると、組織全体の働き方も変えられる可能性がある。
高知県は2026年度、週10時間の無給休暇が取れる「短時間正職員」の採用を始めた。職種を限定しない短時間勤務の正職員採用は全国で初めて。長らく職員の残業時間削減が課題だったが、人員の確保が難しかった。そこでフルタイムにこだわらず、短時間でも働ける人を増やし、1人あたりの仕事量や勤務時間を減らそうと試みた。
短時間正職員として働く市川明子さん(45)は、職員厚生課で公務災害の審査などを担う。過去の災害事例を丁寧に調べ、周囲の職員の助言を得ながら仕事を進める。週10時間の休暇は、水曜日を休みにし、他の日は始業時間を30分遅らせることで活用する。高校生から小学生まで4人の子どもがおり、始業が遅くなれば、下の子の登校時間に合わせて出勤できる。水曜日は平日にしかできない用事を済ませる日にあてる。
「フルタイムなら応募しなかっただろう」と市川さんは話す。大学卒業後、中国で日本語教師として働き、帰国後に結婚。専業主婦やパート勤務を経て生活は充実していたが、40歳を過ぎて「自分の生き方はこのままでいいのか」と悩んでいた。短時間正職員の募集を偶然見つけ、「私にも力を発揮できるチャンスがあるかもしれない」と応募した。今は仕事で周囲から感謝されると「社会の中で役に立っていると実感する」。
採用した短時間正職員は市川さんを含めて計10人。人事評価や昇給制度はフルタイムと同じ。行政職5人の募集には約100人の応募があった。その多くは育児中の女性だった。
高知県では約3400人の職員を対象に、時間外割増賃金率を通常の25%から50%にする施策も実施中だ。「管理職が早く帰ろうと声掛けを始めるなど職場が変わってきた」(行政管理課)
ビースタイルホールディングス傘下で、求人サイト「しゅふJOB」を運営するビースタイルメディアは3年前に大手顧客向けの営業部で時短社員の採用を始めた。「夕方5時までの勤務で募集すれば圧倒的に応募が増える」(同社)からだ。
ただ当初は「顧客対応のある営業部門で時短は無理ではないか」という社内の声もあった。そこで営業部で午後5時以降の顧客からのメールをすべて確認してみたところ、5時以降に対応が必須だったのは月1件ほど。多くは翌日対応で問題なかった。
心配は杞憂だったと分かり、現在はチーム14人のうち3人が通常より1時間短い午後5時までの勤務を実践している。第一営業部部長の中畝拓輝さんは「時短勤務者の採用で、短時間で成果を上げる方法を管理職が積極的に考えるようになった」と、その効果を口にする。