異論や逆張りの発想の重要性

2026年8月9日   岡本全勝

長期停滞、「大きな政府」はあり得なかったか」の続きになります。大勢順応、世間に従うことの危険についてです。

大勢に従っていると、自分で判断する必要がなく、楽です。その結果が悪くても、「私が判断したのではない」と言い訳ができます。その反対が、世間がどう言おうと、自分で判断することです。それは労力が必要ですし、結果が悪いと自分の責任になります。バンドワゴン効果という言葉もあります。
その極致が逆張りです。逆張りとは、取引で人気のよいときに売り、悪いときに買うことです。大勢や時流に逆らう言動をする場合にも、「逆張りの主張」と使います。

他人と同じことをしていたら、それと同じだけの利益を得るでしょうが、競争のある世界では負けていきます。これまでにないことを考えるのが、商売であり研究です。そこでは、これまでの通念を疑う、他人とは違うことを考える必要があります。大勢に従わない人が、新しい商売を考え、利益を得ます。

経済が成長しているとき、社会が発展しているときは、大勢に順応しているとその流れに乗ることができます。そして、好循環が生まれます。他方で、経済が不況になり、社会が停滞しているときには、他者と同じことをしていては、同じように低下するだけでなく、社会全体がさらに低下します。各会社や各人が節約すると、経済全体が縮小します。経済学で言う「合成の誤謬」の一つでしょう。日本の長期停滞は、この悪循環に入っていたのではないでしょうか。

その際に、逆張りの発想はなかったのでしょうか。官民ともに、大勢順応やこれまで通りではなく、「これを変えよう」という議論はできなかったのでしょうか。