日本は1980年代から小さな政府を目指し、行政改革の継続しました。当初は財政再建が目的でしたが、先進国で主張された新自由主義的改革、「官から民へ」の思想がそれに加わりました。官は失敗するので、民に任せようという思想です。これら財政再建も「官から民へ」も正しい考えだと思いますが、日本はバブル経済崩壊後に長期停滞に陥りました。
今から見ると、単なる景気変動ではありませんでした。1990年代に何度も巨額の経済対策を打ちましたが、景気は回復しませんでした。経済界が3つの過剰を処理しても、経済は回復しませんでした。
国際的、産業的には、世界での産業競争が激化し、それまで日本が優位に立っていた製造業で、アジア各国の追い上げに負けてしまいました。産業構造の転換も必要でした。
長期停滞を長引かせた理由の一つは、官と民との「縮小思考」だと思います。企業は業績回復のため、「選択と集中」「リストラ」を続けました。政府も、行政改革を続けました。しかし、企業が事業を縮小し、政府が予算を縮小する。企業も政府も従業員を減らし、給与を削減する。これを続けると、経済は拡大しませんよね。景気変動に対して、ケインズ経済学では総需要政策を主張します。
どこかで、経済拡大のために「大きな政府」はあり得なかったかのでしょうか。単純な財政出動では効果がないことは1990年代が示しています。必要だったのは、企業の新しい分野への投資を支援すること、他方で従業員の給与を下げないことではなかったでしょうか。もちろん、業績の悪い企業にそれを期待することは、無理でしょう。その際に、政府が何らかの手を打つことはできなかったのでしょうか。
ケインズ経済学が従来の経済思想を大胆に変えたように、その先の「新しい経済思想」です。
政府が考えるべきは、「縮小思考」からの脱出と、国民の雇用と給与の安心確保だったと思うのです。このような説明は、具体性に欠ける、あやふやな考えであることを承知で書いておきます。