連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第263回「これまでの議論ー平成の「小さな政府」志向」が発行されました。
平成時代の地域の変化のうち、市町村について述べています。国だけでなく、地方自治体でも、この間「小さな政府」を目指した行政改革で、予算と人員の削減を続けました。それは主に、事務の外部委託と非常勤職員への置き換えで行われました。企業では、不採算部門を廃止したり縮小したりできるのですが、自治体では法律に基づく事務など廃止できないものも多いのです。会計年度任用職員のうち常勤的な勤務の職員は70万人近くいます。その他の市区町村では、職員のうち実に3人に1人が非常勤です。これで、仕事がうまく回るのでしょうか。
自治体では早くから、庁舎警備、学校給食、ゴミ処理などの業務が民間に委託されていましたが、新自由主義的改革の思想の下、「民間活力の活用」という掛け声でさらに民間委託が進みました。現業業務でなく、企画を調査会社に委託することや、施設の工事も施工だけでなく設計段階から企業に委託することが広がりました。見方によっては「丸投げ」です。ところが、職員が考える機会が減り、成果物(企画書や設計図、完成したもの)を評価する能力も低下していると聞きます。発注内容そのものを企業につくってもらう例もあるようです。
民間業者に委託すると、組織内にその仕事についての経験と知見が蓄積しないのです。住民が利用する施設の管理等を任せることにより、住民との接触が減って、地域の問題を拾い上げる機会が減ったと指摘する自治体幹部もいます。行政改革の旗を振った一人として、反省します。
平成の初期(1990年代)は、改革の時代でもありました。選挙制度改革、省庁改革、分権改革、規制改革などです。戦後型の行政が行き詰まっている、その仕組みを変えなければならないという意識からです。
この間の、私の体験も書いておきました。男女共同参画と働き方改革は、「昭和の官僚」にとっては、コペルニクス的転回でした。また、改革のいくつかに参画しました。
なお、会計年度任用職員の数については、総務省のホームページに載っています。「令和7年度 会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果 (任用件数等)」